サントリーホール オルガン プロムナード コンサート
大学で教会音楽を専攻し最優秀の成績で卒業した後、オリヴィエ・ラトリーに師事。1994年にエアフルト大聖堂のオルガニストおよび聖歌隊指揮者に任命され、95年にはワイマール・フランツ・リスト音楽大学のオルガン教員(演奏と即興)に就任した。2004年より「テューリンゲン・バッハ週間」の委員長および芸術監督を務める。また、バッハ・リスト国際オルガン・コンクール エアフルト・ワイマールを設立。さらに、カナダ国際オルガン・コンクール(CIOCM)をはじめとする、国内外の多数のオルガン・コンクールに審査員として招聘されている。作曲も手がけ、最近作である大規模な交響的ミサ曲『ミサ・クム・ユビロ』が、本年9月にエアフルト大聖堂で初演予定。また、ブルックナー交響曲第3番のオルガン編曲は、ドイツの新聞で批評家の称賛を得た。
J. S. バッハのはとこであるヨハン・ベルンハルト・バッハは、私の街、つまりドイツの中央に位置するテューリンゲン地方の美しく由緒ある州都、エアフルトの出身です。彼は、変ロ長調の素敵な主題と、それに基づく20の可愛らしい変奏曲による『シャコンヌ』を書き上げました。この作品は、中部ドイツにおける色彩豊かなバロック時代のオルガン演奏の多様性を示しています。
私はオリヴィエ・ラトリーのもと、パリでもオルガンを学んだので、フランス音楽でも「挨拶」をおくります。シャルル゠マリ・ヴィドールの『オルガン交響曲第6番』は、『第5番』とともに、彼の最も有名なオルガン作品に挙げられます。そして『第6番』の第1楽章は、息を呑むような最高に素晴らしいオルガン交響曲の楽章の一つに属すること間違いありません。傑作です! この作品は、堂々とした第1主題で幕を開け、「レチタティーヴォのように、自由にしかし激しく」と指示の付いた敏捷な第2主題に続きます。両主題は結びつき、変化していきます。最後には、雄大な第1主題が再び意気揚々と現れ、曲を締めくくります。
最後に、『J. S. バッハの主題に基づく即興演奏』を少し披露します。彼はテューリンゲン地方の、州都エアフルトからわずか60キロほど離れたアイゼナッハに生まれました。州内での彼の足跡をたどると、まずはオールドルフ(学生時代)、そしてアルンシュタット(オルガニストとして初就任)、さらにワイマール(宮廷オルガニスト時代)へと続きます。私は、テューリンゲン地方最大の音楽祭、J. S. バッハに捧ぐ「バッハ・ウィーク(バッハ週間)」の委員長を務めており、バッハに関わったり、さらには即興演奏を行うことは、私にはいくぶん自然なことなのです。
(シルヴィウス・フォン・ケッセル)
サントリーホール
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