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3day WHISKY&HOT WATER
山小屋で飲るホットウイスキーを想い、また一杯。
お湯割り写真

【お湯割り】

香りがふわっと鼻先にまで立ち上り、見た目にも実に暖かな気分にしてくれる飲み方。使うお湯の適温は約80度で、天然水を沸かすのがベスト。ウイスキー1対お湯3の割合で作ると旨い。歌人若山牧水もこの飲み方を愛した。『ウヰスキイに煮湯そそげば匂ひ立つ 白けて寒き朝の灯かげに』

ちょっと温もりが欲しい晩に飲るなら、ホットウイスキーがいい。ホットグラスから立ち上る湯気の風情が、何とも心豊かだ。でも山小屋で飲るホットウイスキーほどしみじみ旨いものはない。北アルプスでのあの一杯を想い出す。連休を利用した小旅行だった。列車とバスを乗り継いで登山口へ。リュックの重みを心地よく肩に感じながら、靴底の感触を確かめて一歩を踏み出す。久々に登る時、こんな瞬間が嬉しいものだ。気ぜわしく歩くのはもったいない。好天に恵まれたせいもあり、その日の内に順調に大雪渓を抜け、一気に頂上へ。今夜は近くの山小屋で一泊できることになっている。月が昇るのを待って、リュックから取り出したストーブとコッヘルで湯をわかし、マグカップに入れた角に注ぐ。カップで両手を温めながら、月明かりに黒々と浮かぶ雄壮な山並みの眺望を独り占めする贅沢さ。山好きにとって山頂で過ごす晩の一杯というのは、実に格別なものなのだ。今度はどの山で一杯飲ろうか。そんな計画を頭に描きながら部屋でじっくり飲るホットウイスキーも、またどうして旨いものである。
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