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登美 百年の物語|2014年5月後半号

登美 百年の物語
古いヴィンテージに新しい発見があります。

(「登美 赤」2009年、2004年、1997年、1990年、1987年、1976年のテイスティングの続き)
「古いヴィンテージをテイスティングしていると、昔のつくりを見直したり、いろんな発見がありますね」と渡辺直樹ワイナリー長は言います。
 「登美 赤」(初リリース1982年)は90年代前半まで、ボルドーをお手本にカベルネ・ソーヴィニヨン主体のがっしりしたワインとしてつくられていました。95年前後から、よりテロワールを意識したつくりへとシフト。ぶどう比率も変動して、近年は、登美の風土で味わいを発揮するプティ・ヴェルドの存在感が増す品種構成になっています。
 ターニングポイントは90年代半ば。ちょうど渡辺さんがボルドー留学から帰国したタイミングでもありました。
 渡辺さんがボルドーで学んだひとつは土の中へ意識を及ぼすこと。ワインの味わいと土壌との関係、そのメカニズムでした。それはターニングポイント後の登美の丘のワインづくりに影響を与えたと言えるでしょう。
 6本の中でも、76年ヴィンテージは、渡辺さんが登美の丘に入る前の醸造です。が、渡辺さんには格別の思いがあると言います。
 それは、ボルドー留学時代のこと。
「搾汁についての講義の最中でした。ぶどうを搾った後は、できるかぎり負荷を掛けないように樽やタンクに移動させなければいけない。そのために、チューブポンプで送ったり、2階で搾って1階へ移動させたりといった方法が採られます。そんな中でも理想的なのはタンクの真上で搾ることである、それを実践しているところが日本にある、サントリーの登美の丘ワイナリーだ、と教授が話すのです。驚きました」
 その方法でつくられたのが76年ヴィンテージというわけです。
 今で言うところのグラヴィティ・フロー・システムですね。当時、登美の丘にグラヴィティ・フローという考え方があったかはどうかはわかりません。設備が近代化していなかっただけだったかもしれない。けれど、そこに理想的なつくりがあったという事実に、76年ヴィンテージを飲みながら、渡辺さんは思いを及ぼすのです。
「76年ヴィンテージは38年経ってなお若々しくて華がある。登美の丘のポテンシャルをこれほど感じさせるものもありません」

こんなふうに剪定します。
渡辺直樹
ワイナリー長 渡辺直樹
1988 年サントリーに入社。登美の丘ワイナリーにて栽培・醸造技術開発を担当。その後ボルドー大学留学を経て、フランスの国家認定資格であるエノログ(ワイン醸造士)を取得。登美(赤・白)、甲州、塩尻メルロ、マスカット・ベーリーA 等の品質向上に取組み続け、2014 年4月より現職。
君島佐和子-文
ジャーナリスト/『料理通信』編集長
photographs by Tsunenori Yamashita