
サントリーの梅酒用の梅は、100%国産梅。その主な品種のひとつが、和歌山県産の「南高」です。日本における梅の約6割*を産する日本一の「梅どころ」、紀州。その「梅の収穫」から、サントリーの梅酒づくりは始まります。
5月末にもなると、梅の実は大きくふくらみ、収穫を待ちかねて揺れています。赤みがさした南高梅からはほのかに桃のような香りが漂い、独特な柔らかい空気感が印象的です。
お話をうかがった農家の方は『和歌山の南高梅は大粒で肉厚なのが自慢』と、日焼けした笑顔で語ってくれました。

収穫された南高梅は、農家の方の作業場で、粒の大小、傷の有無によって1粒1粒全て手作業で選別されます。その後、さらに「選果場」に運ばれ、今度はプロの目で、「秀」「優」「良」などのランクに区分けされます。確かな品質を守るために苦労を惜しまない、作り手のこだわりが感じられます。
そして到着した梅は、工場スタッフの最後のチェックを受けながら、洗浄され、タンクに運ばれます。おいしい梅酒になるまで、サントリーの梅酒づくりへのこだわりは、まだまだ始まったばかりです。(ヒデ)
*2008年農林水産省統計より
今回特別に、梅の収穫を体験させていただきました。
「梅の細かい産毛(うぶげ)が薄くなって、ほんのり艶が出てきたときが収穫の合図だよ」梅農家の方に、収穫のタイミングを教わります。おそるおそる摘んでいきますが、熟していればどれでもよいわけではありません。ちょっとしたシミ、細かな傷があるだけで、もうその梅は最上ランクではなくなってしまうとのこと。素人では気にならないくらいの、本当に数ミリ程度のシミ。傷がない美しい「南高梅」は、農家の方のたゆまぬ努力によって大事に大事に育てられ、さらに厳しく選びぬかれて、やっとできるものだと初めて知りました。
それまで何気なく選んでいた梅の「重さ」を感じた瞬間でした。
収穫が進むにつれ、手元のカゴはずっしりとした重さに。それでも自分が摘んだ梅には、やはり格別の思いが募ります。作り手の愛情が込められた「梅」でつくられた「梅酒」が、ますます好きになりました。(ヤス)
