シングルモルトガイド

シングルモルトの個性

『シングルモルトウイスキー』とはその蒸溜所の個性を主張するウイスキー。同じような製法でウイスキーをつくったとしても、一つとして同じものは出来上がりません。各蒸溜所でつくられるシングルモルトウイスキーはその土地の気候や水などによって特徴がはっきりとわかれ、ワインに引けを取らないほど多種多様な風味を持ちます。まさに、氏素性のはっきりとした『地酒』と言っても過言ではありません。では、強烈な個性を生み出す要素とは?以下にその要素の一例を紹介します。

【個性1】仕込み水の違い

シングルモルトウイスキーの蒸溜所は規模が小さく長い歴史をもつ蒸溜所がほとんど。その蒸溜所でウイスキーつくりがはじまったころ使用していた仕込水は、必然的に蒸溜所の近くで調達できるものであったと考えられます。泉の湧水や川や湖からなど、取水地の違いや、地上に湧き出るまでにとおってきた地層の影響などなど・・・。
ベースとなる仕込水が異なることで、出来上がるウイスキーの味わいにも違いが生まれます。

【個性2】製造方法の違い

大麦から麦芽をつくり、その麦芽を糖化・発酵させ麦汁を作り、蒸溜することでウイスキーのもととなるニューメイクスピリッツを作り出します。大まかな製造過程は同じでも、各蒸溜所の伝統やこだわりによって異なる味わいのウイスキーが生まれます。例えば、麦芽つくり。麦芽を乾燥させる際に、ピート(泥炭)を燃料として使用すれば、そのピートの香りが麦芽につきピーティな味わいのウイスキーが出来上がります。
すべての蒸溜所がピートを燃料に使っているわけではなく、ピートの炊き具合も各蒸溜所によって様々。また、蒸溜釜や発酵や仕込の為の設備の違いでも様々な個性が生み出されます。同じ蒸溜の過程でも、使用する釜の形状や製法により出来上がるニューメイクスピリッツの味わいも全く違うものになります。小さく首の短い蒸溜釜で蒸溜すると、濃く濃厚で力強い味わいになり、反対に大きく首の長い釜で蒸溜するとライトでスムーズな味わいとなります。

【個性3】樽の違い

出来上がったニューメイクスピリッツは、樽に詰められ長い期間貯蔵されることで、ウイスキーとなります。このときに使用される樽によっても出来上がるウイスキーの個性に大きな影響を与えます。
樽の材質や前にどのようなお酒を詰めていた樽を使っているかなど。仕込水や製造方法の違いから生まれるその蒸溜所ならではのニューメイクスピリッツをどのような樽に詰めるか・・・その判断には各蒸溜所のこだわりや歴史・伝統が反映されます。

【個性4】自然風土の違い

そして、樽に詰められたニューメイクスピリッツは長い期間その蒸溜所の貯蔵庫で眠りにつきます。10年・15年・20年と熟成される過程で、その蒸溜所が立地する気候風土の影響を受けながら。
例えば、海沿いに立地する貯蔵庫で熟成すれば、ほんのりとした潮の香りが、森の中の貯蔵庫で熟成されれば爽やかな森林をおもわせる香りがついたり・・・シングルモルトウイスキーとは、その蒸溜所が立地する自然風土そのままを反映したものなのです。