About The MACALLAN
素材と製法

 森から樽まで

上質なウイスキーを育てる、
2つの大陸の木

ザ・マッカランの味わいの起源は森にある、といっても間違いではありません。なぜならザ・マッカランの味わいを特徴づける要素の80%、自然な色味に限っては100%が樽に由来していると確信しているからです。より理想的な樽材を探求しているからこそ、製法だけでなく産地にまでこだわりつづけ、アメリカとヨーロッパの2つの大陸で採取されるオーク材を併用してきました。樽材の本質的な価値を見極め、早くから投資してきた理由はそこにあります。

樽材の個性を知り尽くして活かす

そもそもスペイン産のシェリー樽がスコッチウイスキーの熟成に使われはじめたのは、シェリー酒を英国に輸送するのに便利な容器だったからです。20世紀はじめ、スペインの内戦勃発を機にスペイン産のオーク樽の入手が難しくなるとアメリカ産の樫(オーク)が重宝されました。それぞれに特徴があり、アメリカ産は欧州産よりも密度が高く、バーボン樽やシェリー樽にうってつけです。一方、欧州産のシェリー樽は多孔質のため、比較的タンニンが多く含まれています。そのため長時間の熟成が必要な反面、ウイスキーに色合いと香りを醸す役割を果たしてくれます。

自然な空気乾燥で、
木を最適な状態へ

樹木に含まれる油分は渋みが極めて強いので、しっかりと乾燥させる必要があります。乾燥方法には、人工的なキルン乾燥と空気乾燥の2通りありますが、ザ・マッカランは空気乾燥のみを行います。長い期間がかかる反面、ウイスキーの熟成に必要な木独特の特徴を引き出すことができるからです。伐採地で最低1年間乾燥させた後、樽板として「四分びき材」に切断します。アメリカ産の樽板は、いったんスペインに輸送され、自然の陽光のもとでもう1年寝かします。木の含水率が12~16%に下がった時点でようやく職人によって樽へと加工されます。ザ・マッカランが使用するシェリー樽は、木の伐採からマッカラン酒の樽入れまでに、実に約6年の歳月を要するのです。

 蒸溜の鍵

スペイサイドで最も小さな
ポットスチル

ザ・マッカランの蒸溜釜は、スコッチウイスキー業界で最も小さいといわれています。通常このサイズと形状の蒸溜釜を操業すると膨大なコストが掛かりますが、それでもこの極端に小さな蒸溜釜を使用する理由があります。一般的な大型で背の高い蒸溜釜では、アルコールの蒸気が長い距離を移動するため、軽い蒸気だけをコンデンサーに送ります。それに対して小型の蒸溜釜は、アルコールの移動距離が短く、密度の高いリッチな蒸溜酒が抽出できる。すべては最高品質のシングルモルトをつくるため、たとえ割高でも小さな蒸溜釜で丁寧にニューメイクスピリッツを濃縮しています。

伝統の手づくり釜が
均質な品質を保つ

ザ・マッカランの銅製蒸溜釜は、伝統的な手づくりで制作されています。蒸溜所からわずか3マイルの場所にあるフォーサイス社が手がける蒸溜釜は、1950年以来、極上のウイスキーをつくるための大切なプロセスを担っています。新しい蒸溜所の建設についても、信頼の置けるパートナーとしてフォーサイス社と共有する価値観や原理があってこそ実現に漕ぎつけることができたといえます。銅製蒸溜釜は形状とサイズ、そしてラインアームの向きなど、すべてを旧蒸溜所と同じ仕様になるように設計。新しい蒸溜所には、この特注スピリットスチル24基が設置され、それぞれ個別のニューメイクスピリッツを蒸溜しています。

 炎の恩恵

独特のフレーバーを醸しだす
炎の力

樽づくりの最終工程をダイナミックに飾るのが火入れです。炎の力は、実際にウイスキーの色味や味わいに大きな影響を与えます。樽に加熱加工を施して、成型することではじめてウイスキーづくりに適しているか実証されるのです。シェリーやワインの場合、低めの温度で樽を長時間あぶりますが、バーボン業界では、樽をすばやく炎で熱処理して、表面が炭化するまで焼きを入れます。炭化した部分は独特のフレーバーを与えるとともに、木と蒸溜酒のあいだでフィルターの役割を果たして、ウイスキーから不要な雑味を取り除いてくれます。

あぶりと焦がしを
効果的に使い分け

木にあぶり加工を施すとカラメル化が生じるためトースト香が生まれます。カラメル化によって、甘み、トースト、綿菓子といったフレーバーをまとい、独特の色合いに仕上がります。アメリカ産、ヨーロッパ産、いずれのオーク樽も内部全体に均等なあぶり加工を施します。そうすることで可能な限り味わいの均質性を保つことのできる熟成期間を過ごせるようになります。焦がし加工は、トフィーやバニラ香をまとわせるためにバーボン樽だけに適用します。オーク樽の個性にあわせて調整する加熱温度と火入れのタイミングはまさに熟練の技です。

 熟成の支度

じっくり寝かせて
ウイスキーの樽になる

ザ・マッカランのマスター・オブ・ウッドからの承認を与えられた樽は、近くにあるシェリーボデガと呼ばれるワインセラーへ送られます。ここではスペイン、ヘレスの特殊なアルバリサ土を使って白ブドウ酒「パロミーノ」のブドウが栽培されています。成分の80%が石灰岩で構成されたアルバリサ土は、夏季の乾燥した環境でもブドウの木の成長に欠かせない水分を維持できる特殊な性質を備えています。ボデガで樽にはドライなオロロソシェリーが詰められ、少なくとも12~18ヵ月間じっくりと寝かされ、ウイスキー樽になるまでの一時期を過ごします。

厳選の樽が叶える
ザ・マッカランの熟成

長い時間をかけてつくった樽にこそ、ザ・マッカランの熟成の真髄が込められています。
・アメリカンオークのシェリー樽:ザ・マッカランでは、アメリカンオーク樽にアルコール度数約18%のオロロソシェリーを詰めています。シェリーバットやパンチェオンのほか、18ヵ月じっくり風味づけをする伝統的なホッグスヘッド樽も使用しています。
・ヨーロピアンオークのシェリー樽:スペイン北部からフランスにかけての地域やヨーロッパ東部で生育した樫を使用。伐採した後、1年間は空気乾燥を施し、さらに樽板として18ヵ月間寝かされます。樽にあぶり加工して均一の層を形成させることで、ウイスキーにバランスの良いフレーバーを与えます。
・バーボン樽:アメリカ産のオーク樽にアルコール度数62.5%以下のバーボン酒を入れ、高めに温度設定した倉庫で寝かせて仕上げます。アルコール含有量が多いため、樽の特徴や色合いの違いなど、ニューメイクスピリッツにはっきりとした個性を醸成することができます。

 熟成と仕上げ

完成した樽は、
最終目的地スペイサイドへ

スペインのボデガでオロロソシェリーを詰めて18ヵ月間じっくり寝かせた後、ウイスキー用に完成させた樽は一路スコットランドへ。最終目的地はスペイサイドにある390エーカーのエステート。ザ・マッカランの故郷へ新たにたどり着いた樽は「ファーストフィル」と呼ばれ、ウイスキーの色味や味わいを生み出すニューメイクスピリッツに大きな影響を与えます。樽は再利用されるとリフィルカスクと呼ばれ、ファーストフィルのときよりも繊細ですが、複雑性が加わって長期の熟成に最適の環境となります。ニューメイクスピリッツを樽詰めしたら貯蔵庫へと運び、いよいよ長い熟成期間に入ります。

熟成中もサンプリングチームが
厳しく管理

貯蔵庫で、スペイサイドの穏やかで湿度のある空気を呼吸しながら、ウイスキーはゆっくりと熟成していきます。ザ・マッカランには、選りすぐった樽からサンプルを抽出してチェックする「サンプリングチーム」があり、細部に渡って厳しい評価を下していきます。ベテラン揃いのスタッフたちが、色合いは自然か、複雑なアロマが醸成されているかなど、いくつもの項目で基準をクリアしているか確認しています。

 独自のシナジー

大麦麦芽やイーストなど
原材料の厳選

すべては大麦麦芽にはじまります。ザ・マッカランが主に使用するのはコンチェルト大麦ですが、このほかにモメンタムという品種も扱っています。いずれにせよ基準を満たす一級品以外は認めません。イーストについても同じで、醸造業者のイーストの使用を取りやめ、「蒸溜所イースト」に切り替えています。どれも上質なフレーバーを生み出すための大切な判断です。こうした原材料の選別を経て、最終的なウォッシュから多くの「エステル」(フレーバーとアロマを生み出す化合物)を得られるよう入念な管理をつづけています。

仕上がりを左右する
蒸溜釜や樽

間断なくつづくウイスキーづくりの工程は、やがて製造の核となる蒸溜にいたります。高さわずか12フィート(3.66メートル)の極めて小さな蒸溜釜も、もちろん上質なウイスキーを生む相乗効果の大切な要素です。重厚で甘みのあるリッチなニューメイクスピリッツをつくり出すために設計された独特のサイズと形状。そこで一滴一滴ゆっくりと蒸溜することで、蒸溜酒からわずかなニューメイクスピリッツを丁寧に抽出していきます。選り抜きのオークでつくった樽もザ・マッカランの大切なDNAとして重要な役割を果たすのはいうまでもありません。こうしてウイスキーにまつわるすべての要素が複雑に影響しあうことで独自の味わいを醸し出すのです。

ザ・マッカランのDNAが生む
相乗効果

スコットランドには100を超えるウイスキー蒸溜所があり、基本的には同じプロセスでウイスキーづくりをしています。それなのになぜウイスキーの味わいがこれほどまでに異なるのか。それはザ・マッカラン独自のDNAに刷り込まれた稀少な要素が影響しあっているからに他なりません。蒸溜や熟成といったプロセスの中で生まれる固有のエッセンスが相乗効果を織りなしてこそ実現する、ザ・マッカランだけの味わいや色味があるのです。

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