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カクテルとしての水割り

(神泉「ル・ザンク」樋口保彦さん談)
「ル・ザンク」の樋口保彦さん

決してカクテルコンペティションの課題にはならないけれど、日本でいちばん有名なカクテル。それが水割りではないでしょうか。水で割ってアルコールの度数を下げ、同時に冷たくして飲みやすくした水割りは、日本人の嗜好や体質に合った飲み物だと思います。以前に勤めていた銀座のバーでも、よく水割りが出ました。比較的早い時間に来店されるご年輩の方に、水割りを愛好される方が多かったですね。

その時に作っていた水割りは、水が1に対してウイスキーは1.5、もしくはお好みに合わせてそれ以上の水で割ることがありました。この店でも基本的な割合は同じです。

ただ、年齢によって水割りに対する嗜好が異なることにも注意を払っています。50代や60代、ちょうど私の父親くらいの年齢の人は、薄くて飲みやすい水割りを好むことが多い。これは、ハイボールでも同じでしょう。一方で、この店に来ていただける30代のお客様の中にもいらっしゃるのですが、ウイスキーの味を濃く出した水割りを好まれる若い方が多くなっていると思います。言ってみれば、カクテルとしての水割りを楽しむ方々ですね。

こうしたお客様は、ウイスキーの銘柄や分量、作り方の違いによって味わいが変わることに、たいへん興味を持っておられます。バー好きの方に水割り好きが多い、とも感じています。もちろんバーテンダーとしても、意識が高まりますよ。飲みやすさだけを追求するのではなく、ウイスキーのおいしさを引き出すカクテルとしての水割りをお作りするわけですから。

2001年にオープンした「ル・ザンク」。かつてYバーに勤務したオーナーバーテンダーの樋口さんが作る水割りは、ウイスキーの味わいをしっかりと引き出す濃い目の水割り。氷の数は2つか3つ。ウイスキー、そして水を注いだ後は、10回以上ステアする。心がけているのは、ウイスキーと水がしっかり混ざるように、素早く、できるだけ短い時間でステアすることだという。

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