サントリーホール オルガン プロムナード コンサート
東京藝術大学卒業、同大学院修了。学内にて安宅賞、アカンサス音楽賞、同声会賞、および大学院アカンサス音楽賞受賞。デンマーク政府給費奨学生としてデンマーク王立音楽院を、文化庁在外研修派遣員としてドイツ国立シュトゥットガルト音楽大学を修了。両国家演奏家資格取得。
世界的権威のあるシャルトル国際オルガンコンクールで優勝、併せてJ. アラン賞受賞。パリのノートルダム大聖堂やマドレーヌ寺院をはじめとするヨーロッパ10カ国以上の各地、また日本全国でリサイタルを行っている。リヨン国立管弦楽団やシュトゥットガルト州立管弦楽団、日本フィル、東響、東京フィル、名古屋フィルほか多数の主要オーケストラと共演。吹奏楽では東京佼成ウインドオーケストラ、陸上自衛隊中央音楽隊や警視庁音楽隊と共演。地元のTeNYテレビ新潟やNHKラジオ、TV朝日「題名のない音楽会」、NHK「うたコン」のほか、NHK「紅白歌合戦」に嵐のサポートとして出演するなど幅広く活躍。今秋、2枚目のCDアルバムをキングレコードよりリリース予定。武蔵野音楽大学非常勤講師。
公式HP : http://yukaishimaru.pecori.jp
今回はオルガン曲の王道、バッハの作品と、効果的なオルガン編曲がなされたアレンジ作品をお届けします。
バッハのオルガン曲はコラール(讃美歌)に基づく作品と、そうではない自由作品との2種類に大きく分けられます。初めに演奏する『前奏曲とフーガ』 ハ長調 BWV 547は後者にあたります。ライプツィヒ時代、つまりバッハの円熟期に書かれたこの作品は軽快で喜ばしい前奏曲に、わずか1小節の短い主題から織り成される壮大な5声のフーガが続きます。
一方、コラール作品に分類される「身を飾れ、おお愛する魂よ」BWV 654は特にコラールの旋律が美しく装飾されており、ゆったりと優美に奏でられます。後にロマン派時代のメンデルスゾーンやシューマンもこの曲を大変気に入り、愛奏したと伝えられています。
3曲目はサン゠サーンスの『死の舞踏』をオルガン編曲したものを演奏します。サン゠サーンスがアンリ・カザリスの詩に霊感を得てピアノ伴奏付き歌曲として作曲したのがこの作品です。後に管弦楽用の交響詩として改作しています。曲の最初に12回弾かれるハープの 「レ」 の音で、死神が登場する夜の12時の到来。死神が弾くヴァイオリンの不協和音と共に骸骨たちの踊るワルツが始まり、舞踏会は盛り上がっていきます。曲の最終部で突如出てくるオーボエのソロは、朝の到来を告げる雄鳥の鳴き声。激しく踊っていた骸骨たちは墓場へ帰り、曲は静かに終わります。
(石丸由佳)
サントリーホール
0570-55-0017
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