ニュースリリース

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  • No.SBF1204(2022/1/28)

ペットボトルは資源として何度も循環できることを伝える
新たなロゴマークを国内ペットボトル全商品へ順次展開
国内では今年、2本に1本が「100%サステナブルボトル」へ

― 日本で培ったサステナブル化技術の海外展開も加速 ―

 サントリー食品インターナショナル(株)は、2030年のサントリーグループ目標“リサイクル素材あるいは植物由来素材のみを使用し、化石由来原料の新規使用をゼロにする”という「ペットボトルの100%サステナブル化」実現へ向け、今年、国内では2本に1本が「100%サステナブルボトル※1」になることを目指します。
 そして新たに、ペットボトルは資源として何度も循環できることを伝える新ロゴマーク『ボトルは資源!サステナブルボトルへ』を国内ペットボトル全商品※2へ3月以降順次展開し、啓発活動など消費者の皆様とのコミュニケーションを強化します。
 さらに、日本で培ったペットボトルのサステナブル化技術を、海外現地グループ会社と協働して展開することで、サントリーの「ペットボトルの100%サステナブル化」を一段とグローバルで加速させます。 

※1 リサイクル素材あるいは植物由来素材のみを使用したペットボトル

※2 ラベルレス商品を除く

■サントリーグループの目標
サントリーグループは、2012年に国内清涼飲料業界で初めてリサイクル素材100%のペットボトルを導入※3したことを皮切りに、従来よりもCO2排出量を低減する世界初の「FtoPダイレクトリサイクル技術」を開発※4するなど、長年にわたって技術革新を進め、積極的に「ボトルtoボトル」水平リサイクル※5を実用化・推進してきました。
2019年に策定した「プラスチック基本方針」では、“2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルに、リサイクル素材あるいは植物由来素材のみを使用することで、化石由来原料の新規使用をゼロにする”という「ペットボトルの100%サステナブル化」の目標を掲げています。

※3 メカニカルリサイクルとして

※4 協栄産業(株)など4社で共同開発

※5 使用済み製品を原料として用いて同一種類の製品につくりかえるリサイクルのこと 

■日本国内における取り組み
〈2021年 100%サステナブルボトルの使用実績〉
2021年の国内清涼飲料事業における当社全ペットボトル重量のうち37%で100%サステナブルボトルを使用しました。「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」650ml・600mlでは全数量、サントリー緑茶「伊右衛門」ブランドや「クラフトボス」シリーズの6割以上が100%サステナブルボトルになりました。また、料飲店様向けリターナブル瓶製品を100%サステナブルボトルに切り替えました。

〈技術開発実績〉
ペットボトルのサステナブル化にかかる技術としては、分別時に剥がしやすく、糊残りが少ないラベル用の「新規糊」をトーヨーケム(株)と共同開発しました。「分別時に簡単・きれいにラベルを剥がせるようにしてほしい」というお客様の声を実現し、かつ、使用済みペットボトルを洗浄する際の品質向上が期待され「ボトルtoボトル」水平リサイクルに寄与するものです。
昨年12月には、米アネロテック社と共同開発を続けていた植物由来原料100%ペットボトルの開発に成功、フードチェーンに影響を与えないバイオペットボトルの実用化へ向けて前進しました(ニュースリリースNo.14037参照)。
なお、使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組む共同出資会社(株)アールプラスジャパン(ニュースリリースNo.13722参照)は、1月時点で参画企業が32社まで拡大しています。

〈ステークホルダーとの連携実績〉
「ボトルtoボトル」水平リサイクルの推進に向けて、当社工場周辺を中心とした自治体や早稲田大学などと連携し、ペットボトルの回収や分別啓発を実施してきました。早稲田大学とは、2020年より学内で排出される使用済みペットボトルの分別回収を実施しており、昨年は「資源循環型社会の実現に関する協定書」を締結し、啓発活動や共同研究を実施しています(ニュースリリースNo.SBF1131参照)。早稲田大学や附属高校だけでなく、私立青稜中学校や東京都港区立の小学校とも協力し、啓発プログラムを開発・実施しました(ニュースリリースNo.SBF1172参照)。

〈2022年 100%サステナブルボトルの使用計画〉
今年の国内清涼飲料事業における当社全ペットボトル重量のうち50%以上でサステナブル素材を使用し、当社のペットボトルの2本に1本を100%サステナブルボトルとする計画です。今年はラベルレス商品において、全数量を100%サステナブルボトルにした商品も発売します。今後も引き続き、多様なペットボトル商品を100%サステナブルボトルにしていきます。

〈新たな取り組み計画〉
今年3月以降、当社ペットボトル全商品のラベルに『ボトルは資源!サステナブルボトルへ』という新たなロゴマークを順次展開します。このロゴマークは、ペットボトルはゴミではなく、適切な分別・回収により何度も循環できる「資源」であるということをより多くのお客様へお伝えするとともに、ペットボトルの100%サステナブル化を通して、循環型で持続可能な社会の実現に貢献していくという当社の決意が込められています。また、ロゴマークの他にも、消費者の皆様に向けた情報発信を強化していきます。

■海外グループ会社における取り組み
▽欧州(SBFE)でのこれまでの取り組みと計画
イギリス、フランス、スペインを中心としたSuntory Beverage and Food Europe(以下SBFE)においても、2030年ペットボトルの100%サステナブル化に向けて、活動を進めています。
イギリスですでに100%サステナブルボトルを導入している「Ribena」につづき、2021年にはフランスで「MAY TEA」及び「Pulco」に100%サステナブルボトルを導入しました。
2022年には、イギリス及びアイルランドで「Lucozade Sport」に100%サステナブルボトルを導入し、ラベル面積も半減します。 

「ボトルtoボトル」水平リサイクル促進のほかにも、2021年には、「Ribena」においてボトル全体を覆うシュリンクラベルから、巻き付けて糊で接着するロールラベルへ変更しています。プラスチック製のラベル面積を減らすことができ、リサイクルしやすくなるロールラベルへの移行は、日本において積極的に進めてきた環境負荷低減策のひとつで、日本の技術支援チームとの連携により実現したものです。

また、SBFEはフランスの再生プラスチックベンチャー企業であるカルビオス社とのコンソーシアムに参画しています。このコンソーシアムにおいて、昨年6月、世界で初めて酵素技術でケミカルリサイクルした食品容器として使用できる品質のペットボトル開発に成功※6し、SBFEの「オランジーナ」で試作品を作成しました。試作品ボトルの作りやすさや安全面の検証など、カルビオス社では実施できない分野の支援を日本の技術チームが行いました。
カルビオス社は、2021年9月に最初のデモプラントを開設し、2025年の商業化プラント稼働を目指しています。この技術は、ポリエチレンテレフタラート(以下:PET)のみに働く特別な酵素によって元の材料にまで分解し、再び使用可能なペットボトル原料にする画期的な技術です。分別が不十分であったり、欧州に多い色付きのペットボトルもヴァージンPETレベルまで再生できることが期待され、SBFEの100%サステナブル化に向けた重要なマイルストーンとなります。 

※6 当社調べ

▽カルビオス社について
カルビオス社は2011年にフランスで創業した、再生プラスチックベンチャー企業です。ケミカルリサイクルにおいて酵素を活用するという独自のアプローチにより、廃プラスチック問題解決に取り組んでいます。2021年の世界経済フォーラムにおいて、「テクノロジー・パイオニア」に選出されました。
カルビオス社とロレアル社が2017年に立ち上げたコンソーシアムに、当社からはSBFEが2019年より参画しています。 

▽アジア(SBFAPAC)でのこれまでの取り組みと計画
ベトナム、タイ、インドネシアを中心としたSuntory Beverage and Food Asia Pacific(以下SBFAPAC)においては、再生プラスチックを食品に使用することが禁じられている国や、使用済みプラスチック回収のためのインフラの整備が必要であったりと、100%サステナブル化に向けた障壁が多く残っています。
そこで、まずは日本で長年にわたり培ったリデュース(使う量を減らす)に関わる技術展開を積極的に行ってきました。2015年時点では20gを超える重さのペットボトルを各国で使用していましたが、2020年には耐熱ペットボトルとして世界最軽量※7の15gペットボトルをSBFA共通規格として、まずはタイで導入しました。そして今年はベトナムでの導入を予定しており、インドネシアにおいても今後導入を検討していきます。

※7 320ml、450mlサイズのボトルにおいて(当社調べ)

リデュースの次のステージとしてリサイクルにおいても活動を強化しており、ベトナムでは今年中に当社アジア地域として初の100%サステナブルボトルを導入予定です。
また、2021年7月には、海岸クリーンアップ活動に参加するため、海洋自然保護団体「Ocean Conservancy」とパートナーシップを締結するなど、エリアに根差した活動を行っています。

さらに、サントリーグループが2018年に世界で初めて開発した「FtoPダイレクトリサイクル技術」の海外展開も検討を進めています。日本とは異なる状態の使用済みペットボトルでも、食品容器に使用できる品質のペットボトルに再生できるよう「FtoPダイレクトリサイクル技術」を応用し、2024年の稼働を目途に開発を行っていきます。

 当社は、持続可能な社会の実現のため、今年もペットボトルのサステナブル化のリーディングカンパニーとして業界を牽引し、取り組みを強化していきます。

当社の環境に配慮した包材開発の主な取り組み、および関連するサントリーグループの受賞歴等について

2010年11月 再生PET樹脂60%使用、国産最薄18μmのロールラベル開発・導入
2011年 3月 手で小さくたためるペットボトル“P-ecot(ペコッと)ボトル”の開発・導入。13.5g(550mlペットボトル)に軽量化
2011年 5月 回収後のペットボトルからペットボトルをつくりだす技術(BtoBメカニカルリサイクルシステム)によるリサイクルペットボトル開発・導入(国内初)
2011年10月 BtoBメカニカルリサイクルによるリサイクルペットボトルの導入について「循環型社会形成推進功労者等環境大臣表彰」を受賞
2011年12月 BtoBメカニカルリサイクルによるリサイクルペットボトルの導入について「地球温暖化防止活動環境大臣表彰」を受賞
2011年12月 BtoBメカニカルリサイクルによるリサイクルペットボトルの導入について「日経地球環境技術賞 優秀賞」を受賞
2012年 3月 ホットメルト接着によるROSO方式を使った世界最薄18μmのシュリンクラベルの開発・導入(世界初)
2012年 4月 国内飲料業界初、メカニカルリサイクル再生PET樹脂100%のリサイクルペットボトル導入
2012年 5月 再生PET樹脂80%使用、国産最薄16μmのロールラベル開発・導入
2012年10月 再生PET樹脂100%の飲料用ペットボトルの導入、最薄シュリンクラベルの導入が評価され、平成24年度「循環型社会形成推進功労者等環境大臣表彰」を受賞
2012年10月 平成24年度「3R推進功労者等表彰」会長賞を受賞
2013年 2月 国産最軽量となる29.8gの2Lペットボトルを「サントリー天然水」に導入
2013年 5月 植物由来原料を30%使用した国産最軽量(11.3g)ペットボトルを「サントリー天然水」550mlに導入
2013年10月 平成25年度「3R推進功労者等表彰」農林水産大臣賞を受賞
2014年 1月 ミネラルウォーターカテゴリーを除いて国産最軽量となる31.3gの2Lペットボトルを、「伊右衛門」「サントリー ウーロン茶」などに導入
2014年 4月 再生PET樹脂80%使用、国産最薄12μmのロールラベル開発・導入
2014年10月 平成26年度「3R推進功労者等表彰」会長賞を受賞
2014年10月 平成26年度「循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰」を受賞
2014年10月 「CDP2014 Japan500」における「気候変動情報開示先進企業(CDLI)」と「気候変動パフォーマンス先進企業(CPLI)」に選定される
2015年 1月 国産最軽量となる2.04gの「ペットボトルキャップ」導入
2015年11月 CDPがサントリー食品インターナショナル(株)を「気候変動パフォーマンス先進企業」(Aリスト)に2年連続で選定
2016年 1月 世界初!飲料用ペットボトルに植物由来原料30%使用したキャップを導入
2016年 1月 植物由来原料100%使用ペットボトルの開発に向けた実証プラントを米国で建設決定
2016年 9月 飲料用ペットボトルに植物由来原料を30%使用した国産最軽量となる1.85gのキャップを導入
2016年10月 サントリー食品インターナショナル(株)が「循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰」を受賞
2016年11月 サントリー食品インターナショナル(株)が「CDPウォーター2016 Aリスト企業」に選定
2017年 8月 サントリーグループの国産商品において国際的な森林管理認証「FSC®認証」を取得した紙製包材を順次採用
2017年10月 サントリー食品インターナショナル(株)が「CDPウォーター Aリスト企業」に2年連続で選定
2017年10月 サントリーの2工場が平成29年度緑化優良工場等表彰において「関東経済産業局長賞」「日本緑化センター会長賞」を受賞
2018年 3月 飲料用PETプリフォーム製造における「FtoPダイレクトリサイクル技術」を開発(世界初)
2018年 6月 ESG投資の代表的指標「FTSE4Good Index Series」の構成銘柄に選定
2018年 6月 「SBT(Science Based Targets) イニシアチブ」の認定を取得
2018年 8月 飲料用PETプリフォーム製造における「FtoPダイレクトリサイクル技術」による製造開始
2019年 1月 「サントリー天然水 奥大山ブナの森工場」が日本で初めてAlliance for Water Stewardship(AWS)認証を取得
2019年 1月 サントリー食品インターナショナル(株)が「CDPウォーターセキュリティ Aリスト企業」に3年連続で選定
2019年 2月 世界初!飲料用ペットボトルに植物由来原料を100%使用したキャップを導入
2019年 3月 「FtoPダイレクトリサイクル技術」を用いた「FtoP製造ライン」増設を決定
2019年 5月 サントリーグループ「プラスチック基本方針」策定
2019年 7月 サントリーグループ「サステナビリティ・ビジョン」策定
2019年10月 「令和元年度 資源循環技術・システム表彰」で「FtoPダイレクトリサイクル技術」が奨励賞・コラボレーション賞を受賞
2019年11月 「Global Plastic Action Partnership」に加盟
2020年 1月 「CDP気候変動2019」において、最高評価の「気候変動Aリスト企業」に選定
2020年 2月 「CDPウォーター Aリスト企業」において、最高評価の「水セキュリティAリスト企業」に4年連続で選定
2020年 4月  世界初!飲料用ペットボトルに手剥がし性を改善しボトルに糊が残らない、キャンペーンシールの導入を開始
2020年 6月 使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組む新会社「株式会社アールプラスジャパン」設立
2020年10月 サントリーグループ「プラスチック基本方針」が「2020年度グッドデザイン賞」の「グッドデザイン・ベスト100」に選出
2020年12月 サントリー食品インターナショナル(株)が「CDP水セキュリティ」「CDP気候変動」において、最高評価の「Aリスト企業」にダブルで選定
2021年 2月 東播磨2市2町×サントリー ペットボトルの「ボトルtoボトル リサイクル事業」に関する協定を締結
2021年 4月 「やさしい麦茶」がリサイクル素材100%の「またあえるボトル」になってリニューアル!「またあえるボトル」プロジェクトで取り組み加速
2021年 5月 鹿嶋市とサントリー 持続可能な資源循環型社会の形成に向けた「ボトルtoボトル」水平リサイクルに関する協定を締結
2021年 5月 東京都稲城市とサントリー 持続可能な資源循環型社会の形成に向けた「ボトルtoボトル」水平リサイクルに関する協定を締結
2021年 5月 早稲田大学とサントリーが資源循環型社会形成に向けた取り組み開始
2021年 7月 海洋自然保護団体「Ocean Conservancy」とパートナーシップを締結
2021年 8月 剥がしやすく、ペットボトルに糊が残らないロールラベル用の糊を新規開発・導入開始
2021年12月 「CDP水セキュリティ」において、6年連続、最高評価の「Aリスト企業」に選定

※いずれも導入時点

以上

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お問い合わせ先

サントリー食品インターナショナルホームページ http://suntory.jp/sbf/

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