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登美 百年の物語
本場に学び、刺激を受けて、技術も味も前進します。

 "本場に学ぶ姿勢"を持ち続けてきたことは、登美の丘ワイナリーの特質の一つと言えるかもしれません。
 百年前の開園当時、ドイツ人技師ハインリッヒ・ハムを招いて以来、折りにふれて、ボルドー大学やカリフォルニア大学、ドイツのガイゼンハイム研究所などとの交流を深め、指導を仰いできました。なかでも、ボルドー大学には、現スタッフの渡辺直樹技師長が93~94 年、篠田健太郎さんは09年から3年にわたって、そして現在は桜井楽生さんが在学中と、70年代半ば以降、8人が学んでいます。
 昨春帰国した篠田さんのボルドーでの経験は、醸造エリアで生かされています。彼のプランによって機器を一新、今年の仕込みから稼働しているのです。
 「導入した機器は4つ。まず、除梗器ですね。振動で房から実を振り落とすタイプに変えました。傷つけることなく茎から実を外せるようになっています。次に、選果台。これで良い粒とそうでない粒をより厳密に選り分けることができる。
それから、チューブポンプ。茎から外した実をプレス機に送る道具ですが、ぶどうに負荷を掛けないように、やさしく送れるんですよ。実はこれ、モッツァレラチーズの移送にも使われているんです」。固まる前のやわらかいチーズ用と聞けば、なるほど、それは力の掛け方もやさしそう。「そして、プレス機ですね。この新型なら空気を遮断して、果汁が酸化しないようにプレスできる。品種本来のアロマや土壌から来る味わいがよりストレートに表現されるんですね。これからは従来型に加え、品種や畑によっては新型でプレスして、新しい魅力をつくっていくことになるでしょう」。
 タンクも新調、2~3キロリットルの小型タンクを揃えました。畑や区画ごとに、小さな単位で仕込むことで、土壌や日照の差によるぶどうのキャラクターの違いをより浮き彫りにするためです。
 渡辺直樹技師長は次のように語ります。
「この3~4年、いっそう海外との交流が活発になっています。百年目にあたる2010年には、かの有名な『シャトー ラフィット・ロートシルト』を所有するドメーヌ バロン ド ロートシルト社との共同で『CENTURY』を特別醸造したように、ワイナリーとの取り組みも増えている。その刺激がまた私たちに、登美の丘のワインづくりを深く見つめさせてくれるのです」

醸造設備が一新しました!
篠田健太郎
篠田健太郎
1998年サントリー入社。研究所、登美の丘ワイナリー勤務などを経て、2009年から約3年にわたりボルドー大学に留学し、栽培、醸造について学ぶとともに、ワインの香りの研究を行う。2012年4月に帰国し、登美の丘ワイナリーにおけるワインの醸造、中味品質設計を担当。
君島佐和子-文
ジャーナリスト/『料理通信』編集長
photographs by Tsunenori Yamashita