サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン
アンサンブル・ラロ 結成15周年のピアノ四重奏

ダイアナ・ケトラー(ピアノ)が語る「ラトヴィアの音楽」

  • ダイアナ・ケトラー(アンサンブル・ラロのピアニスト)

    ©Serban MESTECANEANU

――6月15日にヴァスクス作曲のピアノ四重奏曲を演奏されます。ダイアナさんと同じラトヴィア出身の作曲家ヴァスクス氏とはお知り合いだそうですが、彼についてお聞かせください。
ペトリス・ヴァスクスは、学生時代からの私の音楽仲間であり、師でもあり、ラトヴィアのクラシック音楽界でもっとも重要な人物です。彼の助言は非常に貴重なもので、作曲家と共に作品に関わることがどんなに素晴らしいことかも教わりました。ペトリスは思いやり深い人間であり、汎神論者です。いたるところに、自然、人々、小さな生き物それぞれの中に、美と精神性を認めるのです。彼の音楽が日本人の聴衆の心にまで届くのは、そのためであり、ヴァスクスの作品の精神的側面が、ある点では、日本の伝統的な文化における生きとし生けるものへの深い畏敬の念と、どこか通ずるものがあると思います。

――ヴァスクス氏のピアノ四重奏曲は、アンサンブル・ラロのCDアルバムに収められていますが、この曲の聴きどころを教えてください。また、ご自身はこの作品についてどう思われますか?

  • アンサンブル・ラロ

    ©Ai HIRANO

このピアノ四重奏曲は、非常に激しい感情と対比の作品で、静かな瞑想から絶望と痛みを通り抜け、最終的には変貌を遂げます。このような曲の構成は20世紀の多くの作品に特有のもので(最も良い例はおそらく、ショスターコーヴィチとシュニトケの代表作です)、前世紀のヨーロッパの悲劇的な歴史と、深刻な危機の時代に個人の人間性を維持する方法を見出だすことに端を発するものです。

――日本では、ラトヴィアについて知る機会があまりありません。ラトヴィアの人々と文化の特徴をお聞かせください。
ラトヴィアはバルト海沿岸の小さな国です。松の木の森、湖、自然のままの砂浜など、ヨーロッパの中で最も生態系が保たれているところがあります。ラトヴィア人はとても音楽的で、国民はわずか200万人ですが、ダイナスと呼ばれる217,996曲の民族音楽が国宝として記録されています。ラトヴィア人は皆、合唱団で歌っているか、家族の誰かが合唱団に入っています。自然を愛し太陽を崇拝する伝統は、リーゴと呼ばれる1年で最も重要な夏至祭で保たれています。
クラシック音楽の伝統もまた素晴らしく、この小さな国から世界的に有名な多くの音楽家が輩出されています。ほんの少し、例を挙げますと、ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)、マリス・ヤンソンス(指揮)、アンドリス・ネルソンス(指揮)、ミッシャ・マイスキー(チェロ)、フィリップ・ヒルシュホルン(ヴァイオリン)などです。

◆アンサンブル・ラロ メンバーのメッセージ

  • ベルンハルト・直樹・ヘーデンボルク(チェロ)

  • アレクサンダー・シトコヴェツキー(ヴァイオリン)

  • ラズヴァン・ポポヴィッチ(ヴィオラ)

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