さまざまな銘柄を少しずつ飲み比べて愉しむウイスキーフライト。
今回ご紹介するのは、ウイスキーを初めて飲む方にもおすすめの2本です。
ひとつは、軽やかな味わいとほのかに甘い香りが特長のサントリーウイスキー『知多』。
もうひとつは、マイルドで飲みやすいとされるカナディアンウイスキーの代表銘柄『カナディアンクラブ』です。
数え切れないほどの銘柄があるウイスキーの中で、『知多』と『カナディアンクラブ』は比較的近いタイプとも言えますが、飲み比べてみるとさまざまな違いに気付かされます。
ウイスキーをフライトしながら、香味の違いを探ってみましょう。
小さめのグラスを用意して、ウイスキーを注ぎます。『知多』は明るく澄んだ黄金色、『カナディアンクラブ』はやや赤みを帯びていますね。蒸溜酒であるウイスキーは、もともとは無色透明。原料や蒸溜方法、熟成樽の種類や熟成期間などによって熟成後の色が異なります。日本とカナダ、それぞれの気候風土の中、樽に詰められて眠っていたウイスキーに想いを巡らせてみるのもいいですね。
次は、香りの違いを探ります。やさしい甘さの奥に確かな熟成香を感じられる『知多』に対し、『カナディアンクラブ』はキャラメルやバニラに似た甘さが広がります。
グラスに氷を入れ、ウイスキーの3~4倍量のソーダを注ぎます。マドラーで縦にひと混ぜすればハイボールの完成。まずはひと口、交互に味わってみてください。『知多』のハイボールは、風のように軽やか。炭酸の刺激とともに、清々しい香りとほのかな甘みがうまみとなって広がります。『カナディアンクラブ』のハイボールは、マイルド&スムース。バニラのような香りに誘われて、スイスイと飲み進めていただけるでしょう。
ウイスキーらしい熟成感を感じられる『知多』は、オン・ザ・ロックやお湯割りもおすすめ。『カナディアンクラブ』は、カクテルベースとしても活躍します。
とうもろこしなどの穀物が主な原料。
連続式蒸溜機で繰り返し蒸溜しながら3タイプにつくり分けたグレーン原酒をさまざまな樽で熟成し、丁寧に重ね合わせています。
軽やかさの中にも確かな熟成感や奥深さが感じられるのは、多彩につくり分けた原酒をブレンドしているから。日本人の繊細な感性や細かな技の賜物です。
とうもろこしなどを原料につくるマイルドなベースウイスキーと、ライ麦やモルトを主体とした複雑で濃厚なフレーバリングウイスキーなど、複数の原酒を熟成させる前にブレンド(プレ・ブレンディング)することで、まろやかでスムースな味わいを実現。最低3年の熟成期間を要するカナディアンウイスキーにおいて、『カナディアンクラブ』は最低6年以上の熟成を経たものだけが世に送り出されます。
軽やかでほのかに甘いグレーンウイスキー『知多』のハイボールは、すだちや山椒の葉など、和の素材をトッピングすると、驚くほど風味が広がりますよ。食事と合わせるなら、出汁を効かせたひと皿を。揚げ出し豆腐やとうもろこしの茶碗蒸し、天つゆで味わう白子の天ぷらなど、季節ごとの味わいを組み合わせてお愉しみください。
バニラのような香りが広がる『カナディアンクラブ』ハイボールには、爽やかなレモンピールを添えるのもおすすめ。キュッとひねって香りを立たせましょう。 さっぱりとした飲み口に変わるので、サーモンなど魚介類のマリネと合わせて。
澄んだ空気や冷涼な水、カナダの大自然が育んだ恵みをたっぷりと感じてください。
柑橘を添えたり食事を合わせたり。
クセがなくスムースな味わいだからこそ愉しめる、両銘柄の懐の深さを感じていただけたのではないでしょうか。
ウイスキーフライトで、あなた好みのスタイルを見つけてください。
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