マグヌス・リンドベルイ(1958〜 )

オーケストラを緻密かつ豪勢に操り、光輝にあふれた音楽を作りだすフィンランド出身の作曲家。シベリウス・アカデミーでE. ラウタヴァーラらに学び(1977~81)、F. ドナトーニらに師事(1979~82)。パリに滞在し(1982~93)、G. グリゼーとV. グロボカールに学んだのち、IRCAM(フランス国立音響音楽研究所)で活動する。コンピュータを駆使して作曲されたソリストと管弦楽のための『クラフト』(1983~85)で、途切れない大河のような響きが織りなす壮大な音のページェントを作り上げる。1989~90年の管弦楽三部作(『キネティクス』『ジョイ』『マレア』)などで探究されたその手法は、サントリーホール国際作曲委嘱シリーズの求めに応じて書かれた『オーラ』(1994)に結実した。90年代末の管弦楽三部作(『フレスコ』『カンティガス』『パラダ』)には、従来の壮大な響きに簡明かつポリフォニックなテクスチュアが加わり、近年の『エキスポ』(2009)が示す伸びやかでありながらも強靭な音楽には、管弦楽作家としての一段の進境が現れている。ピアニスト、指揮者としても活動。2018年、ベルリン・フィル音楽監督ラトルの退任記念演奏会で『アジャイル』が初演された。

マーク=アンソニー・ターネジ(1960〜 )

大都市の諸相を、都会人の感性で音楽に映しだすイギリスの作曲家。英国王立音楽院でO. ナッセンらに学び、1983年にタングルウッドでG.シュラーとH. W. ヘンツェに師事。管弦楽曲『ナイト・ダンシズ』(1980~81)でデビュー、ヘンツェの勧めで書いたオペラ『グリーク』(1986~88)で国際的名声を獲得。J. スコフィールドらジャズの演奏家とアンサンブル・モデルンによって初演され、その後ラトル指揮ベルリン・フィルによって再演された『ブラッド・オン・ザ・フロア』(1993~96)では、ジャズの語法を見事に活用、清新で洗練された音楽を提示。シンプルかつインパクトのあるリズムや音型を巧みに配置し、キャッチーでありながらも低俗さとは無縁の様式を確立。オペラ『銀杯』(1997~99)、とりわけ『アンナ・ニコル』(2008~10)では薬物など同時代の社会問題を扱い、管弦楽曲『ハンマード・アウト』(2009~10)ではビヨンセの曲を利用するなど、時事性への関心は健在。2016年にはサントリーホール開館30周年記念して委嘱された管弦楽曲『Hibiki』(2016)が初演された。シカゴ響、ロンドン響、BBC響などと契約を結び、Y. バシュメットら世界的名手をソリストに協奏曲を書くなど、共演者にも恵まれている。

ヴォルフガング・リーム(1952〜 )

20世紀後半のドイツが生んだもっとも重要な作曲家。生地カールスルーエで作曲を学び、ケルンでシュトックハウゼンに(1972~73)、フライブルク音楽大学でK. フーバーに作曲を、H. H. エッゲブレヒトに音楽学を学ぶ(1973~76)。ダルムシュタットの講習会で教え(1978~)、カールスルーエ音楽大学教授を1985年から務める。該博な音楽知識、読書に培われた文学的教養を背景として生みだされた膨大な作品群は、ドイツの音楽遺産を現代的に意義づけ継承しようとする真摯な創作態度の表明にほかならない。初期の3つの交響曲(1969~77)などに顕著な、ベルクやマーラーに通じる深刻で大仰な身ぶりを核としつつも、管弦楽曲『狩りと形式』(1995~2001)では急流のような音の迸り、4つの声と弦楽四重奏のための『エト・ルクス』(2009)では淡い色調の移ろいを実現、これら近年の一連の作品はあたかも差異と反復の織物のようですらある。再演を重ね古典となったG. ビューヒナー原作の『ヤーコプ・レンツ』(1977~78)など、H. ミュラーやA. アルトーといった特異な劇作家のテクストにもとづく劇作品を通して、20世紀の劇音楽のレパートリーに行った多大な貢献も見逃せない。

細川俊夫(1955〜 )

1955年広島生まれ。ベルリン芸術大学で尹伊桑に、フライブルク音楽大学でK. フーバーに作曲を師事。80年ダルムシュタット国際現代音楽夏期講習に初めて参加、作品を発表する。以降、ヨーロッパと日本を中心に、作曲活動を展開。日本を代表する作曲家として、欧米の主要なオーケストラ、音楽祭、オペラ劇場などから次々と委嘱を受け、国際的に高い評価を得ている。作品は、大野和士、準・メルクル、ケント・ナガノ、サイモン・ラトル、ロビン・ティチアーティ、フランツ・ウェルザー゠メストなど、世界一流の指揮者たちによって初演され、その多くはレパートリーとして演奏され続けている。2014年、トランペット協奏曲『霧のなかで』(サントリーホール委嘱)で3度目の尾高賞を受賞。11年にオペラ『松風』、16年にオペラ『海、静かな海』がハンブルクで、17年にオペラ『二人静─海から来た少女─』が、18年にはオペラ『地震・夢』が初演。いずれも大きな注目を集めるとともに、高い評価を受けた。01年にドイツ・ベルリンの芸術アカデミー会員に選ばれる。06/07年および08/09年、ベルリン高等研究所からフェロー(特別研究員)として招待され、ベルリンに滞在。12年にはドイツ・バイエルン芸術アカデミーの会員に選出された。12年に紫綬褒章を受章。18年度国際交流基金賞を受賞。現在、武生国際音楽祭音楽監督、東京音楽大学およびエリザベト音楽大学客員教授。

サルヴァトーレ・シャリーノ(1947〜 )

音と沈黙のあわいに分け入っていくような、独特の音響世界を現出させるイタリアの作曲家。パレルモ出身。ほぼ独学で作曲を始め、10代半ばの1962年に早くも生地の現代音楽祭で作品が紹介される。その後ローマでF. エヴァンジェリスティに師事、ミラノ音楽院で教えた(1977~82)あと小都市チッタ・ディ・カステッロに居住。ヴァイオリンのための『6つのカプリス』(1975~6)、フルートのための『遠方の微風(オーラ)へ』(1977)など、ノイズや特殊奏法を用いた初期の独奏および室内楽作品で注目され、とりわけフルートの特殊奏法の開拓に貢献。三部作の管弦楽曲『同心円の詩にもとづいて』(1987)では闇夜の森を思わせる自然界の音、声と8楽器のための『無限の黒』(1998)では呼吸音や心拍音の模倣を通して、次第に知覚がゆらぎ夢とうつつのあいだを行き来するかのような感覚を味わわせる。初期から劇音楽、また過去の音楽遺産にもとづく創作にも力を注ぎ、バレエ音楽『ヴェニスに死す』(1991)はJ. S. バッハの作品の書き直しのみで構成され、スカラ座で初演された2時間超のオペラ『あなたを見、感じ、迷う』(2017)はA. ストラデッラの生涯に想を得ている。

板倉康明(指揮)

東京藝術大学卒業。フランス政府給費留学生として渡仏し、パリ市立音楽院、パリ国立高等音楽院を卒業。故H. P゠ロジェから深い薫陶を受けた。クラリネット奏者として都響、東フィルなどと共演。1996年神奈川芸術フェスティバルで西村朗作品により指揮デビュー。これまでに、サマーフェスティバル、サイトウ・キネン・フェスティバル松本、オーケストラ・アンサンブル金沢定期公演、プレゾンス音楽祭(フランス)、Music From Japan(ニューヨーク)など、国内外の音楽祭に招聘されている。東京シンフォニエッタ音楽監督、日本音楽コンクール委員会特別賞、第18回中島健蔵音楽賞を受賞。

有馬純晴(ホルン)

東京都出身。東京藝術大学卒業と同時に東京都交響楽団入団。3年後から首席ホルン奏者となり現在に至る。1年間英国ロンドンに留学。アレキサンダーホルンアンサンブルジャパン、東京シンフォニエッタ、東京アーバンブラスアンサンブルメンバー。全音楽譜出版社によるオーケストラ名曲のホルンパート集『オーケストラな一日for Horn』を監修。2001年から10年間日本ホルン協会の副会長を務める。

伴野涼介(ホルン)

茨城県つくば市出身。4歳よりヴァイオリンを、13歳よりホルンを始める。東京藝術大学音楽学部卒業、同大学大学院修士課程修了。平成22年度文化庁新進芸術家研修員としてフランクフルト音楽・舞台芸術大学で学ぶ。ホルンを脇屋俊介、守山光三、松﨑裕、水野信行、エサ・タパニに、ナチュラルホルンをウルリッヒ・ヒューブナーに師事。読売日本交響楽団ホルン奏者。アレキサンダーホルンアンサンブルジャパン、ナチュラルホルンアンサンブル東京のメンバー。

岸上 穣(ホルン)

12歳よりホルンを始め、京都市立音楽高校を経て、東京藝術大学を安宅賞、アカンサス音楽賞を受賞し卒業。フランクフルト音楽・舞台芸術大学を首席で卒業。第23回日本管打楽器コンクールホルン部門第1位。第80回日本音楽コンクール第2位。Travel Brass Quintet、Brass Ensemble ZERO、つの笛集団、東京シンフォニエッタ、The Horn Quartetのメンバー。デトモルト州立劇場研修生、ヴィースバーデン・ヘッセン州立歌劇場契約団員を経て、2009年より東京都交響楽団ホルン奏者。

阿部雅人(ホルン)

福島県出身。東京藝術大学卒業。藝大在学中に東京フィルハーモニー交響楽団に入団。その後、新日本フィルハーモニー交響楽団を経て現在、沖縄県立芸術大学教授。2019年より音楽学部長。日本ホルン協会理事。1996年に福岡、97年に福島、09年には東京と福島、17年には沖縄でリサイタルを開催した。これまでにホルン奏者として日本の主要なオーケストラほぼ全てに客演してきたほか、日本音楽コンクール、日本管打楽器コンクール、日本ホルンコンクール、ジュニアソロホルンコンクール、吹奏楽コンクールなどの審査員と、日本ホルン協会常任理事、事務局長を歴任している。

川田修一(トランペット)

1984年福島県出身。東京フィルハーモニー交響楽団首席トランペット奏者。国立音楽大学卒業。矢田部賞受賞。第78回、81回日本音楽コンクール入選。第25回日本管打楽器コンクール3位入賞。第49回独Markneukirchen国際コンクール ディプロマ賞授与。文化庁海外研修員としてドイツのカールスルーエ音楽大学にて研修を行う。トランペットを北村源三、熊谷仁士、山本英助、野口浩史、Reinhold Friedrichに師事。Brass Ensemble ZERO、Quartet Made in FUKUSHIMA、Le Due Trombe、金管合奏団「宴」のメンバー。

伊藤 駿(トランペット)

大阪市出身。京都市立芸術大学音楽学部卒業。桐朋オーケストラアカデミー修了。同アカデミー在籍中に新日本フィルハーモニー交響楽団に入団し、2019年5月までの約2年間首席奏者を務めた。第6回関西トランペット協会コンクール第1位。第30回ヤマハ管楽器新人演奏会出演。トランペットを宮村聡、早坂宏明、杉木峯夫、白水大介に師事。室内楽を呉信一、若林義人に師事。

大西敏幸(トランペット)

2008年東京藝術大学卒業。12年ドイツのカールスルーエ音楽大学大学院修了。同大学院在学中ドイツ学術交流会(DAAD)の奨学金給費生に選出される。11~12年マインツ州立歌劇場フィルハーモニー管弦楽団研修生。13~16年兵庫芸術文化センター管弦楽団トランペット奏者。16年セイジ・オザワ 松本フェスティバルにサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーとして出演。また秋にはオーケストラジャパン団員としてディズニー・オン・クラシック全国ツアーに参加。現在、オーケストラ、室内楽、古楽、ミュージカルなど多方面で活動中。

坂井俊博(トランペット)

1974年東京藝術大学入学。同年、第43回日本音楽コンクール管楽器部門第1位。78年プラハの春国際コンクールで第5位入選、79年ミュンヘン国立音楽大学入学、P. ラッヘンマイヤーに師事。80年カッセル州立歌劇場管弦楽団に入団、81年ツーロンとジュネーヴの国際コンクールで入選。ボルドー音楽祭で銅メダル受賞。85年帰国。92年国際交流基金よりパラグアイに派遣される。93年東京シンフォニエッタ創設に参加。97年指揮活動を開始、ソリスト、指揮者としてメキシコ3都市を訪れ、98年から2004年まで東京室内管弦楽団の指揮者を務める。

山口尚人(トロンボーン)

佐賀県出身。東京藝術大学卒業。在学中より各地の新人演奏会に出演。また藝大吹奏楽学内演奏会にてコンチェルトを演奏。在学中の1997年に東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団に入団。2000年に新日本フィルへ移籍、現在は同オーケストラにて副首席奏者を務めるほか、ズーラシアンブラスのメンバー。1999年には佐賀銀行文化財団新人賞を、2000年には日本管打楽器コンクールにて第3位を受賞。アレンジャー、作曲家としての活動も多く、作品を発表している。

西岡 基(トロンボーン)

東京藝術大学卒業。同声会卒業演奏会、東京文化会館新人演奏会出演。2004、05年、東京藝術大学管弦楽研究部非常勤講師。第1回日本トロンボーンコンペティション第2位、第1回大阪トロンボーンコンペティション四重奏部門第3位(最高位)入賞。世界吹奏楽大会に世界青少年ウインド・オーケストラとして、またPMFに正式メンバーとして参加。トロンボーンを藤澤伸行、伊藤清、栗田雅勝、ピーター・サリバン、ペル・ブレヴィグに師事。東京シンフォニエッタ、東京トロンボーン アーティスツのメンバー。日本トロンボーン協会常任理事。

池城 勉(バス・トロンボーン)

神奈川フィルハーモニー管弦楽団バス・トロンボーン奏者。国立音楽大学。卒業大学3年時に東京文化会館推薦音楽会オーディションに合格、推薦演奏会に出演。大学を首席で卒業、矢田部賞受賞、卒業演奏会に出演。卒業時に大学の推薦により読売新人演奏会、ヤマハ金管新人演奏会などに出演。トロンボーンを松本熈、佐藤菊夫に師事、卒業と同時に神奈川フィルハーモニー管弦楽団に入団。東京トランペットコアーメンバーとしてウィーン・フィルハーモニートランペットコアーと共演。

川久保賜紀(ヴァイオリン)

2001年サラサーテ国際ヴァイオリン・コンクール優勝、02年チャイコフスキー国際音楽コンクール・ヴァイオリン部門最高位受賞以来、主要な北米オーケストラと共演し、豊富なステージ経験を積む。日本では1997年、チョン・ミョンフン指揮アジア・フィルのソリストとしてデビュー。以後、国内外の様々なオーケストラと共演を重ね、高度な技術と作品の品位を尊ぶ深い音楽性に高い評価を得ている。近年は自ら企画するコンサートを行うなど、コンサート・プロデューサーとしての才能も発揮、後進の指導にも積極的に取り組み、18年より桐朋学園大学院大学(富山)教授に就任。

伊藤悠貴(チェロ)

15歳からロンドン在住。2010年ブラームス国際コンクール第1位、11年英国の最高峰・ウィンザー祝祭国際弦楽コンクール第1位受賞。 第17回齋藤秀雄メモリアル基金賞受賞。V. アシュケナージ、小澤征爾、D. ゲリンガス、小林研一郎らをはじめ、フィルハーモニア管、読響など国内外主要オーケストラとの共演、また世界各地でのリサイタル、テレビ出演と、第一線で国際的な演奏活動を展開。18/19シーズンはウィグモアホールおよび紀尾井ホールにて、史上初となるオール・ラフマニノフ・プログラムによるチェロ・リサイタルを開催するなど、ラフマニノフ作品の研究・演奏をライフワークとしている。

吉田浩之(テノール)

東京藝術大学音楽学部声楽科教授。敦賀市出身。瑞々しく伸びやかな美声と叙情性豊かな表現力で聴衆を魅了し、高い評価を受けている、我が国が誇るリリコ・レッジェーロ・テノール。『こうもり』アルフレード役でのデビュー以来、新国立劇場、日生劇場、びわ湖ホールなど数々のオペラ公演に出演。ミサ曲、オラトリオなどのソリストとしても卓越した歌唱に定評があり、小澤征爾、大野和士、チョン・ミョンフン、クリスティアン・アルミンクらの指揮のもと、国内外のオーケストラと共演を重ねている。第25回ジロー・オペラ賞新人賞受賞。最新CDはイタリア・日本の美しい歌曲を集めた『proprioプロープリオ』。

永野英樹(ピアノ)

東京藝術大学音楽学部入学後渡仏。パリ国立高等音楽院卒業後、パリを中心にヨーロッパで活動する。1995年よりアンサンブル・アンテルコンタンポランのソロ・ピアニストとして迎えられ、ルツェルン音楽祭などで演奏し、好評を博す。日本では、NHK交響楽団、東京都交響楽団など、指揮ではシャルル・デュトワ、井上道義、下野竜也らと共演。村松賞(98)、出光賞(98)、ショパン協会賞(99)を受賞。最近の録音としてはリゲティのピアノ協奏曲やブーレーズのピアノ作品『天体暦の1ページ』がリリースされている。現在もフランスに在住し、ヨーロッパ各地で活躍している。

木村茉莉(ハープ)

9歳よりハープをヨセフ・モルナールに師事。東京藝術大学付属音楽高等学校2年在学中に渡仏。パリ国立高等音楽院ハープ科に入学。1965年に同科を1位首席で卒業。同音楽院の和声科および対位法科にも在籍する。その間、フランス政府給費留学生となる。帰国後日本フィル、新日本フィルのメンバーとして活動。また、世界の新しい作品を積極的に取り上げるアンサンブル・ヴァン・ドリアン、東京シンフォニエッタなどの設立に加わり、数多くの初演を手掛けている。現在、愛知県立芸術大学、くらしき作陽大学で後進の指導に当たっている。

西澤春代(クラリネット)

武蔵野音楽大学卒業。在学中より活発な演奏活動を始め、数々の作品の世界・日本初演に携わる。1995年東京シンフォニエッタ入団。メンバーとして国内外多数の公演に出演。2011年には一柳慧『レゾナント・スペース』を作曲者本人のピアノにより演奏し、CD化される。12年にはパリにて、ラジオフランス「Week-end RADIO FRANCE」でJ-L.アゴベ『クラリネット・コンチェルティーノ』の世界初演を行う。14年、18年には西村朗『樹霊Ⅰ』、『樹霊Ⅲ』を世界初演。これまでにその演奏の多くがNHK-FMなどで放送された。現在、洗足学園音楽大学にて後進の指導にも当たる。第68回、第84回日本音楽コンクール委員会特別賞を受賞。

高麗正史(チェロ)

福島市出身。東京藝術大学大学院修士課程修了。アフィニス文化財団海外研修員としてオーストリアに留学。元ウィーン・フィル首席奏者のフランツ・バルトロメイに師事。東京フィルハーモニー交響楽団フォアシュピーラーとしてのオーケストラ活動を軸に、室内楽、録音の分野で活動。また、東京シンフォニエッタメンバーとして、ア・テンポ音楽祭(ベネズエラ)、プレゾンス音楽祭(フランス)、アレクサンドリア・ビエンナーレ(エジプト)参加。佐藤修、金谷昌治、堀江泰氏、花崎薫に師事。

鈴木俊哉(リコーダー)

アムステルダム音楽院卒業。リコーダーを花岡和生、W. ファン・ハウヴェに師事。リコーダーの可能性と技術の開拓に取り組む。B. ファーニホウ、原田敬子、細川俊夫、伊藤弘之、S. シャリーノ、湯浅譲二といった作曲家たちと共同作業を行い、彼らの作品を初演する。ウィーンモデルン、パリの秋、武生などの音楽祭にソリストとして参加。2002年のダルムシュタット国際現代音楽夏期講習講師。東京都交響楽団などと共演。名古屋市民芸術祭賞、クラーニッヒシュタイナー音楽賞、中島健蔵音楽賞、創造する伝統賞、佐治敬三賞を受賞。エリザベト音楽大学リコーダー特別講師。

山本千鶴(ヴァイオリン)

東京藝術大学、ジュリアード音楽院を経てロータス・カルテットのメンバーとして欧州で研鑽を積む。第38回全日本学生音楽コンクール全国1位、第56回日本音楽コンクール入選、第2回N.Y.ソリストコンクール入賞、第1回大阪国際室内楽コンクール3位入賞。東京シンフォニエッタメンバーとして日本音楽コンクール審査員特別賞、佐治敬三賞、レコードアカデミー賞などを受賞。2010、11年サマーフェスティバル、東京シンフォニエッタ第21回定期公演のリゲティ協奏曲ではソリストを務め、好評を博した。また紀尾井ホール室内管弦楽団メンバーを務める傍ら、コンサートミストレス、首席奏者などとして活動中。

海和伸子(ヴァイオリン)

東京藝術大学附属音楽高等学校を経て、同大学器楽科卒業。東京文化会館新進音楽家デビューコンサート出演。東京都交響楽団に入団。東京シンフォニエッタメンバー。糀場富美子作曲、無伴奏ヴァイオリンのための『ルブリョフの扉』を初演。西村朗作曲、2台ヴァイオリンのための『ラティ』日本初演。オーケストラを中心に、ソロ、室内楽、映画音楽やテレビドラマの録音など多岐にわたる演奏活動を積極的に行う。これまでに、足立佳代子、田中千香士、澤和樹、清水高師に師事。

梅原真希子(ヴァイオリン)

桐朋女子高等学校音楽科を経て桐朋学園大学、ジュリアード音楽院を卒業。山本幾子、久保田良作、川崎雅夫、D. ディレイに師事。1995年N. Y. 日系人コンクール優勝、Dr. Shinya音楽賞受賞。ソロ、室内楽奏者としての演奏活動に加え、ABChamberMusicワークショップの講師をはじめ室内楽の指導にも力を注いでいる。所属する東京シンフォニエッタが2010年、第10回佐治敬三音楽賞受賞。14年リサイタルシリーズ"ベートーヴェンと..."(全10回)を開始、好評を博している。現在、カントゥス・クァルテット、東京シンフォニエッタメンバー、横浜音楽文化協会会員。

寺岡有希子(ヴァイオリン)

東京藝術大学附属高校を経て同大学卒業。第2回パオロ・ボルチアーニ賞国際弦楽四重奏コンクール第3位および特別賞受賞。シュポア国際ヴァイオリン・コンクール入賞。東京国際音楽コンクール室内楽部門第2位、あわせてアサヒビール賞受賞。川崎音楽賞受賞。紀尾井ホール室内管弦楽団メンバー。昭和音楽大学、桐朋学園芸術短期大学講師。

千葉純子(ヴァイオリン)

桐朋学園大学を経て、ジュリアード音楽院に奨学生として留学。在学中にNY・アーティスト国際コンクールで優勝、カーネギーホールのリサイタルホールでデビュー。ソリストとして、プラハ放送響、プラハ室内管、パイヤール室内管、ドイツ・バッハ・ゾリステン、ウィーン・ヴィルトゥオーゾ、タイペイ交響楽団、N響のトップメンバーによる室内合奏団などと共演。CDは、カメラータ・トウキョウ、アウローラ・クラシカル、ビクターより6枚リリース。紀尾井ホール室内管弦楽団メンバー。フェリス女学院大学音楽学部非常勤講師、洗足学園音楽大学非常勤講師。

吉成とも子(ヴァイオリン)

神奈川出身。東京藝術大学大学院修士課程修了。2歳から音感教育、9歳よりヴァイオリンを始め、湘南高校卒業後、東京音楽大学に給費特待生として入学、さらに特別留学奨学金を得てザルツブルク・モーツァルテウム国際サマーアカデミー修了。東京音楽大学研究科を経て東京藝術大学大学院入学。ヤマハ音楽振興会より国内奨学生に選ばれる。藝大室内楽定期演奏会出演。在学中より東京シンフォニエッタのメンバーとしてベネズエラのア・テンポ音楽祭などに出演。これまでに鷲見四郎、景山誠治、米谷彩子、浦川宜也に師事。

百武由紀(ヴィオラ)

東京藝術大学卒業、同大学院修了。浅妻文樹、ウィリアム・プリムローズ、セルジュ・コローに師事。1999年まで東京都交響楽団に在籍し首席奏者を務めた。邦人作品、現代曲の初演も多数手掛けており、99年日本音楽コンクール作曲部門の演奏に対して、審査員特別賞を受賞。カルテット「クワトロ・ピアチェーリ」において平成22年度文化庁芸術祭音楽部門大賞受賞。東京シンフォニエッタメンバー。2010年に出演した、東京シンフォニエッタ第28回定期演奏会が、第10回佐治敬三賞を受賞。「どのようなアンサンブルにあっても、常に音楽を活性化出来る類い稀なヴィオラ奏者」として定評がある。東京音楽大学客員教授、愛知県立芸術大学名誉教授、東京藝術大学講師。

守山ひかる(ヴィオラ)

松本市生まれ。4歳から才能教育にてヴァイオリンを始める。桐朋女子高校音楽科を経て桐朋学園大学音楽学部入学。在学中ヴィオラを弾く機会を多く持ち、その魅力に惹かれ転向。1986年、新日本フィルハーモニー交響楽団に入団、フォアシュピーラーとして15年在籍。オーケストラ活動の傍ら故 白尾偕子に師事。94年東京文化会館小ホールにてデビューリサイタル。2000年文化庁在外派遣研修生としてニューヨークで川崎雅夫に師事。02年渡独、ヴッパータール交響楽団、および歌劇場オーケストラの首席代行奏者に就任、室内楽奏者としても活動を続けている。

吉田 篤(ヴィオラ)

山口県出身。全日本学生音楽コンクール福岡大会第1位。東京藝術大学楽理科卒業、同大学大学院室内楽科ヴィオラ専攻修了。アーニマ四重奏団メンバーとして緑の風音楽賞受賞、松尾財団より助成を受ける。古楽器奏者としてバッハ・コレギウム・ジャパン、アンサンブル・ジェネシスなどの公演に参加。現在、東京藝術大学非常勤講師。藝大フィルハーモニア管弦楽団首席ヴィオラ奏者、東京シンフォニエッタメンバー。また、タンゴヴァイオリン奏者として「小松真知子&タンゴクリスタル」など、国内主要タンゴバンドのメンバーとして活躍。

宇田川元子(チェロ)

桐朋学園大学卒業後、アーヘン音楽大学を首席で卒業。同大学院にて国家演奏家資格を取得。1998年よりアーヘン歌劇場管弦楽団に定期的に参加。2000年に帰国し主要なオーケストラに出演。08年、東京シンフォニエッタに入団。メンバーとしてサマーフェスティバル、ガウデアムス音楽週間(オランダ)、ラジオフランス主催特別公演に出演。10年に出演した、東京シンフォニエッタ第28回定期演奏会が、第10回佐治敬三賞を受賞。15年日本音楽コンクール作曲部門の演奏に対し特別賞受賞。

長谷川信久(コントラバス)

東京音楽大学卒業。イーストマン音楽学校のサマーセミナーやMMCK(現ミュージック・マスターズ・コース・ジャパン)などのマスタークラスを修了。2000年に静岡にてコントラバスリサイタルを開催し、以降もソロでのサロンコンサートを継続している。また在学中より国内の主要オーケストラに多く出演し、現在は一部で客演首席奏者も務めている。01年より霧島国際音楽祭にアーティストとして招聘され、K. ヤブウォンスキや川久保賜紀など国内外の著名な演奏家と共演を重ねる。コントラバスを吉田秀、永島義男、J. ヴァンデマークに師事。

斎藤和志(フルート)

東京藝術大学卒業。第5回神戸国際フルートコンクール第4位、第70回日本音楽コンクール第1位。第4回びわ湖国際フルートコンクール第1位。これまでに、パウル・マイゼン、金昌国、佐久間由美子、中川昌巳、中野富雄、三上明子、山崎成美に師事。現在、東京フィルハーモニー交響楽団首席奏者。近年はクラシック音楽のみならず、ジャズやその他さまざまなジャンルの音楽、映像、舞踊、美術などとのコラボレーション、また自身で作曲・編曲も行い、即興演奏も含め、異常に幅広いレパートリーを持つ「フルート界の奇行師」。2006年度アリオン音楽財団奨励賞受賞。

渡辺康之(オーボエ)

14歳よりオーボエを始め、故 坂逸郎に手ほどきを受ける。東邦音楽大学音楽科出身。東邦音楽大学では、山田健一に師事する。その後、辻功の元で研鎖を積む。東京シンフォニエッタのメンバーとして、数多くの世界初演、日本初演に携わり、たびたび海外公演を行っている。オーケストラを中心に、室内楽、独奏など、幅広く活動している。

和田光世(打楽器)

東京藝術大学卒業。同大学院修了。1990年、大学内の「モーニングコンサート」に出演。第7回日本管打楽器コンクール第3位入賞。98年、奏楽堂でソロリサイタルを行う。2002年、現代音楽演奏コンクール「競楽Ⅴ」にて第3位入賞。室内楽やオーケストラのほかに、様々なパーカッショングループやプレイヤーのCD録音に参加、プレゾンス音楽祭(フランス)、ガウデアムス音楽祭(オランダ) など海外の音楽祭に多数参加。現在、東京佼成ウインドオーケストラ打楽器奏者。

佐々木啓恵(打楽器)

東京藝術大学卒業。1996、97年NHK-FMリサイタル出演。99年シンガポール交響楽団の公演、レコーディングに参加。2014年津田ホール主催のコンサートシリーズに出演、バルトーク『2台のピアノと打楽器のためのソナタ』ほか演奏。また2001年山田和也演出、ストラヴィンスキー『兵士の物語』(共演:篠井英介、いっこく堂ほか)、04年蜷川幸雄演出、W. シェイクスピア『タイタス・アンドロニカス』などの舞台に出演するほか、10年小椋佳全国ツアーに参加するなど、あらゆるジャンルで活動。PERCUSSION TRIO The Birdsメンバー。

閉じる