サントリーホール オルガン プロムナード コンサート
国立音楽大学卒業、同大学院修了。西ドイツ国立フライブルク音楽大学演奏家コース卒業。第21回ブダペスト国際音楽コンクールほか、多くのコンクールで優勝。文化庁海外特別派遣生としてオランダへ留学。国内および欧州・アジア各地でリサイタル出演、オーケストラとの共演、国際コンクールの審査員など、その活動は多岐にわたる。『J. S. バッハ:ライプツィヒ・コラール集』で文化庁芸術祭レコード部門優秀賞受賞 。長年にわたり オルガンのコンサート企画、啓蒙活動にも積極的に取り組み、その功績が認められ、下總皖一音楽賞受賞。現在、ミューザ川崎シンフォニーホールのアドヴァイザー、(一社)日本オルガニスト協会会員、日本オルガン研究会会員、聖徳大学音楽学部教授。
今年はサントリーホールを創設された佐治敬三氏の生誕100年の記念年です。お誕生月のプロムナード コンサートに出演させていただけることを大変光栄に思います。
1986年10月12日の オープンの日、いつもはオーボエが担当する、オーケストラに音程を示すA音を、佐治さんご自身がオルガンで弾かれたのが、サントリーホールのオルガンの輝かしい軌跡の第一歩でした。この時のことは今でも鮮明に覚えています。月日が経って、ホールで行われた佐治さんの追悼式典でオルガンを弾かせていただいたことも忘れられない思い出です。それがご縁で、奥様からお送りいただいたご本は、今も大切にしています。
公演で演奏する『来る日も来る日も』は、ドイツ・シュパイヤー大聖堂800年を記念して委嘱されたものですが、あたかも、来る日も来る日も、そしてこれからも、オルガンが変わらずに鳴り響くサントリーホールのようです。
続いて演奏いたします『ダフネ』は17世紀ネーデルラントの作品で、恐らくJ. P. スヴェーリンク の作であろうといわれますが、詳細は不明です。当時、大変人気のあったメロディーを3つの変奏曲に仕立てています。
最後を飾るJ. S. バッハのトッカータとフーガ ヘ長調 BWV 540の壮大なトッカータは、メンデルスゾーンが「大伽藍が崩れ落ちるような」と表現した大胆な転調が強い印象を与えます。対照的な荘重なフーガは2つの対旋律を伴い、圧巻のフィナーレを形成しています。
(松居直美)
サントリーホール
0570-55-0017
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