この料理に合うワイン

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1st

シャトー ラグランジュ 

シャトー ラグランジュ

フランス
ぶどう品種 カベルネ・ソーヴィニヨン メルロ
プティ・ヴェルド

今回のレシピは、プーオップウンセン、蟹と春雨の土鍋蒸しです。プーは蟹、オップは蒸し煮、ウンセンは春雨ですので、蟹と春雨を蒸し煮にしたものです。タイのバンコクにはオップウンセンの専門店が何軒もあるくらい人気のタイ料理です。その専門店での具材は、蟹か海老が多くて、海老だとクンオップウンセンになります。工程の写真のように、土鍋の底に豚バラ肉の薄切りを敷き詰めます。その上に渡り蟹、きくらげ、生姜、春雨の順に重ねます。厚切りの生姜を「ちょっと多いんじゃない?」というくらい入れるのがポイントです。2人前で生姜は70〜80グラムも使うんですよ。春雨が40グラムですから、生姜の多さがわかります。味付けはオイスターソース 、シーイウカオ、シーズニングソース、砂糖でします。シーイウカオのシーイウは醤油の事で、甘く、どろっとしたシーイウダムと、さらっと薄口醤油のようなシーイウカオがあります。シーイウカオは、もし無ければ薄口醤油で代用可です。水50ccを加え、ふたをして中火で10分蒸し煮にします。ふたを開けて全体を混ぜ、またふたをして5分蒸らしたら出来上がりです。

この、プーオップウンセンにテイスティングメンバーが選んだのは、シャトー ラグランジュでした。シャトー ラグランジュは、数あるフランス銘醸地の中でも、東の正横綱ともいえるボルドー地方のワインです。ボルドーには2本の大きな河が流れています。スペインとの国境であるピレネー山脈を源流に、北に向かって流れてくるガロンヌ河と、フランスの丁度真ん中あたりに位置する中央山塊を源流に、西に流れてきたドルドーニュ河です。この2つの河はボルドー市の少し北側のマルゴー村の手前あたりで合流しジロンド河に名前を変えます。ボルドー地方には、いくつもの素晴らしいワインを産する地区があります。シャトー ペトリュスやシャトー オーゾンヌを擁するサンテミリオン、ポムロール地区。シャトー オー・ブリオンのあるペサック・レオニャン地区。シャトー ディケムを代表銘柄とするソーテルヌ地区。そして、シャトー ラフィットやシャトー マルゴー、シャトー ラグランジュのあるメドック地区です。サンテミリオン、ポムロール地区は中央山塊からもたらされる粘土質が主体の土壌で、ペサック・レオニャン地区はピレネーからもたらされる小石が主体の土壌なのに対して、メドック地区はこの2つの土壌が、まるでミルフィーユのように組み合わされて出来ています。まさに神に祝福されたかのような土地なのです。ラグランジュの位置するサンジュリアン村はマルゴー村より少し下流、ラフィットのあるポーイヤック村の上流にあります。ラグランジュの歴史は古く、17世紀頃のワイン地図に、既に“ラ・グランジュ”という名で記載されています。最初の飛躍は1842年、ルイ・フィリップ朝において内務大臣などを歴任したデュシャテル伯爵が所有者となり、品質を向上させた時期でした。その後1855年の格付において、見事3級に叙せられました。20世紀初頭には、度重なる戦争や経済危機、所有者の入れ替わりによって、品質が低下して名声は地に落ちてしまい、1983年にサントリーが経営を引き継ぐ事になりました。先代のスペイン人のセンドーヤ家は、経営危機の時に、畑の一部を切り売りして糊口を凌いでいたのですが、シャトーから遠い、品質の劣る部分ばかりを売っていたので、結果的には良い土壌の部分が残っていた、という幸運もありました。買収後、畑から醸造施設、城館や庭園に至るまで徹底的な改革に全力を投じました。
栽培では、当時シャトー レオヴィル ラス カーズのオーナーだったドロン氏のアドバイスも得て、メルロを抜き、カベルネ・ソーヴィニヨンを増やし、補助品種にはプティ・ヴェルドを選びました。買収から35年が経過しましたが、現在に至るまで、ずっと改革の手は緩めていません。栽培ポリシーは、収穫はぎりぎりまで待って完熟を目指す事で、収量もできるだけ抑制しています。「自然と共存出来る持続可能な栽培」を目指しリュット・レゾネ(農薬、化学肥料を極力使用しない農法)に取り組んでおり、2005年にはフランスの団体テラ・ヴィティスの認証を取得しました。2014年からは綿密な土壌分析に基づき、区画の更なる細分化をしました。
醸造設備では、最新型瓶詰機を導入し、2008年から小型タンクへの切り替えを開始、2009年には光学式選果台を導入して効率的で厳密な選果の徹底をするようになりました。

グラスに注ぐとダークチェリーレッドの深みのある色合いです。香りには、カシスやブラックベリーなどの黒々とした果実のイメージがあります。口に入れると、力強くスケール感を感じさせます。キメの細かなタンニンがしっかりとあり、コクがあって、余韻の長いワインです。

プーオップウンセンと合わせると、春雨が吸い込んだ蟹の味噌とラグランジュの力強い味わいが共鳴します。

「うわ、凄いですね」

「蟹の味噌がこんなにボルドーワインに合うと思いませんでした」

「北陸での、蟹テーマのワイン会だと、ボルドーの大物を持ってくる方が結構多いですよ。蟹の味噌は濃厚ですから十分ボルドーのグランヴァンに対抗できる力があるのです」

「蟹もですけど、豚の脂も効いている気がします」

新鮮な渡り蟹が手に入ったら、是非このプーオップウンセンに挑戦してみてください。そして、蟹とボルドー グランヴァンとの素敵なマリアージュを体感してみてください。

2位に選ばれたのはミオネット プロセッコ DOC トレヴィーゾ ブリュットでした。ミオネット社は1887年にフランチェスコ ミオネットにより創業された、130年以上の歴史を持つ世界No.1 プロセッコメーカー※1です。プロセッコはイタリア北部ヴェネト州、フリウリ・ヴェネチア ジュリア州にかけての9つの県にまたがるエリアで栽培総面積は約30,000haです。その中心部がトレヴィーゾ県ヴァルドッビアーデネで、プロセッコの“都”とも言われています。ぶどう品種はグレーラ、OIVの分類では香り系品種とされています。グラスに注ぐと、香りは豊かです。フレッシュな青リンゴを連想させます。白い花をイメージさせる、軽やかで甘やかな香りが広がります。ふんわりとした泡立ちで、やさしい果実味があります。柔らかな味わいの後に、ホロ苦さが程良く口中を引き締める、プロセッコらしい味わいのワインです。プーオップウンセンと合わせると、軽やかにまとまるイメージです。蟹特有の香りが、プロセッコの香りにふわっと包まれ、より華やかになります。蟹独特の濃い味わいは、フレッシュな柑橘を絞ったように、きゅっと引き締められ軽やかになっていました。

※1 IWSR 2018 International brand

2nd

ミオネット プロセッコ DOC トレヴィーゾ ブリュット 

ミオネット プロセッコ DOC トレヴィーゾ ブリュット

イタリア
ぶどう品種 グレーラ

3位に選ばれたのは、ローラン・ペリエ ラ キュベでした。誰もがあこがれ、乾杯の時に欠かせないのがシャンパンです。ワインの1種であるのは間違いないのですが、固有の世界観があります。通常のスティルワインはスティル(静か)、つまり泡が立ちません。一方シャンパンは、美しく真珠のネックレスのように立ち昇る泡が印象的です。通常のワインは、収穫された年の表記のあるものが多いですが、シャンパンは年を名乗らないものが主体です。通常のワインは農業産品の性格が強く、シャンパンはブランド品の色合いが強いのです。スタンダードキュベと呼ばれるシャンパンが、それぞれのシャンパン生産者にあります。通常、その生産者で最も多くつくられ、価格も手頃なものである事が多いです。そのスタンダードキュベは、その生産者の「名刺」とも言われ、その生産者が表現したい味の世界を表していると言われます。ローラン・ペリエではラ キュベがスタンダードキュベです。大手メゾンのスタンダードキュベの品種配合を見るとローラン・ペリエ ラ キュベのシャルドネ使用比率が50%から55%で、突出して多いのがわかります。シャンパーニュ地方で使われる3つのぶどうで最も高価なのは、そのシャルドネなのです。また、シャンパンのぶどうは2回に分けて絞る事が法律で認められています。4トンのぶどうから1回目に2,050ℓ絞る「キュベ」、「キュベ」が絞られた後、ぶどうを切るように真ん中に集めて再度絞る500ℓの「プルミエール タイユ」です。ローラン・ペリエ ラ キュベはその名の通り、上質な「キュベ」しか使わないのです。ローラン・ペリエ社のスタイルである「フレッシュさ」「エレガントさ」「バランスの良さ」を表現するためには、コストがかかることも厭わないのです。
ローラン・ペリエ ラ キュベとプーオップウンセンを合わせると余韻の長さが光りました。極上のコクが長く長く続き、ずっと旨味が口中に漂い続ける印象でした。皆様も大事な夜をローラン・ペリエ ラ キュベとプーオップウンセンで飾ってみませんか?

3rd

ローラン・ペリエ ラ キュベ 

ローラン・ペリエ ラ キュベ

フランス
ぶどう品種 シャルドネ
ピノ・ノワール
ムニエ

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