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登美 百年の物語
収穫を重ねて、土地が主役、土が基本と知りました。

 6~7月、ぶどうの新梢が伸び、葉は繁り、花が咲いて、登美の丘はいたるところ緑色で溢れ返ります。
「この時期にどれだけ手を打っておけるか。それによって、ぶどうの出来が大きく変わってくるんですよ」と語るのは登美の丘ワイナリーの渡辺直樹技師長です。
 充実したぶどうを収穫するために必要な枝や葉を見極め、カットすべて枝葉はカットしていく……。生気みなぎる伸び盛りこそ、手の掛け時。人間と同じですね。
 下草も見事な繁りっぷり。
 でも、こちらは当面の間、繁らせておきます。下草が大切な役割を担っているからです。この下草が土を耕し、樹に栄養を与え、地盤を守るのです。80年代から取り組んでいる「草生栽培」です。
畑が自発的かつ持続的に活性化していく栽培法と言えるでしょう。
 ワインの凝縮感やアロマや着色、何より品種の個性がいかに表現されるかは、「土壌に負うところが大きい」と渡辺技師長は考えています。
「そう確信するようになったのは、登美百年の歴史の中でもこの20年ほどでしょうか。歴代のスタッフが長い時間をかけて、知見を増やし、厳しい経験も重ねる中で、すべては土に起因すること、土から組み立てなければならないことを悟りました」
 土壌の性質を把握するために地下2mの土壌調査をしたり、改植の際には地中にあんきょを敷設して水はけをよくしたり、今、登美の丘では地上のみならず地中のケアに多くのエネルギーを割いています。
 肥料として与えるのは、剪定した枝やぶどうの搾りかすなど畑由来の素材でつくる堆肥です。「土壌本来の性質を守るため、この土地以外の要素をできるだけ入れないように心掛けているんですね」。
 下草は、夏になると刈り込みます。地面を露出させて直射日光を当て、地中の水分を蒸散させることで、ぶどうの樹に「水が足りない」と思わせるためです。すると、ぶどうは一生懸命、地中から水分や養分を吸い上げようとする。それが実の充実を促し、凝縮感のある味わいをつくり出すのです。
「登美の丘ワイナリー」シリーズのキャッチフレーズ「頑なに"土"からつくり上げる」には、そんな技師長たちの土に寄せる思いと仕事が込められています。

登美の丘の四季の様子をご紹介しましょう。
渡辺直樹
渡辺直樹 登美の丘ワイナリー技師長
1988年サントリー入社。登美の丘ワイナリーにて栽培・醸造技術開発を担当。その後、ボルドー大学留学を経て、フランスの国家認定資格であるエノログ(ワイン醸造士)を取得。登美(赤・白)、甲州、塩尻メルロ、マスカット・ベーリーA等の品質向上に取り組み続け、2007年より現職。
君島佐和子-文
ジャーナリスト/『料理通信』編集長
photographs by Tsunenori Yamashita