この料理に合うワイン

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1st

ドメーヌ バロン ド ロートシルト ボルドー レゼルブ スペシアル ブラン

ドメーヌ バロン ド ロートシルト
ボルドー レゼルブ スペシアル ブラン

フランス
ぶどう品種 ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、ソーヴィニヨン・グリ

今回の料理は鯵のなめろうバルサミコ風味です。鯵はスズキ目・アジ科に属する数種類の魚で、日本で単に「鯵」と言う場合は、真鯵を指している事が多いようです。日本人には古くから親しまれている魚で、関東周辺の縄文時代の貝塚からも鯵の標本がたくさん同定されています。大きくなると50cmくらいになります。成魚は回遊魚で群れをつくって、水深30mくらいから150mくらいの海底付近を泳ぎ回ってプランクトンや甲殻類、小魚を食べています。関東でも東京湾や相模湾の釣り船で真鯵を狙う時は、イワシミンチかオキアミを入れたコマセカゴのサビキ仕掛けか、行燈ビシをつかった2本針仕掛けを使う事が多いです。いずれも錘を底まで落とし、コマセを撒きながら針が底近くになるようにして真鯵がかかるのを待ちます。そうして釣れる真鯵は黒っぽい色をしていて「喉黒鯵」とか「黒鯵」と呼ばれます。同じ真鯵の中にも、色が黄色っぽいものもいます。この鯵は、餌が多い浅瀬を見つけてそこに住みついた真鯵です。「黄鯵」と呼ばれ、黒鯵よりも脂が乗っている事が多く美味しいです。さて、今回のレシピでは、この真鯵をなめろうにします。なめろうは千葉県公式観光物産サイトによりますと、「南房総で有名な郷土料理です。あまりの美味しさに皿までなめてしまう事からついた名前で、アジやイワシ等の魚の身と、ネギ、シソ、生姜、味噌を混ぜ、包丁でたたきながら練り合わせる料理です。」とあります。ちなみに、なめろうを焼くと「さんが」「さんが焼き」になります。さんがは山家で、美味しいけれども、傷み易いなめろうを海からはなれた山家の人たちに食べてもらう為に焼いたからだと言われています。今回のなめろうはワインスクエアらしく、味つけにはバルサミコを使い、薬味にニンニク、それも擦り下ろさずに荒くみじん切りにしました。

この鯵のなめろうバルサミコ風味にテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはドメーヌ バロン ド ロートシルト ボルドー レゼルブ スペシアル ブランでした。ドメーヌ バロン ド ロートシルトはボルドーの有名な「メドックの格付」で1級の、更に筆頭格付に選ばれているシャトー ラフィット・ロートシルトを所有している名門です。ロートシルトはドイツ語読みで、英語ではロスチャイルドです。ロートシルト家の開祖はマイヤー アムシェル ロートシルトですが、彼はフランクフルトのゲットー(ユダヤ人隔離居住区)出身でした。1770年ころまでは赤い表札=ロートシルトの付いた小さな商店だったようです。最初のうちは古銭商と、商品が少しだけある、小さな小さな商店だったのですが徐々に、両替や手形の割引なども手掛けるようになり、銀行業へと成長していったようです。1789年のフランス革命後、フランスがユダヤ人解放政策を実施したおかげでゲットーを抜け出しました。後にヘッセン選帝侯ヴィルヘルム1世となるヴィルヘルム9世に引き立てられて商売の規模はぐんぐん大きくなりました。マイヤー アムシェル ロートシルトには5人の子供がいました。それぞれに担当する国を設け、お互いの情報を当時の欧州で一番早い馬車でやりとりし、その情報の速さを商売に活かして財を成しました。例えば、ドイツで大きな炭鉱事故が発生したら、その他の4つの国で石炭を買い占める・・・・等です。マイヤー アムシェルが家族の掟として重んじたのは「協調」でした。皆さんもシャトー ラフィット・ロートシルトやシャトー ムートン・ロートシルトのキャップシールに5本の矢が描かれているのをご覧になった事があると思います。5本の矢は5人の兄弟、つまり世界に散らばった5つのロートシルト家を表しているのです。それぞれの家は決して他の家のテリトリーを犯さない、これがロートシルト家の家訓で、ロートシルト家の家紋にも「協調(concordia)」の文字が刻まれているのです。ある日、これを揺るがす大事件が勃発します。1853年のことでした。ロンドンを治めていた三男の故ネイサン マイヤーの息子ナザニエルが突然シャトー ムートンを購入したのです。パリを治めていた五男のジェームス マイヤーは激怒しました。自分の娘を嫁がせた位に親しい間柄のロンドンのナザニエルが、何故自分の懐とも言えるボルドーに手を突っ込むのか理解できませんでした。その直後の1855年に、皆さんも良くご存知のメドックの格付が行われ、ムートンは第2級になりました。怒りに燃えていたジェームス マイヤーは、なんとしてもムートンより格上のシャトーを我物にしなければ気が済みませんでした。虎視眈々とチャンスを待ち、第1級のしかも、筆頭格付であるラフィットを、やっとの思いで手にいれたのです。それは事件が勃発して15年後の1868年の事でした。力尽きたジェームス マイヤーは取得のわずか3ヵ月後に死去してしまいます。ひとつの丘に仲良く並んでいるかのように見えるラフィットとムートンには、こんな激闘の歴史があったのです。昨年、30年以上もドメーヌ バロン ド ロートシルトの当主を務めてきたエリック ド ロートシルト男爵は、お嬢さんのサスキア ド ロートシルトにチェアマンの座を譲り渡しました。

ドメーヌ バロン ド ロートシルト ボルドー レゼルブ スペシアル ブランのぶどう品種はソーヴィニヨン・ブラン50%とセミヨン40%そしてソーヴィニヨン・グリ10%です。グラスに注ぐと香りは豊かで、かつ上品です。柑橘系の果実、グレープフルーツやライムを思わせる香りがあります。パッションフルーツの印象もあり、爽やかです。口に含むと軽やかです。5つの1級ワインの中で最もエレガントと言われるラフィットの系譜をひく、控えめながら味わい深いワインです。なめろうと合わせると鯵の味わいを素直に引き出します。ディルの爽やかな香りとソーヴィニヨン・ブランの品種が持つハーブの印象がぴったりとマッチしています。

「鯵の旨みをワインの爽やかさが引き立てますね」

「鯵の、独特な香りとワインが丸く調和しています。香りを消すのではなくて、香りそのものを生かして、更に心地良くしている感じです」

「ニンニクが、粗いみじん切りなので、噛んでいる時に、ところどころで香りが弾けてアクセントになります」

「そうそう、松の実も、食感と噛んだときの香り立ちが面白く、絶妙にバロン ド ロートシルトに合っています」

松の実の少し重みのある香りは、もしかするとソーヴィニヨン・ブランとではなくセミヨンと合っているのかもしれません。新鮮な真鯵を見つけられたら、是非、この鯵のなめろうバルサミコ風味を作ってみてください。そしてドメーヌ バロン ド ロートシルト ボルドー レゼルブ スペシアル ブランを合わせてみてください。

2位に選ばれたのは、ジャパンプレミアム津軽産ソーヴィニヨン・ブランでした。ジャパンプレミアム津軽産ソーヴィニヨン・ブランは青森県弘前市の近郊、津軽富士と呼ばれる岩木山のふもとの南向きの斜面で契約農家の方に育てていただいたぶどうを使っています。この間の6月10日に訪問したときには、ソーヴィニヨン・ブランの花はまだかたく引き締まった状態でテントウムシが止まっていました。 香りは青リンゴのような爽やかさとパッションフルーツ、マンゴスチンを思わせる南国フルーツの香りの両方が感じられます。味わいはジューシーで、辛口ながら、完熟した果物の甘やかさを感じます。キレのある酸味とのバランスの良いワインです。なめろうと合わせるとディルの香りがぐっと強調されるのを感じます。爽やかさが際立ち、緑の印象が強まります。口にいれると、なめろうに柑橘を絞り込んだような涼やかな美味しさを感じました。

2nd

サントリージャパンプレミアム 津軽産ソーヴィニヨン・ブラン

サントリージャパンプレミアム
津軽産ソーヴィニヨン・ブラン

日本
ぶどう品種 ソーヴィニヨン・ブラン

3位に選ばれたのはヴィッラ サンディ プロセッコ DOC トレヴィーゾ “イル フレスコ”、イタリア3大スプマンテのひとつであるプロセッコでした。プロセッコの産地はヴェネト州とフリウリ州にまたがっています。売れ行きは絶好調で泡の世界の絶対王者シャンパンを2013年に数量で逆転しました。(※1)プロセッコは、今も更に数量が伸びているそうです。ヴィッラ サンディは代々ワイン生産に携わってきたモレッティ・ポレガート家がワイナリーを所有しています。伝統を守りながらも、最先端の技術も導入しています。グラスからは豊かな香りが昇って来ます。青リンゴやメロンを思わせる香りとライラックやスイカズラなどの白い花を連想させる香りもあります。柔らかなアタックでとてもクリーミーな泡です。口に含むと、ほんのりとした甘さを感じさせます。イキイキとした果実味があり、フレッシュで丸みのある酸とのバランスの良いスプマンテです。なめろうと合わせるとニンニクと松の実の香りが強調されました。鯵のコクをプロセッコの爽やかな泡がサラリと洗い流してくれる、とても素敵な相性でした。
※1 Italian Economic Bubble Wine Observatory (OVSE)2014年

3rd

ヴィッラ サンディ プロセッコ DOC トレヴィーゾ “イル フレスコ”

ヴィッラ サンディ プロセッコ DOC トレヴィーゾ
“イル フレスコ”

イタリア
ぶどう品種 グレーラ

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