フリスティナ・シュシャク

ノヴィ・サド(セルビア)出身。8歳で作曲を始め、ウィーン国立音楽大学でイーリス・テル・シプホルストにメディア作曲、ゲジーネ・シュレーダーに音楽理論を師事。ドレスデン音楽大学大学院修士課程でマーク・アンドレに学んだ。2015年頃から室内楽、管弦楽曲、映像やインスタレーションを伴う作品を発表。22年、謡とヴィオラのための『マントラ』が東京で初演され、23年には講師を務めた武生国際作曲ワークショップで尺八とリコーダーのための『富士の風』が初演されるなど、日本との縁も深い。その作品は実存的・哲学的なテーマを扱いつつも、上行・下行といったシンプルな音型をユニークに反復・変容させ、神秘性や幽玄さを喚起する。アンサンブルとライヴ・エレクトロニクスのための『アニマ(魂)』(18/19)や『私は存在する小犬に捧ぐ』(21/22)では、人のさまざまな声の様態を音に写しとり、声と器楽音の連続性をユーモラスに示す。24年にはパリ・ファッションウィークから委嘱を受けて作曲したランウェイ用音楽が、アンサンブル・アンテルコンタンポランのメンバーによって演奏され、翌年にはIRCAMが協賛するエラン賞のファイナリストにノミネートされた。ベルリン芸術大学講師。

[平野貴俊]

ルチアーノ・ベリオ

オネリア(イタリア)出身。ミラノ音楽院でパリベーニ、ゲディーニに師事(1946~51)。アメリカで電子音楽と出会い、マデルナとともにイタリア国営放送(RAI)に電子音楽スタジオを設立(55)。1950年以降、アメリカ人歌手キャシー・バーベリアンと共働し、ポピュラー音楽を参照した『フォーク・ソングズ』(64)、声の可能性を開拓した『セクエンツァ3』(65)などを発表。高度な技巧と音楽的知性を要求する独奏(唱)のための14の『セクエンツァ』(58~2003)、それにもとづく『シュマン』のシリーズ(1965~92)、音と言葉の鮮烈なコラージュで名高い『シンフォニア』(68~69)、『オペラ』(70/77)をはじめとするミュージック・シアター、過去作品を読み換えた『レンダリング』(90)、空間性を探究した『フォルマツィオーニ』(87)などで、伝統との鋭い対峙に基礎をおく刺激的な音楽観を提示し続け、20世紀後半の現代音楽界を牽引した。ジュリアード音楽院で教え(65~71)、IRCAMの電子音響部門を率いた(74~80)あとフィレンツェに電子音響音楽研究センター、テンポ・レアーレを設立(87)。エルンスト・フォン・シーメンス音楽賞(89)、高松宮殿下記念世界文化賞(96)。

[平野貴俊]

指揮:大野和士

東京都交響楽団芸術顧問、ブリュッセル・フィルハーモニック音楽監督、新国立劇場オペラ芸術監督。これまでに、ザグレブ・フィル音楽監督、都響指揮者、東京フィル常任指揮者(現・桂冠指揮者)、カールスルーエ・バーデン州立劇場音楽総監督、ベルギー王立モネ劇場音楽監督、アルトゥーロ・トスカニーニ・フィル首席客演指揮者、リヨン国立歌劇場首席指揮者、バルセロナ響音楽監督を歴任。また、世界各地のオペラハウスおよびオーケストラでの客演も枚挙にいとまがない。フランス批評家大賞、サントリー音楽賞、朝日賞など受賞多数。文化功労者。

ヴァイオリン:リーラ・ジョセフォウィッツ

ミシサガ(カナダ)出身。3歳でヴァイオリンを始め、カーティス音楽院でハイメ・ラレードとヤッシャ・ブロツキーに師事。1994年、カーネギーホールでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏し、脚光を浴びる。長年現代音楽をレパートリーの核に据えており、フランチェスコーニの『ドゥエンデ(鬼気迫るもの)―黒い音』(2013)のほか、エサ゠ペッカ・サロネンの『ヴァイオリン協奏曲』(09)、ジョン・アダムズの『シェヘラザード.2』(14)といった規模の大きなヴァイオリン協奏曲を献呈されており、切れ味の鋭い、求心力の高い演奏で作品の真価を引き出してきた。2018年エイヴリー・フィッシャー賞受賞。現在マネス音楽院で教鞭を執る。

[平野貴俊]

東京都交響楽団

東京オリンピックの記念文化事業として1965年東京都が設立。現在、大野和士が芸術顧問、アラン・ギルバートが特別客演指揮者/ミュージック・パートナー、ダニエーレ・ルスティオーニが首席客演指揮者、ペッカ・クーシストがアーティスト・イン・レジデンスを務めている。定期演奏会を中心に、都内小中高生のための「Welcome! オーケストラ」(音楽鑑賞教室)、多摩・島しょ地域や福祉施設での出張演奏や、誰もが音楽の楽しさを体感・表現できる「サラダ音楽祭」の開催(2018年~)など、多彩な活動を展開している。

ヴァイオリン:迫田 圭

第28回市川市文化振興財団新人演奏家コンクール弦楽器部門最優秀賞。プロジェクトQ・第10章に参加。若手作曲家の新作初演にも数多く携わっており、サントリーホールで2015年に開催のサマーフェスティバルにて、第25回芥川作曲賞選考演奏会にソリストとして出演するなど、精力的に活動している。現在おーけすとら・ぴとれ座にてコンサートマスターを務めるほか、オーケストラ・トリプティーク、アンサンブル・リカレンス、グリーンルームプレイヤーズにヴァイオリン・ヴィオラ奏者として在籍している。町田・大熊バイオリン教室、WE LOVE MUSICにて講師を務める。

ヴィオラ:大野若菜

東京藝術大学附属高校在学中にヨハネス・ブラームス国際コンクール第1位。ハンス・アイスラー音楽大学を経て、ベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミー修了。在籍中は定期公演のほか、ザルツブルク音楽祭、ルツェルン音楽祭をはじめヨーロッパ、アメリカ、アジアツアーにも参加。ヤマハ音楽支援制度、ローム ミュージック ファンデーション各奨学生、文化庁新進芸術家海外研修員。2017年、東京オペラシティ文化財団主催「B→C:バッハからコンテンポラリーヘ」にて、細川俊夫:ヴィオラのための『息吹き』改訂版世界初演。18年よりドイツのバンベルク交響楽団ヴィオラ奏者。

チェロ:加藤文枝

東京藝術大学、同大学大学院卒業。学内にて安宅賞、アカンサス音楽賞、三菱地所賞受賞。パリ市立音楽院を満場一致の首席で卒業。第8回ビバホール チェロコンクール第1位。第7・8回東京音楽コンクール弦楽部門第2位。FLAME国際コンクール第3位。平成23年度京都市藝術文化特別奨励者。2011・12年度ローム ミュージック ファンデーション奨学生。「公共ホール音楽活性化事業」平成26・27年度登録アーティスト。「シャネル・ピグマリオン・デイズ」アーティスト。オクタヴィア・レコードよりデビュー・アルバム『Parfum』をリリース。

チェロ:山澤 慧

東京藝術大学、同大学院修了。第11回現代音楽演奏コンクール「競楽XI」第1位、第24回齋藤秀雄メモリアル基金賞受賞。古典から現代曲まで幅広いレパートリーを誇る。委嘱新作と20世紀以降に書かれたチェロ独奏曲を集めたリサイタル「マインドツリー」シリーズ、「邦人作曲家による作品集」シリーズ、ピアノとのデュオによる古典シリーズなど、独自の企画でチェロの魅力を発信し続けている。藝大フィルハーモニア管弦楽団首席チェロ奏者、千葉交響楽団契約首席チェロ奏者。

フルート:内山貴博

東京藝術大学附属音楽高等音楽高等学校を卒業。東京藝術大学、パリ地方音楽院、エコー ルノルマル音楽院を経て、パリ国立高等音楽院第一課程、同音楽院第二課程を修了。第23回日本フルートコンヴェンション、第30回レオシュ・ヤナーチェク国際コンクールなどの国内外のコンクールで入賞、優勝を経て、現在は日本国内を中心にオーケストラへの客演や、室内楽の公演などに出演。20世紀の音楽を中心にレパートリーを広げるアンサンブル・リカレンス代表・運営を務める。佐原洸主宰のSPAC-E、Duo AUdireメンバー。ムラマツフルートレッスンセンター講師。

クラリネット:片山貴裕

東京藝術大学音楽学部卒業。ハンス・アイスラー音楽大学修士課程を最高点で修了後、パリ国立高等音楽院およびサンタ・チェチーリア国立アカデミーにて学ぶ。ルツェルン音楽祭アカデミー生およびヴィラ・ムジカ財団アカデミー生を経て、現在キール歌劇場(ドイツ)のソロ・バスクラリネット奏者。第18回メルカダンテ国際クラリネットコンクール第3位。アンサンブル・アンテルコンタンポラン、ブレーメン・ドイツ室内フィルハーモニー管弦楽団、ブーレーズ・アンサンブル、読売交響楽団などに客演。

オーボエ:荒木奏美

東京藝術大学在学中にオーディションに合格、東京交響楽団の首席奏者を2023年3月まで務める。現在、読売日本交響楽団首席奏者。第11回国際オーボエコンクール・軽井沢ではアジア勢で初となる第1位、あわせて聴衆賞を受賞。第27回出光音楽賞受賞。H. ホリガーに認められトリオでツアー公演を行う。ソリストとして東響、都響などと協奏曲を共演、リサイタルや各音楽祭への参加、新曲初演など幅広い活動を展開している。Ensemble FOVE、反田恭平率いるジャパン・ナショナル・オーケストラメンバー。東京藝術大学を首席卒業後、同院修士課程修了。

サクソフォーン:大石将紀

東京藝術大学・同大学院を修了後、渡仏。パリ国立高等音楽院修了。ソリストとして東京オペラシティ文化財団主催「B→C:バッハからコンテンポラリーヘ」「コンポージアム」、サントリーホール サマーフェスティバル、武生国際音楽祭、横浜みなとみらいホール主催「Just Composed」など音楽祭や企画に多数出演。海外でも音楽祭での演奏、リサイタルやマスタークラス開催など、国際的に活動。2025年に新国立劇場の新作オペラ、細川俊夫『ナターシャ』に出演。令和元年度文化庁芸術祭レコード部門優秀賞受賞。メンバーを務める東京現音計画の主催公演が第13回佐治敬三賞受賞。

ピアノ:尾崎未空

12歳でオーケストラと初共演、翌年にめぐろパーシモンホールにて初リサイタルを開催して以来、国内外で数多くの演奏会に出演する。2016年ピティナ特級グランプリ、19年MozARTe国際ピアノコンクール(ドイツ)で第1位および聴衆賞、24年オルレアン国際ピアノコンクール(フランス)第3位など多数受賞。近年はエストニア国立交響楽団への客演や欧州でのリサイタルを重ね、古楽から現代作品まで幅広い探究と独自のプログラム構成で注目を浴びる。26年7月には武満徹没後30年に際し、武満のピアノ作品全曲演奏会をミュンヘンのシュヴェーレ・ライターにて行う。

打楽器:安藤 巴

1997年千葉県柏市生まれ。音楽家、打楽器奏者。クラシック音楽をルーツに持ち、現在はオーケストラ、現代音楽、打楽器独奏、即興音楽のフィールドを自由に横断しながら演奏活動を行っている。2024年には東京・京都にて「安藤巴 パーカッションソロ」を開催。また同年、サントリーホールで開催のサマーフェスティバルにて、第34回芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会にソリストとして出演した。第37回日本管打楽器コンクールにてパーカッション部門第1位。

打楽器:悪原 至

国立音楽大学卒業時に矢田部賞を受賞し、同大学院修士課程修了時には最優秀賞を受賞。ヤニス・クセナキスの研究により同大学院にて博士号取得。打楽器の魅力を引き出すべく現代音楽の演奏も積極的に行っている。東京オペラシティ文化財団主催のリサイタルシリーズ「B→C:バッハからコンテンポラリーへ」、NHK-FM「リサイタル・パッシオ」に出演。第23回日本クラシック音楽コンクール第1位、第16回KOBE国際音楽コンクール最優秀賞など、国内4つのコンクールで第1位を受賞。洗足学園音楽大学、国立音楽大学附属中学・高等学校非常勤講師。

エレクトロニクス:有馬純寿

エレクトロニクスやコンピュータを用いた音響表現を中心に、現代音楽、即興演奏などジャンルを横断する活動を展開、数多くの演奏会で電子音響の演奏や音響技術を手がけ高い評価を得ている。2012年に国内外の現代音楽シーンで活躍する演奏家たちと現代音楽アンサンブル「東京現音計画」を結成、これまでに20回を超える演奏会を行ってきた。第63回芸術選奨文部科学大臣新人賞芸術振興部門受賞のほか、サントリー芸術財団佐治敬三賞受賞公演に複数回出演。国内外の実験的音楽家や即興演奏家とのセッションや、美術家とのコラボレーションも多い。現在、東京音楽大学准教授。

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