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ブレンダーの仕事

ブレンダーは、単にモルトウイスキーとグレーンウイスキーのブレンディング(調合)を行うだけではありません。何百というタイプの、そして膨大な数の樽に貯蔵されているウイスキー原酒から、それぞれの個性を引き出し、ひとつの作品(製品)を作り上げていくという創造的な役割を担っているのです。そんなブレンダーの仕事について、サントリーの輿水(こしみず)チーフブレンダーにインタビューしてみました。

 輿水 精一(こしみず せいいち)
1949年山梨県甲府生まれ。山梨大学工学部発酵生産学科卒業。73年サントリー入社。多摩川工場でのブレンドグループを経て、76年より研究センターでウイスキーの貯蔵・熟成の研究に従事。85年より山崎蒸溜所で品質管理、貯蔵部門を担当した後91年よりブレンダー室課長となる。
一日に200種類以上もの原酒をテイスティングし、世界的なコンペティションでトロフィーを受賞した「響30年」(1997年発売)をはじめ、「山崎50年」「同35年」など、様々なサントリーウイスキーの開発・ブレンドに携わる。96年に主席ブレンダー、99年より「ウイスキーの品質を決める最終評価者」であるチーフブレンダーとなる。


Q1.ブレンダーの仕事について教えてください。

A. 大きく分けると二つあります。まず、色々なタイプのウイスキー原酒を組み合わせて新しい製品をつくる仕事、それから、すでにある製品の品質の維持やリファインという仕事です。  サントリーの貯蔵庫には約100万樽のウイスキー原酒が眠っていますので、これらを定期的にテイスティングしてタイプ別に振り分けながら、どこにどんな原酒があるのかを常に把握しています。そうして、あの原酒とこの原酒を組み合わせたらこんなウイスキーができるなあ、というようなことを考えるわけです。

Q2.具体的には毎日どのような仕事をしているのですか。

A. おもに午前中は、テイスティングをします。というのは、お昼前の時間がいちばん感覚が研ぎすまされて、集中力が高まるからです。ブレンダー室には、常時、数百点の原酒のサンプルが蒸溜所から送られてきますので、これらを数人のブレンダーで、テイスティングします。午後は、テイスティング結果の分析や、テストブレンドに充てています。また、新製品の企画会議もありますし、ときにはお客様向けのセミナー講師もしています。

Q3.ブレンダーになるにはどのような資質が必要ですか。

A. そうですねえ、私は工学部の発酵生産科出身なのですが、知識はもとより、味や香りを瞬間的に捉える判断力がまず必要だと思います。味や香りはなかなか数値化できないものです。我々ブレンダーは、日頃から訓練を積んで、たとえば「華やかな」と表現したときには、具体的にはこういう味と香りを表す、ということをすり合わせています。ここまでくるのに結構トレーニングが必要です。
 ブレンダーの資質として、こういう判断力以上に重要なのが想像力ですね。つまり、新しい味わいをイメージし、実際の原酒からイメージ通りのものを組み立てていく、これが大切です。

Q4.すると技術者というより芸術家に近いのでは。

A. どうでしょう(笑)。創造的という意味ではそうかもしれませんが、あまり浮世離れした存在になっても困るんですよ。今の市場の動きはどうか、どういうウイスキーなら飲んでもらえるだろうか、と考えてモノづくりをする必要がありますから。また、好き放題に原酒を使っていたら会社がつぶれます(笑)。品質と価格のバランスを上手にとることも大切ですね。いろいろなセンスが求められる仕事かもしれません。

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