日本フィル&サントリーホール 
とっておき アフタヌーン Vol. 10

<マエストロと新星が紡ぐストーリー>

指揮・藤岡幸夫インタビュー

  • 藤岡幸夫

    藤岡幸夫

    ©Shin Yamagishi

オーケストラとホールが贈る、平日午後のエレガンス『とっておきアフタヌーン』2019-20シーズンが始まります。今シーズンのコンセプトは「マエストロと新星が紡ぐストーリー」。初回Vol.10は、藤岡幸夫マエストロの登場です。長くヨーロッパを拠点に活動、近年は関西フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者として活躍していらっしゃいますが、日本フィルハーモニー交響楽団とは指揮者デビュー以前からのさらなる深いつながりがあるとのこと。マエストロにお話を伺います。

協奏曲のソリストに服部百音さんを迎えての『とっておきアフタヌーン』です。今までに共演は?

昨年秋に初めて共演しました。ここ、サントリーホールの大ホールで。しかも、今回演奏予定のチャイコフスキー『ヴァイオリン協奏曲』を一緒に。

  • 服部百音

    服部百音

    ©Chihoko Ishii

服部さんにとってチャイコフスキー『ヴァイオリン協奏曲』は、子どもの頃からとても思い入れのある曲だと伺っています。では、演奏曲もホールの響きも、すでに共有されているということですね。いかがでしたか?

すごい才能ですよ。若さいっぱいで、第3楽章など、僕の人生で最速でした(笑)。個性があるし、若い時ならではのエネルギーとか大胆さを持っています。これからがすごく楽しみな逸材ですね。

5月8日、服部さんとマエストロと日本フィルとの関係性がどのように作用するか、ますます楽しみです。

百音さんはスター性もあるし、きっと斬新な演奏をしてくれるでしょう。それを支える日本フィルは、音が濃密で凄味のあるサウンドが特徴です。濃厚で大きな音が鳴りますし、とくに弦楽器が濃厚です。そういう日本フィルならではの良さを引き出していきたいと思います。同じ作品を演奏しても、オーケストラごとに特徴があるから、また別物になるんですよね。たとえば、関西フィルがラテン系だとしたら、日本フィルはロシア系です。重くて、華やかな音。

今回の演目はチャイコフスキーとストラヴィンスキーですから、ぴったりですね。

ストラヴィンスキーの『火の鳥』は、楽器の使い方が見事です。そしてバレエ音楽ですから、すごくストーリー性があります。ですから「とっておきアフタヌーン」では、まず演奏の前に、僕が各場面のストーリーをお話ししながら、楽器の役割やその音色の意味など具体的にご説明します。例えば冒頭、大太鼓が小さな音でドロドロドロと不気味に鳴り続けるんですけれど、これがあるとないとでは大違いです。そんなことを色々お話して、皆さんそれぞれにイメージを浮かべていただき、演奏をお楽しみいただければ。

「とっておきアフタヌーン」では毎回、指揮者やソリストとナビゲーターとのトークも好評です。

僕も常日頃のコンサート活動の中で、トークを大切にしています。作品や作曲家、オーケストラや楽器など色々なエピソードを知ることで、より身近に音楽を感じられると思うので。

  • 「こども定期演奏会」

    「こども定期演奏会」

テレビ番組「エンター・ザ・ミュージック」(BSテレ東)でのトークも、毎週幅広いテーマで、様々な話題を取り上げていらっしゃいますね。今回のステージでは、ナビゲーターの政井マヤさんが色々お話を引き出してくださると思いますので、お二人のやりとりも楽しみです。

コンサートは楽しい、また聴きたいと思っていただけたら嬉しいです。でも、平日の昼間のコンサートというのは、ちょっとした挑戦ですね。会社勤めの方は来られない時間帯でしょ。

  • 「こども定期演奏会」

    「こども定期演奏会」

逆に、普段、夜の時間帯や週末にはなかなか出掛けられないという方々に、ぜひお越しいただければと。託児サービスや、近隣ホテルのレストランやカフェを特別価格で利用いただけたり、3名以上のお申し込みでチケット価格が割引になるサービスも。お友達同士誘い合わせて、ランチやお茶、そしてコンサートを楽しむエレガントな午後、そんなイメージです。

そういうのは良いですね。多くの方に、気軽にクラシックのコンサートに足を運んでいただきたいというのが僕の願いです。サントリーホールは、コンサート後に余韻を楽しめる場所も、周辺にたくさんありますからね。
マチネ公演というのは、演奏する側にとっても、終わった後ゆっくりできて飲みにも行けたりしますね。管楽器の奏者などは、本番へのコンディションの持っていきかたが夜公演とは違って、むしろやりやすいんじゃないかな。僕は、夜でも昼でもコンディションは変わりませんけれど(笑)。季節もいい頃ですし、お客様の雰囲気もまた、夜公演とは違うでしょうね。

マエストロには、サントリーホールの主催公演では、2015年秋の「オープニング・フェスタ」や、2015、16年の「こども定期演奏会」にご出演いただきました。そして通算40回近く、この大ホールで公演していただいています。サントリーホールの印象をお聞かせいただけますか?

僕はここで生まれた指揮者ですから。それはもう、素晴らしいですよ。2017年にリニューアルしてからさらに響きが良くなったと、皆さん言ってますね。僕は最近はここでコンスタントには振っていないので、まだ比較できないのですが、むしろ、新鮮な気持ちでステージに立たせていただきます。

  • 日本フィルハーモニー交響楽団

    日本フィルハーモニー交響楽団

1995年に、サントリーホールでの日本フィルハーモニー交響楽団定期演奏会で、指揮者デビューされたんですね。

そうです。日本フィルは僕の生みの親であり育ての親です。まず、指揮研究員を5年間やらせてもらいましたが、この期間がなければ指揮者にはなれなかったでしょう。その後ヨーロッパ留学を経てヨーロッパで指揮者デビューした後、日本デビューがいきなり日本フィルの定期演奏会。ショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」をやりました。それで指揮者になって、日本フィルで年間30回くらいのコンサートを毎年振っていましたから。それから25年、まあ、普通の関係ではないというか、特別です。まさに生みの親です。今年は、渡邉曉雄先生(日本フィルの創立指揮者。1956年6月創立)の生誕100年にあたる年で、6月には記念公演もありますし、日本フィルとの共演機会がとても多いのです。2月には日本フィル恒例の九州ツアーで連続10公演、2週間みっちり一緒にいましたから。僕がデビュー当時の団員さんも、まだ何人かいらっしゃいますし、若い団員とも皆、密なコンタクトがとれていると思います。九州公演旅行は今回で4度目でしたが、駆け出しの頃は大変な思いだったんです(笑)。1回きりで終わりにできない、同じ曲で12回連続の演奏会でしたから、どんどん自分のアラが目立ってくるんです。まだ若すぎましたよね、今思えば。でも経験を積んで、3度目のツアーでは逆にやればやるほど新鮮な発見があって、どんどん良くなって。今回も楽しかったです。ですから日本フィルとは長い間本当にいろいろな経験を一緒にさせてもらっていて、濃密な関係なんです。

  • 日本フィルハーモニー交響楽団

    日本フィルハーモニー交響楽団

ますます楽しみです。最後に、「とっておきアフタヌーン」にちなんで、藤岡さんにとっての“とっておき”を教えてください。

それはもう、僕のとっておきは、ウイスキーの「響」ですよ。僕がお酒好きで、なかでも「響」が大好きだということは結構知られていて、ファンの方が送ってくださったりもするんです。今、巷では品薄ですけれど、僕の家にはありますよ、12年ものも17年ものも。サントリーの山崎蒸溜所も何度も訪れました。チーフブレンダーの輿水さんとお話しして。僕、試飲をして、何年ものかを全部当てたんですから!ですから、「響」をゆっくり飲むのが、とっておきの休日。でもまあ、2ヶ月に1度ぐらいかな、そんな休日があるのは。日常は「知多」のソーダ割り。ほぼ毎晩。飲みやすいし、すっごくおいしい!

「響」は、チーフブレンダーがブラームスの交響曲第1番 第4楽章をイメージしてブレンドしたと言われています。

僕もその話を聞いたんですけれど、いやいやいや、僕に言わせればベートーヴェンの「エロイカ」でしょう。というか、何年ものかによって、全然味わいが違います。だから、飲み方も、ロックかストレート水割りかソーダ割りか、何年ものかで全然違います。どれも好きです。

ウイスキーの「響」が大好きという藤岡マエストロ、5月8日サントリーホールでの響きを楽しみにしています。ありがとうございました。

ホテルオークラ東京から特別なおもてなし

オリジナルカクテル「火の鳥」

今回演奏するバレエ組曲『火の鳥』を題材に、叙情的で輝かしい「火の鳥」の物語をイメージしたカクテルを特別価格で提供いたします。バーテンダーによる炎の演出で、幻想的な物語へ誘います。
特別価格1,000円(カクテル通常価格1,600円、税込) ※ノンアルコール対応も可

  • *適用期間:2019年4月27日(土)~5月8日(水)
  • *ご注文時に公演チケットをご提示ください。
  • *提供場所:バー ハイランダー(11:30~)/オーキッドバー(17:00~)

人気のバーやカフェで、素敵なランチやティータイムを
公演当日に限り、ダイニングカフェ カメリア/バー ハイランダーのご利用料金を、特別優待価格(10%割引/上記のカクテルや一部施設を除く)でご利用いただけます。
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