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東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」
2017年シーズン 楽器ア・ラ・カルト

日本で初めての子どものためのオーケストラ定期演奏会、2017年のテーマは「楽器ア・ラ・カルト」。
弦楽器、ピアノ、オルガン、管楽器を取り上げ、毎回異なる指揮者とソリストが登場します。

※公演日をクリックしたページに公演詳細情報を掲載。年間会員券、1回券ともご購入いただけます。【年間会員券は終了しました】

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    【動画】2018年3月指揮者・飯森範親

12月16日(土) 第63回「クリスマス・パーティー」
指揮・川瀬賢太郎インタビュー

こども定期演奏会で「僕たちと一緒に感じてみよう」

山田治生(音楽評論家)

川瀬賢太郎さんは、最も若い世代の指揮者の一人である。
2014年に29歳で神奈川フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に就任し、斬新なプログラムとともに、音楽ファンの注目を集めている。

*12月16日(土)公演情報詳細、チケット購入はこちら

川瀬賢太郎

© Yoshinori Kurosawa

  • 今回の「こども定期演奏会」の選曲はどのようにされましたか?

    僕が振るのが12月ということで、まず、「クリスマス・フェスティバル」が決まりました。そのほか、リゲティの曲などいろいろなアイデアが浮かびましたが、アイヴスの交響曲第2番に落ち着きました。クラシックのファンは知っているかもしれないけど、子どもたちにとっては、学校で習わない、「誰やねん、それ?」という作曲家を入れておきたかったのです。アイヴスの交響曲第2番の第5楽章は、アメリカの古い民謡が散りばめられていて、クリスマスに合っているし、楽しんでもらえる自信があったので選びました。

  • まず、フンパーディンクの歌劇「ヘンゼルとグレーテル 」序曲を演奏されますね。

    「ヘンゼルとグレーテル」序曲は、楽しい前奏曲です。曲の雰囲気が、1時間半のコンサートに入っていくときの期待感にぴったりだと思って選びました。リヒャルト・シュトラウスに通じるような素晴らしいオーケストレーション。これまでに何回か指揮したことがありますが、振るたびに良い曲だと思います。いずれはオペラ全曲をやりたいと思っています。

  • 続いて、オルガンの独奏で「ハリーポッターと賢者の石」から“ヘドウィグのテーマ”です。

    室住素子

    オルガンの室住素子さんは素晴らしい奏者。サン=サーンスの「オルガン交響曲」でも共演しているので、12月のテーマ楽器がオルガンということで、真っ先に彼女が思い浮かびました。
    「ハリーポッター」から“ヘドウィグのテーマ”をオルガンだけで演奏してもらいます。オーケストラとは違う迫力を聴いてください。“ヘドウィグのテーマ”は、オーケストラで演奏したことがあるのですが、弦楽器が難しい。オルガンでどうやるのか楽しみです。

    *室住素子(オルガン)のメッセージはこちら

    室住素子
  • そして、川瀬さんが自信を持ってお届けするアイヴスの交響曲第2番第5楽章ですね。

    アイヴスの交響曲第2番は、小学生のときに知りました。テレビでN響が演奏していて、カッコいい曲だなと思い、バーンスタイン指揮のCDを買ってもらって、それを聴いてきました。聴きどころ満載で、ずっとやりたいと思っていた作品です。神奈川フィルの常任指揮者になって、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」と並べて演奏しました(注:2015年7月定期演奏会)。アメリカで書かれたこの2つの作品は2年くらいしか違わないのですね。神奈川のお客様に喜んでいただけました。第5楽章は単独で演奏しても魅力的です。題名を知らなくても聴いたことのある民謡がいっぱい出てきて楽しいし、盛り上がってかっこいい。そして最後にライヴならではのサプライズがあります。子どもたちがどう反応するのか、とても興味があります。

  • 最後は、ルロイ・アンダーソンの「クリスマス・フェスティバル」。

    「クリスマス・フェスティバル」は、みんなが知っているクリスマス音楽をつなぎ合わせた曲です。オルガン付きは初めてなので、すごく楽しみです。

  • 川瀬さん自身のクリスマスの思い出にはどのようなものがありますか?

    幼少期

    川瀬さんご家族と(1990年12月)

    僕は12月29日が誕生日なので、子どもの頃、クリスマス・プレゼントと誕生日プレゼントとお年玉を一緒にされましたね(笑)。でも、クリスマスに家族でケーキを食べたことや、小学生のとき、家族みんなでディズニーの「ファンタジア」を見た思い出があります。

    幼少期

    川瀬さんご家族と(1990年12月)

  • 川瀬さん自身は、どのようにして音楽に親しんで、指揮者の道に進まれたのですか?

    指揮写真

    写真提供:神奈川フィルハーモニー管弦楽団

    父親がクラシック音楽大好きで、日常のなかに音楽がありました。そして幼稚園のときから指揮者になりたいと思っていました。僕が生まれる前から、親父はマーラーにハマっていて、マーラー協会に入っていました。僕が生まれたときにマーラー協会の会長の山田一雄さんから指揮棒をいただきました。でもそれは僕が幼稚園のときにチャンバラで使って、折ってしまいました(笑)。親父はよくマーラーの本を読んでいましたね。その本の一節を読み聞かせてくれたりもしました。
    幼稚園から小学校に上がる頃にピアノを始めて、小学校4年生で桐朋の子供のための音楽教室に入ってソルフェージュを習い始めました。
    指揮者にとってピアノは一生付き合う楽器ですが、指揮者はいろんな楽器ができる方がいいと思っていました。小学校4年から6年まではリコーダーが得意でしたが、ふと、中学校でもリコーダーを吹くのはダサいと思って、それに代わる楽器を探すためにカタログを見ていたら、クラリネットの吹き口がリコーダーに似ていたのでクラリネットを選んだのです。でもいざ吹いてみたら全然音が出ない(笑)。クラリネットとはそういう出会いでした。
    高校(芸術コース)にはクラリネット専攻で入りました。指揮を見てもらっていた先生に、高校2年生の春に、「本当に音楽が好きなら、音楽は趣味でやった方がいい」といわれてショックを受けました。当時は、その言葉が理解できませんでした。僕は、一番好きなことを職業にするものだと思っていましたから。
    ちょうどその頃、インバル&フランクフルト放送交響楽団のマーラーの交響曲第5番のコンサートを聴く機会があり、そのときに「自分は指揮台に立っていたい」とシンプルに思いました。それからビデオでバーンスタインのPMF(札幌の国際教育音楽祭)でのドキュメンタリーを見ていると、バーンスタインが、自分が音楽家になれるか疑問を抱いた人は音楽家にはなれない、音楽が好きで音楽をしている人が音楽家になるというようなことを言っていたので、僕は音楽が好きだから音楽家になろうと思いました。
    それで東京音楽大学の講習会に行き、汐澤安彦先生に見ていただきました。

    指揮写真

    写真提供:神奈川フィルハーモニー管弦楽団

  • 東京音楽大学では広上淳一さんに師事されましたね。

    2003年に東京音大に入学しました。ラッキーなことにちょうど広上先生が教授に就任した年で、そのとき先生は育児のため演奏活動を減らしておられて、毎週のようにレッスンを受けることができました。当時、生徒は少なく、全部で3、4人しかいなくて、とても厳しく見ていただきました。

  • 大学在学中の2006年に、東京国際音楽コンクールで最高位(第1位なしの第2位)に入賞されましたね。プロの指揮者としてやっていけると思った出来事は何でしょうか?

    コンクールで東京フィルを指揮したのですが、そのとき初めてプロのオーケストラを指揮しました。審査員の評価は真っ二つに分かれたときいています。
    広上先生の4年間のレッスンは、指揮者は社会に出たら独りぼっちですから、音楽だけでなく、どう考えて生きていくかがメインでした。人の気持ちを考え、自分自身をよく知ることが大切だと教わりました。人の性格は簡単には直りません。でも、自分の悪いところを知っていると、気を付けようという心が働きます。大学時代のレッスンによって、常に自分で考え、判断して、設計する癖を付けてきたし、それをデビューしてからも実践することができました。
    デビューして最初の3年間、PMFでアシスタント指揮者をさせてもらったことも大きな経験でした。そこで世界中の若い音楽家たちや大マエストロたちと出会うことができました。

  • 東京交響楽団についてはいかがですか。

    東京交響楽団は、コンクール受賞記念公演後、初めて指揮をしたオーケストラで、デビュー以来たびたびご一緒してきました。交響曲、オペラ、子どものためのコンサートなど、いろいろとご一緒してきましたが、東京交響楽団の一つの大切な柱である「こども定期演奏会」を今回指揮する機会をいただき、大変光栄に思っていますし、今から大変、楽しみです。

  • 子どものためのコンサートを指揮するときに、心掛けていることは何でしょうか。

    子どもたちは大人のような対応ができないので、つまらないものにはつまらない、楽しいものには楽しいという、一番厳しいお客さんといえます。もちろん、演奏は本気でないといけません。企画も生半可ではダメ。
    たとえば、指揮者の指揮棒が下りるまで拍手をしてはいけないとただ教えるのではなく、音が静寂から生まれて静寂に帰っていくという意味では、音楽のスタートは0が1になる瞬間ですから、その0が楽しめますか、というと、子どもたちもその静寂を楽しもうとすると思うのです。こうしなさいというのではなく、「僕たちと一緒に感じてみよう」という風に子どもたちにしゃべるように心がけています。
    12月の「こども定期演奏会」でも、会場の皆さんと一緒に僕たちも楽しみたいと思います。

12月16日のこども定期演奏会「クリスマス・パーティー」でいよいよオルガンが登場します。オルガニストの室住素子さんからメッセージが届きました。

【オルガニストからのメッセージ】

室住素子

室住素子

皆さん、こんにちは。
サントリーホールのオルガンは、手で弾く鍵盤が4段、椅子の下には足で弾く鍵盤もあり、音色は74もある*、とても立派なオルガンです。「クリスマス・パーティー」では、私はこの楽器で2曲演奏します。

1曲目は独奏で、映画『ハリー・ポッターと賢者の石』から「ヘドウィグのテーマ」です。もともとはオーケストラのための曲ですが、オルガン用に編曲してみました。というのも、オルガンにはフルート、オーボエ、トランペットなど管楽器の名の音色や、ガンバやヴィオラという弦楽器の名の音色があり、また、足で弾く鍵盤もあるので、一人で多くのメロディーをオーケストラのように弾けるのです。事前に使う音色をオルガンにいろいろと記憶させておき、演奏中に変えていくので、オルガンの小さな音から最大の音まで、どうぞ楽しんでくださいね。フクロウのヘドウィグが、バサバサと宙を舞うような感じが演奏に出たら、嬉しいです。

室住素子

オルガン演奏台

2曲目は、アンダーソンの「クリスマス・フェスティバル」を、オーケストラと一緒に演奏します。オーケストラは「ジングルベル」や「きよしこの夜」などクリスマスの曲をメドレーで演奏していき、最後のクライマックスでオルガンが加わります。私は、指揮者に背中を向けて座っていますが、オルガンに付いている鏡やモニターで指揮者を見ています。ただオルガンは離れた所にあるので、オーケストラにぴったり合わせるには、鍵盤を少し早押ししなくてはならないのが、オルガン演奏の難しくて面白いところです。

皆さん、どうぞ聴きにいらして、クリスマス・パーティーを楽しんでくださいね。

*音色を変える74のストップ(レバー)を組み合わせて、オルガニストはさまざまな音楽をつくっていきます(編集部注)

*サントリーホールのオルガンについて詳細はこちら

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