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東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」 2019年シーズン
「音楽レシピ~音楽は何でできている?」

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日本で初めての子どものためのオーケストラ定期演奏会、2019年は4月・7月・9月・12月の日曜日に計4回開催します。
テーマは「音楽レシピ」。音楽がどんな要素で出来上がっているのか、その謎を解き明かします。
フル編成のオーケストラ演奏とわかりやすいお話で、お馴染みの曲も知らない曲も楽しく聴けるコンサート。お子さんはもちろん、大人の方にもおすすめです。

※公演日をクリックしたページに公演詳細情報を掲載。1回券をリンク先のページよりご購入いただけます。

4公演とも11:00開演 司会:坪井直樹(テレビ朝日アナウンサー)

*こども定期演奏会ネット
こどもピアニスト、こども奏者、チラシの絵、テーマ曲の応募方法についてご覧いただけます。これまでの公演動画やプログラムノートも紹介しています。

*佐治敬三ジュニア・プログラムシート ご招待対象公演
第72回12月15日公演
募集期間:2019年10月16日(水)~11月25日(月)

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  • 【動画】4月指揮者:角田鋼亮

  • 7月指揮者:沼尻竜典

    7月指揮者:沼尻竜典

  • 9月指揮者:下野竜也

    9月指揮者:下野竜也

  • 12月指揮者:飯森範親

    12月指揮者:飯森範親

12月15日(日)  第72回「リズム」
指揮者・飯森範親、ソリスト・伊藤文嗣インタビュー

こども奏者がオーケストラと共演/アコースティックな音の経験を楽しんで

山田治生(音楽評論家)

12月15日の第72回こども定期演奏会を指揮する、東京交響楽団正指揮者の飯森範親さんと、当日のピアソラ『リベルタンゴ』の独奏を務める、東京交響楽団首席チェロ奏者の伊藤文嗣さんにお話を聞きました。飯森さんは、「こども定期」には5度目の登場。この数年、こども奏者が出演する演奏会を指揮しています。

  • 指揮:飯森範親

    指揮:飯森範親

    ©山岸伸

「音楽レシピ~音楽は何でできている?」の4回目の12月は、テーマが「リズム」となっていますが、今回はどのように曲を決められましたか?

飯森:
ワルツ、マーチ、ボレロ、タンゴ、そしてロシアの踊り、というようにそれぞれの国の特徴的な拍子からくるリズムの面白さを体験していただこうということでこのように選曲しました。聴いていると楽しいと思いますよ。
ラコッツィ行進曲』って、重々しく振る指揮者の方も多いのですが、僕はマーチのようなテンポで、最後も華やかに終わります。スネア(小太鼓)に出てくる特徴的な軍隊マーチのリズムも聴いていただければと思います。ワシントン・ポスト』は有名なマーチですから、聴くままに楽しめると思います。
(くるみ割り人形の)『トレパーク』は次第に熱を帯びていくタンバリンの面白さをみなさんにお届けできればいいなと思います。
リベルタンゴ』は文字通りの自由なタンゴ。「タタタ・タタタ・タタ」という4拍子になっていて、このイレギュラーなリズムは最初は何となく居心地が悪いのですが、ハマってくると興奮します。
美しく青きドナウ』はウィンナ・ワルツ。2拍目が正確なリズムよりも少し早めにきて、3拍目が同時かちょっと後ろになる。ステップと女性のスカートの動きのために2拍目を早めにするのでしょう。単なる「1、2、3、 1、2、3」ではない音楽を聴いてほしいと思います。

最後はラヴェルの『ボレロ』ですね。

飯森:
ボレロ』は、同じリズムが169回続きます。小学校4年生のときに聴いて、同じリズムがずっと15分間続いて、フルートが始める有名なAのテーマとそれに応えるもう一つのBのテーマが繰り返し出てくるだけなのに、何でこんなに感動するのかなと思いました。オーマンディ(指揮)とフィラデルフィア管弦楽団のレコードでした。最初はお経(!?)みたいだと思いましたが、トロンボーンのソロが終わって、第1ヴァイオリンがテーマを弾いて、楽器がふえて、音量もまして、子ども心に興奮したんでしょうね。僕は、この曲を指揮したいと思って、指揮者になりました。
『ボレロ』は何十回指揮しても納得できる演奏はそんなにないんですよ。管楽器のソロが緊張でうまくいかなかったり、スネアの緊張感がふっと切れてテンポが歪んでしまったり…。『ボレロ』を指揮するときは、テンポが絶対に遅くならないように、むしろ終わりに向かって微妙にテンポをあげるというほどではないですが、コントロールします。そして、ソロを吹いた人に「ああ終わった」と思わせないことが大切です。次の人にちゃんと受け渡す意識をもってもらわないと興奮がつながりません。特に、音の上下の幅(音域)の広いBのテーマは演奏が難しいのですが、最後に長く伸ばす音があって、そこで減衰しないで興奮をつなげていくという意識を、指揮者は常に発しなければいけません。

  • チェロ:伊藤文嗣

    チェロ:伊藤文嗣

伊藤さんは、ピアソラの『リベルタンゴ』で独奏を務められますね。

伊藤:
僕は、チェリストのヨーヨー・マの演奏をCMで聴いて、この曲を知った世代です。カッコいいなと思って、リベルタンゴ』の入ったアルバムを買って、ピアソラやバンドネオンを知り、興味があるジャンルとして自分の中に入ってきました。僕は今までに『リベルタンゴ』を、ピアノ・トリオ版、ピアノ伴奏版、あるいは、バンドネオン奏者の小松亮太さんのバンドで弾いてきましたが、今回、オーケストラとの共演がどんなアレンジになるのか楽しみです。ピアソラでは、エッジのきいたリズムが大事です。

『こども定期演奏会』に、飯森さんは今回で5回目、伊藤さんは東京交響楽団のメンバーとして何度も出演されていますが、どういうことを心がけておられますか?

飯森:
僕の息子は、上の子が中学一年生で、吹奏楽でホルンを吹いていて、下の子は5歳でピアノを弾いたりしていますが、来場されるお子さんたちがうちの息子たちとダブりますね。ですから、どういう風に興味を持ってもらうのかとか、どういう演奏をすると入ってきてくれるのかとかは、何となくわかるような気がします。親心的な意識で取り組んでしまうところはあります。

伊藤:
フレッシュに演奏することがとても大事だと思います。オーケストラが疲れた感じでは子どもは乗ってきません。

  • こども奏者と共演(2018年12月1日)

    こども奏者と共演(2018年12月1日)

今年も、こども奏者との共演(ヨハン・シュトラウスⅡ世:ワルツ『美しく青きドナウ』)が楽しみですね。

飯森:
ウィンナ・ワルツの3拍子のリズムを、子どもたちがどのくらいできるのかが楽しみです。この3拍子は、ウィーン人でも難しいということですが、僕にとってもどこまで再現できるか挑戦です。小学生、中学生にとって、プロの演奏家の隣で演奏する体験ができるチャンスはそうないし、僕自身にも子どもたちと共演して驚きや感動があるので、このような機会を大切にしていきたいと思っています。オーケストラとの練習が2日間あり、その前にパートごとでレッスンがあるのも、素晴らしいですね。

伊藤:
彼らにとって、プロのオーケストラと一緒に弾くのは初めてで、センセーショナルな体験になると思うので、それをサポートしたいですね。いつものエネルギーを出して、プロのエネルギーがどれくらい凄いかをリアルに体験してもらいたいです。そのためにもいつも通り一所懸命にやるだけです。彼らはみんなよく練習してくるし、本番もばっちり決めるので、何も心配していません。『こども定期演奏会』がきっかけで、オーケストラをやってみたいと思ってくれたらいいな。東京交響楽団には、かつてこども奏者だった、ヴァイオリンの河裾あずささんがいます。

今年から『こども定期演奏会』が土曜日から日曜日に移りましたが、お二人は小・中学生時代、どのように日曜日を過ごしていましたか?

飯森:
日曜日は、家族で麻雀をしてましたね(笑)。父が、麻雀が好きで、やらされていました。僕は、4歳で始めて、中学2年生で終わりました。父に麻雀で鍛えられて、暗記物が得意になりました。今、楽譜を覚えられるのも、麻雀で鍛えられたからだと思います(笑)。
中学・高校生の頃は、外来オーケストラの演奏会にも行きました。そういえば、小学校5年と6年のあいだの春休みに、初めて自分のお小遣いで買ったスコアが『春の祭典』でした。

伊藤:
僕は、5歳でチェロとピアノを始めて、10歳から藤沢ジュニア・オーケストラに入って、日曜日の午前中はオーケストラの練習に行っていました。藤沢ジュニア・オーケストラには高校2年生まで在籍し、それがきっかけでオーケストラは好きになりました。中学生からはゲーム音楽にハマって、耳コピーでスコアを書いたりするようにもなりましたね。中学3年間は逗子開成中学のブラスバンドでバス・トロンボーンを吹いていました。コンクールを受けるようなクラブだったので、基礎練習が厳しく、チェロはあまり弾かなかったですね。

  • 2018年12月1日公演より

    2018年12月1日公演より

最後に、『こども定期演奏会』を聴きに来ようと思っているみなさんにメッセージをお願いします。

飯森:
今回はすべて、僕が小・中学生のとき、好きだった曲が並んでいます(ピアソラだけはそのときまだ聴いていませんでしたが)。ですから、小・中学生のみなさんにそこから何かを感じてもらえると思います。是非、積極的に曲にのめり込んで聴いて、僕がその音楽で何を伝えようとしているのかを考えてもらえればうれしいです。ただ聴くだけではなく、能動的に聴いてほしいですね。

伊藤:
最近は、音楽をテレビかスマートフォンでしか聴かない子が多いと思うので、電気を通さない、アコースティックな音の経験で、何かを感じてほしい。たぶん、初めての経験でしょうから、それを楽しんでもらいたいですね。

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