この料理に合うワイン

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1st

バルトン&ゲスティエ ボルドー ルージュ

バルトン&ゲスティエ
ボルドー ルージュ

フランス
ぶどう品種 メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン

今回のレシピは、うなぎのキャラメリーゼ 山椒風味のチーズリゾット添えです。夏になると、うなぎが食べたくなります。スーパーの魚売場では、うなぎのコーナーが大きくなり、土用が間近になると、特設売場まで出現します。日本人にとって、うなぎは大事な夏のスタミナ食なのです。今年の7月に水産庁が発行したばかりの「ウナギをめぐる状況と対策について」を読むと、うなぎの激減ぶりに驚かされます。うなぎが日本人の口にはいるルートは3つです。

1.国内での養殖 

2.輸入(生きたうなぎや蒲焼になった状態で)

3.天然うなぎ

水産庁によると、2015年のうなぎの供給量は約51,000tで国内での養殖が約20,000t、輸入が約31,000t、天然物は70tでした。天然物は、わずか0.1%しか無いのが現状です。2015年の合計供給量の約51,000tという数字そのものは巨大なものですが、近年60年間で供給量ピークだった2000年が158,000tであった事を考えると1/3以下です。天然物の減り方は更に激しく、ピークだった1975年は2200tですので、1/70の大激減です。養殖に使われるシラスウナギも減っており、取引価格は高騰、なんと1kgで182万円(2016年の漁期平均)もしました。「ウナギをめぐる状況と対策について」には、この危機的な状況を打開するために、卵を産みに海に下る「下りうなぎ」とか「銀うなぎ」と呼ばれる、体色が黒くて、胸鰭が黒い成熟したうなぎを捕獲した時は再放流する運動や、シラスウナギの採捕の期間や量の見直しについても言及しています。飼育した親うなぎからシラスウナギを養殖する完全養殖も成功はしていますが、コストの問題で、商業的な生産には、時間が掛かりそうです。まだまだ当面はシラスウナギからの養殖に頼らざるを得ない状況なのです。もっと多くの「下りうなぎ」を海に戻して、産卵する事が出来る仕組み作りや、戻ってきたシラスウナギを捕り尽くさない体制づくりが急務です。

今回は市販のうなぎの蒲焼をキャラメリーゼします。大さじ1杯のグラニュー糖に水を小さじ1杯加えて溶かし、うなぎに絡めます。うなぎの端がカリッとしたら出来上がりです。キャラメリーゼで使ったフライパンに、たっぷりの赤ワインとバルサミコ、バターを加えてソースを作ります。リゾットは簡単バージョンで、ご飯から作りました。リゾットのアクセントは山椒の実の水煮です。水煮が手に入らない時は粉山椒で代用できます。この、うなぎのキャラメリーゼ 山椒風味のチーズリゾット添えにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはバルトン & ゲスティエ(以降B&Gと表記) ボルドー ルージュでした。B&Gの歴史は1725年にトーマス バルトンがアイルランドからボルドーに移住してワインビジネスをスタートしたのが始まりです。会社の形態になったのは1802年の事で、設立者であるヒュー バルトンとダニエル ゲスティエの名前をつないで会社名にしました。1821年にはサンジュリアンのシャトー レオヴィルを購入、その後、分割されてシャトー レオヴィル バルトンになりました。またシャトー ランゴア バルトンも購入しました。1954年にはシーグラム社が資本参加、1970年代には、バルトン家は経営から離れました。2010年にはカステル社がB&G社を買収し、今日に至っています。現在の醸造・調達責任者はローラン・プラダ氏です。1966年生まれ、モンペリエの大学でワイン醸造学を学びました。醸造の仕事はシャンパン地方のヴーヴ・クリコからスタート。その後、ピア・ペール・エ・フィスを経て、ラングドック他、マルゴー、サンテミリオンというボルドーの銘醸地で多くの経験をつみました。2002年からB&G社で、醸造・調達責任者をしています。今年の7月上旬には来日し、北海道、広島、熊本で一般社団法人日本ソムリエ協会の分科会セミナーを実施しました。プラダ氏によると、B&G社はネゴシアンなので、「良いぶどうを供給してくれる栽培農家とのつきあいが非常に大切」との事でした。プラダ氏は自分自身を「ドライビング・ワインメーカー」と呼んでいました。B&G社が長年ぶどうづくりを委託してきた農家がフランス全土で250ヶ所もあります。ボルドーのみならず、ロワール、ブルゴーニュ、ボジョレー、コート デュ ローヌ、プロヴァンス、ペイ ドックなど広範囲に及びます。プラダ氏は、その年のワイン製造戦略を決定すると農家に出向いて、ぶどうづくりや、収穫の話し合いを行います。収穫期、醸造のタイミングにも全国を回ります。日々、自ら車を運転してフランス全土のぶどう栽培農家を訪れ、自分のワイン造りのイメージを擦り合わせる、それこそがプラダ氏の仕事なのです。プラダ氏は長身でイケメン、セミナーでは、クールに淡々とした口調ながら、ワインづくりへの熱い思いを語ってくれました。

B&G ボルドー ルージュをグラスに注ぐと、色は明るめです。少し暗さを含んだルビー色、紫の色調も少しあります。香りは赤系のベリーが中心です。赤いさくらんぼやフランボワーズなどの自然な感じです。スパイシーなニュアンスも少し感じられます。口にいれると素直な果実味があり、しなやかです。優しいのですが、芯の部分にはカベルネ・ソーヴィニヨンらしい骨格感もあります。全体として、ピュアで自然、控えめながらきちんとボルドーらしさを持っている、まさに「プラダさんの人柄を思わせるワインだなぁ・・・」と思いました。

うなぎのキャラメリーゼと合わせるとうなぎの力強い味わいをボルドー ルージュが柔らかく受け止めていました。

「うなぎのキャラメリーゼが強いから、B&Gが負けちゃうんじゃないかと思ったけど、全然そんな事ありませんね」

「メルロが一番多いから、優しく感じるけれど、カベルネ・ソーヴィニヨンも40%使っているから芯の強さがあります」

「うなぎの香ばしく焦げたところと、ワインが良くあっていますね」

リゾットの山椒のスパイシーさとB&Gのほのかなスパイシーさが自然にマッチしていました。

うなぎは身の色の白い魚ですから、「身の色とワインの色を合わせる」という原則に則れば、白ワインのはずですが、しっかりした脂があるので、タンニンのある赤ワインの方が合わせ易いのかもしれません。

実は、プラダ醸造長とテイスティングセミナーツアーで広島から熊本に移動する際中、停電で山陽新幹線が6時間以上ストップするアクシデントに見舞われました。いつ回復するか情報が無いなかで3時間以上広島のホームで立ちっぱなしでした。そんななかでも、醸造長は「フランスのTGVではよくある事だ」と笑っていました。さらに動き出した新幹線も超満席で立ちっぱなし、1時間近く経過した時、醸造長の目の前の席が空きました。「醸造長、お掛け下さい」と水を向けると、醸造長は後ろに立っていた女性に、平然とその席を譲りました。筋金入りのジェントルマンだと感心しました。そして、その優しい思いやりは、彼のワイン造りにも通じているのだと思いました。

今年の土用のうなぎは、うなぎのキャラメリーゼ 山椒風味のチーズリゾット添えを作ってみませんか?そして、B&Gのボルドー ルージュを是非、お試しください。

2位に選ばれたのは、「サンタ ブラック」の通称で呼ばれている、サンタ バイ サンタ カロリーナ カルメネール/プティ・ヴェルドでした。このワインは今年の3月に発売されたばかりの新製品です。品種はチリを代表するカルメネールとボルドーでは補助品種の位置づけのプティ・ヴェルドを使っています。プティ・ヴェルドは少しスパイシー、強いタンニンの骨格を持つ、ぶどう品種です。サンタ ブラックの色は濃く、深いガーネット色です。香りはカシスやブラックベリーなど黒のイメージを持つ、濃い色の果物を連想させます。良く熟した果実の甘い香りとスパイシーなニュアンスがあります。うなぎと合わせるとサンタ ブラックのフルボディな味わいとうなぎのコクがぴったりと合っていました。特に山椒の香りとサンタ ブラックのスパイシーな香り立ちが絶妙でした。粒山椒を噛んでしまった時の辛さも、サンタ ブラックのリッチな果実味が優しく癒してくれました。

2nd

サンタ バイ サンタ カロリーナ カルメネール/プティ・ヴェルド

サンタ バイ サンタ カロリーナ
カルメネール/プティ・ヴェルド

チリ
ぶどう品種 カルメネール、プティ・ヴェルド

3位に選ばれたのはサントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーA ロゼでした。このワインは山梨県産86%、長野県産14%のマスカット・ベーリーAを使用した美しい色のロゼワインです。果汁を清澄させてから低温でゆっくりと発酵させることにより、フレッシュな味わいを引き出しました。もぎたてのぶどうをほおばったような、フルーティで華やかな香りとフレッシュな味わいが特長です。爽やかな酸味が心地よく、果実感たっぷり、やさしい甘さを持った日本ワインなのです。 うなぎのキャラメリーゼのしっかりとした甘みを、淡いタッチのロゼが、受け止められるのは、マスカット・ベーリー ロゼがもっているぶどう由来の甘さのおかげです。ソースにつかったバルサミコ酢はぶどう果汁を濃縮して醸していきますので、やはり、ぶどう由来の糖を豊かにもっています。3つの甘さが自然に合っていました。

3rd

サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーA ロゼ

サントリージャパンプレミアム
マスカット・ベーリーA ロゼ

日本
ぶどう品種 マスカット・ベーリーA

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