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登美 百年の物語
百年分の経験を踏まえて新酒の育て方を考えます。

 登美の丘ワイナリーでは、毎年1月、「新酒評価会」を開きます。
 新酒評価会とは、発酵が終わったばかりの原酒を関係者が一斉にテイスティングし、アサンブラージュや熟成の方向性を検討する会。登美の丘ワイナリーの他に、塩尻、津軽、上山、高山村など、ジャパンプレミアム産地シリーズの新酒が一堂に会します。
 同じ産地の同じ品種でも、畑違いがあれば、仕込み方の違いもある。並んだ新酒が今年は62 を数えました。
 たとえば「登美の丘 シャルドネ」は、シャルドネの畑を9区画に分け、区画ごとに収穫・醸造しています。爽やか系のぶどうが採れる区画は爽やかなうちに摘んでタンク発酵、熟す系統の区画では完熟させて樽発酵。畑の個性に合わせて醸造も変えています。で、最終段階でブレンドする。新酒評価会でテイスティングするのは、ブレンド前のワインなんですね。
「狙いに対して、きちんと成果を出せたか、確認して反省する会でもあります」とは、渡辺直樹技師長。
「ワインづくりは構想力が大事です。どんな骨格を持ち、どんなアロマを湛えたワインにしたいのか、イメージを持つことが大切。それ次第で、ぶどうの育て方も、収穫の時期も、仕込み方も変わってきます」
 その構想のもとに施された栽培法や醸造法が適切だったのかを新酒評価会で確かめるわけですね。その上で、よりおいしくするブレンドや熟成を考える。
 メンバーは、登美の丘のスタッフをはじめ、生産研究本部や商品開発センターのスタッフ、ボルドーからサントリーが所有する「シャトー・ラグランジュ」の椎名敬一副会長も毎年参加。精鋭たちの目と舌で検討し合います。
「まだ変化していく過程ですから、経過であって結果ではないけれど、一年の成果が問われることに変わりはありません。ドキドキします」と醸造スタッフの篠田健太郎さん。大丈夫、渡辺技師長が胸を張って言っています、「2013年はレベルが高いですね。フラッグシップの登美に使うであろうカベルネ・ソーヴィニヨンなどは、完熟度を見極めて納得して収穫できただけに、ぶどうがよく熟している。そのぶどうからしっかり抽出されている。カシスのリキュールのように濃く甘く、口当たりのやわらかい原酒ができています」

新酒評価会の様子
渡辺直樹
渡辺直樹
1988年サントリー入社。登美の丘ワイナリーにて栽培・醸造技術開発を担当。その後、ボルドー大学留学を経て、フランスの国家認定資格であるエノログ(ワイン醸造士)を取得。登美(赤・白)、甲州、塩尻メルロ、マスカット・ベーリーA等の品質向上に取り組み続け、2007年より現職。

篠田健太郎
篠田健太郎
1998年サントリー入社。研究所、登美の丘ワイナリー勤務などを経て、2009年から約3年にわたりボルドー大学に留学し、栽培、醸造について学ぶとともに、ワインの香りの研究を行う。 2012年4月に帰国し、登美の丘ワイナリーにおけるワインの醸造、中味品質設計を担当。
君島佐和子-文
ジャーナリスト/『料理通信』編集長
photographs by Tsunenori Yamashita