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多彩な原酒の礎をつくる、山崎蒸溜所の発酵工程。

2016.2.16up

最終的な熟成後の姿を見据えて醸す。

山崎の原酒のつくり分けは、発酵工程でも行われています。目には見えない乳酸菌などの微生物の働きを注意深く見守りながら、最終的な熟成後の味わいを見据えて麦汁を発酵させる仕事は、熟練の技が必要です。10年、20年かけて商品となるウイスキーの礎をつくる発酵工程の仕事について、つくり手の松田氏に話を聞きました。

山崎蒸溜所の発酵工程で、他にはない特長とは。

「シングルモルトウイスキー山崎は、山崎蒸溜所で生まれた原酒だけでつくられるウイスキーです。山崎の土地が持つ気候風土が溶け込んだ、複雑で個性豊かな香気と味わいが大きな特長ですが、その味をつくる多彩な原酒づくりは、発酵工程でも行っています。

白州蒸溜所との比較でお話するとわかりやすいのですが、同じ木桶で発酵させても、白州の原酒はフルーティで柔らかく、山崎の原酒は重厚な味わいになります。10年以上先に商品になる日を見据えて、日々発酵を見守っています」

発酵工程における原酒のつくり分け。

「発酵槽の材質や形状、発酵の温度や速度、酵母の種類でも原酒の個性は変わります。すべての発酵を木桶で行う白州蒸溜所に対し、山崎蒸溜所では木桶と大小のステンレス発酵槽を併用しています。一般的に木桶で発酵させた原酒はしっかりとした味わいが出やすく、ステンレス発酵槽で発酵させた原酒は華やかさが出やすいという違いがあります。

発酵槽のほかに、酵母の種類や量も原酒の味わいに大きな影響をもたらします。山崎蒸溜所では、アルコール発酵を促すディスティラーズ酵母と、香りを華やかにするエール酵母、2種類の酵母を使い、麦汁の状態や目的に応じて比率を変えています」

「温度調節が容易にできるステンレス発酵槽は狙いの味を出しやすいので、フルーティなタイプからエステリーなタイプまでさまざまな“華やかさ”をつくることができます。温度調節が難しい木桶は、発酵温度や速度を注意して見守らねばならないので、とても手間がかかります。正直、この木桶がなかったらどれだけ仕事が楽かと思うほど発酵状態の管理に神経を使うのですが、桶に棲みついた乳酸菌などの微生物の働きにより、ステンレス発酵槽では生まれない複雑かつ重厚な香味が生まれるので、やはり山崎のウイスキーづくりには欠かすことができません」

  • 木桶発酵槽
  • 自然の乳酸菌が働き、豊かな味わいをもたらす木桶
  • 官能検査で品質を確認

山崎の品質を守るために。

「ウイスキーの発酵の大きな特徴は、発酵させた味や香りがそのまま製品にならないという点です。ビールとの大きな違いですね。例えばものすごく華やかな香りを持つニューポットができたとしても、その香りが10年後、20年後に残る香りでないと意味がない。そのため、全工程で機械による成分分析とあわせ、人の五感で品質を確かめる“官能検査”を行います。ブレンダー室とも意見交換し、長期熟成させた後の味わいを思い描きながら作業を行っています」

「今現在の発酵の方法論は、数十年にもわたり酵母と乳酸菌の働きや水との相性を調べる検証実験などを重ねて確立したものです。1989年には山崎蒸溜所の大改修を行ったのですが、8基の木桶の発酵槽をはじめ、その改修時に導入された設備が、今も山崎の味わいの要となる役割を担っています。より味わいを磨くために、どんな原酒が必要か。今後もさらに品質を追求し続けていきたいです」

時間を超えて、受け継がれていく仕事。

山崎は国内外でますます高い評価をいただいています。
「私は1980年という、国内でウイスキーが最も飲まれていた時期にサントリーへ入社し、山崎蒸溜所に配属されました。その4年後に山崎12年が発売されたのですが、“山崎”という、この土地の名を冠したウイスキーが世に出る瞬間に感じた、特別なうれしさや高揚感を今でもはっきりと思い出すことができます」

「私は醸造部門ひと筋で仕事をしてきたのですが、当時の先輩方を思い出すたび、また毎年入ってくる後輩達を見るたび、ウイスキーづくりは世代を超えて引き継ぐ仕事だという想いは、年を重ねるごとに深まるばかりです。そして昨今、ウイスキーを再びたくさんのお客様に飲んでいただけるようになったことをとてもありがたく感じつつも、個人的には“売れている”ことよりもやはり、“品質が評価されている”ことが何倍もうれしい。その評価に恥じないよう、後々の世代まで責任を持つつもりで仕事を続けていきたいです」

つくり手がおすすめする、山崎の愉しみ方とは。

「複雑な味わいを持つ山崎は、飲み方を変えることでさまざまな表情を見せてくれます。同じ水割りでも濃いめか、薄めかで香りの立ち方も変わってくるので、ぜひいろんな飲み方にトライしてみてください。それから、お飲みになるときに、ウイスキーは“時間が育む酒”であることを少しだけ思い出していただきたいですね。

例えば山崎12年ならば、構成原酒は一番短いもので12年もの年月を経ているわけです。召しあがるときに、その一杯に溶け込んでいる長い長い歳月にちょっぴり思いを馳せ、ご自身の人生の歴史と照らし合わせたりすると、より味わいが深まるのではないかと思います」

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