この料理に合うワイン

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1st

ビオンタ アルバリーニョ

ビオンタ
アルバリーニョ

スペイン
ぶどう品種 アルバリーニョ

今回のレシピは、鯵の香草パン粉焼き レモン風味です。日本で、単に「鯵」と言うと、一般的にマアジを指します。マアジはスズキ目、アジ科、アジ属の魚です。マアジは日本中どこでも獲れる魚です。なので、世界中に広く分布していそうな気がしますが、実は北太平洋にだけ生息している魚なのです。ヨーロッパで獲れるアジはニシマアジで、マアジにそっくりです。どちらも、とても美味な魚ですし、ちょっと見ただけでは、違いが判らないほど似ています。両方を並べて、見比べると、マアジのほうが、体高が少し高く、小顔ちゃんで美人です。「ニシマアジなんか、見たこと無い!」とおっしゃる方も多いかと思いますが、実は知らない間に口にされているかも知れません。店頭で販売されている鯵の干物の、かなりの部分は、加工したのは日本国内でも、漁獲されたのはノルウエーやオランダだったりするのです。マアジもニシマアジも大変美味しく、鯵の語源は「味が良いから」である、とも言われている魚です。今回は、その鯵をパン粉焼きにするのですが、普通のパン粉焼きではありません。ワインスクエアらしく、ワインに良く合う香草パン粉焼き レモン風味です。

まず、レモンの皮のすりおろしを作ります。ポストハーベストの問題がありますので、国産レモンを準備しましょう。国産レモンの旬は10月から1月と言われますが、6月いっぱいくらいまでは美味しいレモンが流通しています。それをおろし金ですりおろします。次にタイムの葉の葉っぱの部分だけを選ります。パン粉にタイムの葉と、イタリアンパセリのみじん切りとレモンの皮のすりおろし、塩、こしょうを混ぜ合わせます。耐熱バットに並べた鯵に、そのパン粉を乗せて押し付けるようにします。オリーブオイルをかけ、ローズマリーの枝を乗せたら220℃のオーブンに入れて焼きます。鯵の大きさにもよりますが、10分くらい焼いたら出来上がりです。パン粉焼きは油で揚げていないけれど、アジフライ的な、さくさく感が楽しめる、手軽で便利な調理方法なのです。

この鯵の香草パン粉焼き レモン風味にテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはビオンタ アルバリーニョでした。このワインは、スペイン北西部、大西洋岸のリアス バイシャス地方で生産されます。皆さんも学校の地理で習ったリアス式海岸のリアスの名前はリアス バイシャスのリアス=「入り江」からきているのです。先日、ビオンタの醸造長である、ロジャー・フェルナンデス氏が来日し、全日本最優秀ソムリエの佐藤陽一さんとセミナーを開きました。醸造長はリアス バイシャスのことを説明してくれました。リアス バイシャスはスペインの他の地方とは違って、雨が多く、多湿だそうです。ワイナリーの周辺で年間に1500mmから1600mmも降水量があります。東京よりも多いんですね。雨が多いので日本と同じような棚栽培で育てられるそうです。このワインに使われているアルバリーニョ種は多湿な環境にも耐える厚い果皮を持っているブドウ品種なのです。その皮の厚さのおかげで、香りの成分が多くなり、味わい豊かで、キレのある酸味とバランスがとれるワインになのです。リアス バイシャスは海に近く、そこでつくられるアルバリーニョは「海のワイン」と呼ばれています。ビオンタの色は、辛口の白ワインとしては、やや濃く、レモンイエローに、少し金色のニュアンスが入った色合いです。香りは柑橘系やリンゴ、それも、黄色いリンゴを思わせる香りです。グラスに注いでから少し時間が経って、ちょっと温度が上がると、蜜を思わせるタッチも出てきます。白い花や桃をイメージさせる香りです。口に含むと、酸が豊かです。それも少し鋭さを感じさせる酸です。ボディはシャブリなどの軽やかタイプの辛口白ワインよりも、力強く大きな感じがします。

鯵の香草パン粉焼き レモン風味と合わせると、柑橘の香りがぐっと強調されるのがわかります。

「うわっ!レモンが爆発ですね!」

爽やかな柑橘系が、共鳴するように強調されます。

「ビオンタが海のワインと呼ばれるのが良く判ります。今、ふわっと潮風のミネラルを、感じました」

鯵の旨みとビオンタの厚みが、お互いを強調しあっています。

「鯵って美味しい魚なんですね。身近に有り過ぎて、この美味しさを見過ごしていました。ビオンタと合わせてみる事で、改めて、ぎゅっと濃い美味しさを再認識することが出来ました」

アルバリーニョは、果皮が非常に厚く、色濃く、味わい深いブドウ品種なのです。ビオンタも瓶詰めされた直後の若い段階では、フレッシュでみずみずしい味わいですが、瓶詰めされて1年くらい熟成すると本来持つべき厚みとコクを表現してくるのです。

「衣の、タイムとパセリの青々とした香りにも良くマッチしています」

ワインだけで香りを嗅ぐと、それほど植物的なところは感じられないのですが、香草パン粉焼きと合わせるとハーブのニュアンスと、とても良く合っていました。ビオンタも緑系の香りを隠し持っているのかもしれません。爽やかさが心地よい、絶妙な組み合わせでした。

是非、この鯵の香草パン粉焼き レモン風味、皆様も作ってみてください。油で揚げないので、お手軽です。そして是非「海のワイン」ビオンタと合わせてみてください。

 

2位に選ばれたのはガゼラ、ポルトガルのヴィーニョ ヴェルデ=「緑」のワインでした。このワインはポートワインの積み出し港として有名なポルトから、北側のスペイン国境までの、ポルトガル最北部に位置するミーニョ地方で醸されるワインです。このミーニョ地方は全国の14%を占める一大ワイン生産地で「コスタ・ヴェルデ(緑の海岸)」とも呼ばれています。大西洋の暖流に囲まれた比較的雨量の多いエリアで、夏は涼しく冬は暖かい、なだらかな丘陵地帯です。ガゼラに使われているブドウ品種はローレイロ 40% 、ペデルナン 30% 、トラジャドゥーラー 15%、アザル 15%、いずれもボルトガルの地場品種です。グラスを見ると軽く発泡しているのが判ります。爽やかな柑橘系を思わせる香りがあります。味わいも軽やかでレモンのニュアンスのキレのある酸が特徴的です。鯵に、更にレモンをぎゅっと搾りこんだような爽快さのあるマリアージュでした

2nd

ガゼラ 

ガゼラ

ポルトガル
ぶどう品種 ローレイロ、ペデルナン、トラジャドゥーラー、アザル

3位に選ばれたのは、ヤルンバ ワイ シリーズ リースリングでした。ワイ シリーズはヤルンバの「Y」であるとともにYour Wine(あなただけのワイン)を見つけてほしいというメッセージが込められているワインです。ワイナリーは南オーストラリア州のバロッサにあります。熟した白桃やリンゴを思わせる香り、パイナップルのようなトロピックな香りもあります。豊かな果実味にリースリングらしいシャープな酸がある、メリハリの効いたワインです。鯵とのバランスが良く、奥行きが更に広がる感じがする組み合わせでした。

3rd

ヤルンバ ワイ シリーズ リースリング

ヤルンバ ワイ シリーズ
リースリング

オーストラリア
ぶどう品種 リースリング

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