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登美 百年の物語
ぶどうの持ち味を引き出すことに全精力を注ぎます。

 今年、登美の丘ワイナリーは新しい醸造設備を稼働させました。
 今ちょうどその成果が見え始めたところ。導入を手掛けた篠田健太郎さんをはじめ、スタッフは大きな手応えを感じています。
 篠田さんは言います、「醸造とは、ひとことで言えば、いかに抽出するか」だと。糖をアルコールに変えるプロセスと並行して、ぶどうが持つ香りや味わい、色素などを上手に果汁の中に引き出してあげる、それが醸造というわけです。
 「引き出し方次第で、ワインになった時の味わいは変わります。タイミングを誤れば、エグミが出たり、タンニンがギスギスしてしまう。つくり手はみな、引き出したい要素だけを最大限引き出すために、試行錯誤するのです」
 写真の新しいタンクは、そのためのいろんな手段を可能にしてくれます。
 「まず、温度コントロールが正確にできる。これは重要です。発酵の進み方は温度に左右されますから。次に、発酵前のコールドマセレーション(低温浸漬)。そして、発酵中のルモンタージュ(タンクの底から果汁を抜いて、上からシャワーのようにかけること)、ピジャージュ(櫂入れ)、デレスタージュ(タンクの底から抜いてしばらく置いた果汁を、果帽を崩すように勢いよくホースでかけること)、ブラッサージュ・ド・リー(液面の果帽をそっとしたまま、下部の液体のみ撹拌して、澱と液体をなじませる)。これらはいずれも、ぶどうに含まれる成分をより引き出す作用があるんですね」
 栽培チームが、土地の個性を引き出すべくぶどうを育てるように、篠田さんたちは、ぶどうの持ち味を引き出すべく醸造するのです。
 「良いワインはよいぶどうから」
 サントリー日本ワインは、この言葉をキャッチフレーズに掲げてきました。70 年代、ボトルのラベルに書き入れていた時代もあります。その姿勢は一貫して変わりません。
「醸造によって、何かを付け足せるわけではありません。どこまでいっても、ぶどうがすべてなんですね。であるならば、最大限引き出さなければと思うのです」
 それが登美の丘を表現する最善の道だから。篠田さんはそう考えています。

新しく導入したタンクです
篠田健太郎
篠田健太郎
1998年サントリー入社。研究所、登美の丘ワイナリー勤務などを経て、2009年から約3年にわたりボルドー大学に留学し、栽培、醸造について学ぶとともに、ワインの香りの研究を行う。2012年4月に帰国し、登美の丘ワイナリーにおけるワインの醸造、中味品質設計を担当。
君島佐和子-文
ジャーナリスト/『料理通信』編集長
photographs by Tsunenori Yamashita