<バークレイズ証券株式会社 特別協賛>

東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」 2019年シーズン
「音楽レシピ~音楽は何でできている?」

PDFファイル(2.39MB)

日本で初めての子どものためのオーケストラ定期演奏会、2019年は4月・7月・9月・12月の日曜日に計4回開催します。
テーマは「音楽レシピ」。音楽がどんな要素で出来上がっているのか、その謎を解き明かします。
フル編成のオーケストラ演奏とわかりやすいお話で、お馴染みの曲も知らない曲も楽しく聴けるコンサート。お子さんはもちろん、大人の方にもおすすめです。

※公演日をクリックしたページに公演詳細情報を掲載。年間会員券(2018年11月26日会員先行発売、12月3日一般発売)、1回券(2019年1月29日会員先行発売、2月5日一般発売)ともリンク先のページよりご購入いただけます。

4公演とも11:00開演 司会:坪井直樹(テレビ朝日アナウンサー)

*こども定期演奏会ネット
こどもピアニスト、こども奏者、チラシの絵、テーマ曲の応募方法についてご覧いただけます。これまでの公演動画やプログラムノートも紹介しています。

PDFファイル(2.39MB)

  • 【動画】4月指揮者:角田鋼亮

  • 7月指揮者:沼尻竜典

    7月指揮者:沼尻竜典

  • 9月指揮者:下野竜也

    9月指揮者:下野竜也

  • 12月指揮者:飯森範親

    12月指揮者:飯森範親

4月14日(日)  第69回「ハーモニー」
指揮者・角田鋼亮インタビュー

音楽の色、メロディ、調和など、心をとらえる力をもつ「ハーモニー」

山田治生(音楽評論家)

こども定期演奏会2019年のテーマは「音楽レシピ」。
初回の4月公演「ハーモニー」を担当する指揮者・角田鋼亮さんにお話を聞きました。

2019年度のこども定期演奏会は「音楽レシピ~音楽は何でできている?」ということですが、今回のテーマはハーモニーですね。

「ハーモニー」というテーマを担当することになり、うれしく思いました。というのも、私は、大学の論文で「トリスタン和音」について書いたくらい、ずっと和音に取り憑かれてきましたから。ハーモニーにはいろんな意味があり、調和、和音、色合い、緊張、解放、刺激など、心をとらえる力を持っていると思います。メロディもハーモニーから成り立つ部分があります。

今回はどのように曲を選びましたか?

できるだけ幅広い時代の音楽を選んでプログラムを組みました。バロック、古典派、ロマン派、フランス近代などのハーモニーを紹介したいと思います。

まずは、ヴィヴァルディの『四季』から「春」ですね。

ヴィヴァルディの時代の音楽には、気持ち良いと感じる和音の順番がありました。そのあたりを聴いていただきたいと思っています。『四季』の「春」は、音楽の教科書に載っているような曲ですので、誰もがスッとコンサートに入っていってもらえると思います。ソネットという詩のようなものに音楽がつけられています。描写音楽ですよね。今回はヴァイオリニスト、千住真理子さんと共演します。国内外で幅広く活躍されている千住さんとご一緒するのがとても楽しみです。

次はモーツァルトの交響曲第1番の第1楽章。モーツァルトが8歳の頃に書いた交響曲とききました。

和音には規則がありますが、みんながみんな従ってばかりではワンパターンになってしまうので、モーツァルトは良い意味で規則を裏切ったりしました。交響曲第1番の和音にもそういう要素があるので、それを味わってもらえればと思います。

続いてブラームスの交響曲第1番の第1楽章ですね。

ロマン派になると、人の心を動かすようなドラマティックな和音、たとえば減七の和音、がよく使われるようになりました。どういう風に作曲家が人の心をとらえようとしたのか聴いていただくため、ブラームスの交響曲第1番の第1楽章を取り上げることにしました。特に出だしの部分にインパクトがあるので、それを味わっていただこうと思います。私自身、小学校の高学年の頃、最初に聴いたときの衝撃が凄かったのです。ティンパニなどのドの音が続いて、そこから世界が広がっていくようで、つばを飲み込むような迫力を感じました。今回、初めて聴く人も多いと思いますが、最初にどう感じたかを大事にしてほしいですね。

  • 「こども定期演奏会」2016年9月
    ヴァイオリン:千住真理子 司会:坪井直樹

そして、マスネの『タイスの瞑想曲』とドビュッシー(ビュセール編曲)の交響組曲『春』、とフランス音楽が続きます。

フランスの作曲家は和音の使い方がおしゃれですよね。和音のつながりだけでなく、和音単体でも色があるというか。和音の土台の音を抜いて、ふわっとした感じを出したり、感情の微妙なうつろいなどを表現できるようになります。ヴァイオリン小品として有名な『タイスの瞑想曲』はオペラ『タイス』の中の音楽です。千住真理子さんの独奏でお楽しみください。ドビュッシーの『春』は、ボッティチェッリの絵画にインスパイアされて作られました。まぶしいばかりの光を感じるような和音を聴いていただきたいと思います。

最後は、リムスキー=コルサコフの交響組曲『シェエラザード』から第1楽章「海とシンドバッドの船」ですね。

彼は色聴感覚のあった作曲家のようで、たとえば、ハ長調なら白とか、和音に色のイメージがあったのです。『シェエラザード』では海の色合いを和音でどう表現したのか聴いていただきたいですね。またこの作品はアラビアに伝わる『千夜一夜物語』に基づいています。
私には音楽を音楽だけで聴いてもらいたくないという気持ちがあって、今回は、詩、オペラ、絵画、物語、など音楽以外の部分と結びついている作品を選びました。音楽を窓口にしていろいろなことを知るのが大切です。そうすると生き方が豊かになるでしょう。音楽だけに留まらない。私は、音楽は最終目標ではなく、音楽がスタートだと考えています。

子どものためのコンサートはどうあるべきだと思いますか?

私は、ポリシーとして、押し付けないことが大事だと思っています。手引きやヒントは与えますが、コンサートが、私の言ったことへの答え合わせの場になってほしくありません。自由に想像してもらうことが大事だと思います。
ここ3,4年で、小学生向けのコンサートを指揮する機会が多く、彼らの素直な反応に感動と刺激を受けています。まさに今一番やり甲斐を感じている仕事です。

東京交響楽団との初めての共演はいつでしたか?現在はどのような印象をお持ちでしょうか?

2013年2月に、モーツァルトの交響曲第40番やヴァイオリン協奏曲第5番を演奏しました。こんなにモーツァルトを躍動感もってしかも立体的に演奏できるオーケストラに感銘を受けました。 東京交響楽団は色彩豊かなオーケストラですね。指揮者の振り幅が1ミリ変わるだけで音色の替わるオーケストラだと思います。

サントリーホールについてはいかがですか?

サントリーホールは全ての音楽家にとって聖地のようなところで、そこの指揮台に立てるのは望外の喜びです。身の引き締まる思いがします。自分自身、大学生のとき、毎日のようにオーケストラの定期演奏会を聴きにサントリーホールに通いました。舞台の袖の方に自分の好きなシートがあり、そこは、指揮者の振り方だけでなく、オーケストラやお客さんの様子がよくわかるのです。

それでは、角田さんがどのように指揮者になられたのか、教えていただけますか?

私は名古屋で生まれましたが、すぐに東京に引っ越し、小学2年生まで荻窪に住んでいました。母がピアノを教えていたのでその影響で、3歳でピアノを始めました。音楽教室に通い、小学生になって、作曲も始めました。8歳でまた名古屋に引っ越しました。
中学・高校(東海中学校・高校)でオーケストラ部があったので、中学1、2年はオーボエを吹いていました。このオーケストラ部では、定期演奏会を生徒が指揮することになっていたので、中学3年生から高校2年生まで、3年間、私が学生指揮者を務めました。中学3年生の頃には、音楽に関係のある仕事がしたい、指揮者になりたいと思うようになりました。そして、東京藝術大学に入り、佐藤功太郎先生、松尾葉子先生に学びました。藝大卒業後、ベルリン音楽大学に留学しました。初めてプロのオーケストラを指揮したのは23歳で群馬交響楽団の音楽鑑賞教室でした。一般のコンサートでは、25歳のとき、セントラル愛知交響楽団との共演が最初でした。

こども定期演奏会を聴きに来る聴衆の中にも指揮者になりたいと思っている子どもたちがいます。指揮者になるにはどのようなことが必要ですか?

手を動かすことよりも、まず、視野を広げることが大事です。政治、歴史、文学、演劇、スポーツなどにも興味を持つことで、それが指揮につながります。次に人と人との関わり、コミュニケーションが大事です。何より人に興味を持つことですね。

今後、どのような指揮活動をしていきたいですか?

シンフォニーとオペラの両方で活躍していきたいですね。そして、クラシック音楽にまだご縁のない方々にクラシック音楽の魅力を伝えていきたいです。お話付きのコンサートで、演奏の質の高さはもちろんですが、見せ方やプログラムにも工夫して、多くの人々をクラシックの音楽の魅力に引き込みたいです。

最後にこども定期のお客様へメッセージをお願いいたします。

今回は、『ハーモニー』をテーマにお届けします。ハーモニーは、音楽の色、音楽の機能、メロディ、感情、緊張、人の心をとらえる力となります。その魅力を届けられるように演奏したいと思いますので、ぜひ聴きにいらしてください。

Page Top