ニュースリリース

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  • No.SBF0768(2018/12/12)

サントリー「健康と飲料レポート2018」

― トクホ飲料は「健康行動のブースター」として定着、食事と運動との組み合わせによる生活習慣意向が高まる ―

 サントリー食品インターナショナル(株)は、特定保健用食品の清涼飲料(以下、「トクホ飲料」)に関する消費者飲用動向調査を2014年から実施しています。引き続き、2018年も調査を行いました。過去の調査との比較も合わせて、日本の健康課題解決に向けたトクホ飲料・機能性表示食品の現状と可能性についてレポートいたします。

I.トクホ飲料市場の動向
II.健康と飲料に関する生活者意識調査サマリー
III.健康と飲料に関する生活者意識調査
 III-1 トクホ飲料の飲用状況と意識
 (1)過去1年間の飲用率
 (2)トクホ飲料の日常化
 III-2 トクホ飲料飲用に伴う健康行動の変化
 (3)健康行動のブースターとしてのトクホ飲料
 (4)トクホ飲料飲用開始による健康行動の変化
 III-3 健康行動に関する意向と実践の状況
 (5)健康対策についての認識
 (6)健康行動の意向
 (7)健康行動ができない理由
 (8)健康関連サービスの利用意向
IV.おわりに

I.トクホ飲料市場の動向

2017年のトクホ飲料市場は、新商品の投入により
バリエーションが拡がり市場が拡大

 特定保健用食品(以下、トクホ)とは、健康増進法第26条第1項の許可又は同法第29条第1項の承認を受けて、食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品のことです。

 主要トクホ飲料市場(整腸ヘルスクレームの商品を除く)は、金額ベースにおいて、2017年は前年比104%と拡大傾向を記録しました。2017年には、多くのメーカーや流通のプライベートブランドからトクホ飲料に該当する新商品の発売が相次ぐ一年となりました。その結果としまして、ヘルスクレームと飲料カテゴリーの両面からトクホ飲料のバリエーションが拡がりました。お客さまへの選択肢の提示の拡大が、市場の活性化を刺激して、市場の拡大に影響を与えたのではないかと考えています。ヘルスクレーム別においては、「脂肪」が伸張しました。また、飲料カテゴリー別では、「コーラ以外の炭酸飲料」の伸張が記録されています。

 一方、2018年においては、メーカーによる新商品展開は落ち着いて推移しています。

※健康増進法とは、国民への栄養改善や健康の維持・増進をはかることを目的として厚生労働省が2000年3月に開始した「21世紀における国民健康づくり運動(略称・健康日本21)」の裏付け策として制定された法律を指します。

II.健康と飲料に関する生活者意識調査サマリー

1.トクホ飲料は気軽においしく飲める「日常の飲料」として一般化が進む
■トクホ飲料の飲用率は4割を超え、微増傾向にあります。幅広い世代で普及していますが、特に若い世代ほど飲用率が高く、20代、30代男性では飲用率が5割を超えています。
■トクホ飲料に対する意識は、「多様化」、「気軽に飲める」、「おいしくなった」と捉える人の割合が増加しており、より日常的に楽しめる飲料として、一般化が進んでいることがうかがえます。

2.トクホ飲料は健康行動のブースターとしての認識が浸透しつつある
■トクホ飲料と運動などの健康習慣を結びつけてとらえる人が多くなっています。トクホ飲料を飲み始めることで、運動など他の健康行動の実践意向が高まっている人が約60%いるなど、トクホ飲料が健康行動のブースターとして機能していることがわかりました。実際にトクホ飲料の飲用開始がきっかけとなり、運動などの健康行動を始めた人もいました。

3.運動など健康行動の実践意向は高まる機運
  専門家などによるサポートを求める傾向も
■健康のために、日常生活で健康を心がける行動が大切という認識は8割近くまで浸透しています。
■運動を取り入れて健康増進したいという意向も高まっていますが、実際に行動に移すことが出来ている人は半数を切るというのが現状です。
■健康のために何か行動をしたい意向はあるにもかかわらず実践できない理由としては、「何をしたらよいのかわからない」という声が増加しています。
■これに対して、運動や身体状態の記録や管理、専門家によるアドバイスや情報が得られるWebサービスやアプリサービスを利用してみたいという意向は 高まっています。

調査概要
調査名称:健康と飲料に関する意識調査
調査地域:全国
調査期間:2018年6月15日(金)~6月19日(火)
調査手法:インターネット調査
調査対象:20~70代の男女
 ※飲料・食品・医薬品、広告・マスコミ・調査関連に従事する人を除く
調査人数
スクリーニング調査 30,000人(男性14,805人、女性15,195人)
 ※人口構成比に合わせてウェイトバック集計
本調査 2,700人(男性1,330人、女性1,370人)
 ※人口構成比とスクリーニング出現率に合わせてウェイトバック集計

〈調査内訳〉
トクホ・機能性表示食品の飲料 ヘビーユーザー
 (トクホまたは機能性表示食品認知かつ週1回以上飲用者):900名
トクホ・機能性表示食品の飲料 ミドル~ライトユーザー
 (トクホまたは機能性表示食品認知かつ年1回以上週1回未満飲用者):900名
トクホ・機能性表示食品の飲料 ノンユーザー(1年以内非飲用者):900名

※トクホ・機能性表示食品の飲料とはトクホまたは機能性表示食品の「緑茶・麦茶飲料」「ウーロン茶・混合茶(ブレンド茶)飲料」「炭酸飲料」「スポーツドリンク」「コーヒー飲料」を指します。

※健康行動とは、調査表項目における食事、運動、睡眠等を含めた健康に関する行動を指します。

※飲用率とは、対象者のうち、1年以内にトクホ飲料を飲んだことがある人の割合を指します。

III.健康と飲料に関する生活意識調査

III-1 トクホ飲料の飲用状況と意識

トクホ飲料は幅広い世代に普及。
気軽においしく飲める「日常の飲料」として一般化が進む。

(1)過去1年間の飲用率

トクホ飲料飲用率は4割超、幅広い世代に普及。
20代、30代男性では飲用率は5割を超える

 トクホ飲料飲用率は、全体でみると43.3%と、前回調査(42.7%)から微増傾向にあります(図1)。
 性別年代別でみると、幅広い年代でトクホ飲料が普及していることがわかります。特に男女ともに若年層での飲用率が高くなっており、20代、30代男性での飲用率は5割を超えています。

 2)トクホ飲料の日常化

トクホ飲料はより気軽に、よりおいしく飲める飲料として一般化

 トクホ飲料に対する考えを聞いたところ、「以前に比べていろいろな種類から選べるようになった」という回答が最も多くなりました(35.6%)(図2)。
 次いで、「以前に比べて気軽に飲める(29.0%)」、「以前に比べておいしくなった(24.7%)」という回答が多く、それぞれ前年と比較して3.5ポイント、4ポイントの大きな増加が見られました。トクホ飲料が日常生活の中でより一般化し、気軽に飲める飲料として浸透していることがうかがえます。

III-2 トクホ飲料飲用に伴う健康行動の変化

トクホ飲料の飲用とともに、運動などの健康行動を意識。
トクホ飲料が健康行動のブースターに。

(3)健康行動のブースターとしてのトクホ飲料

トクホ飲料+運動などの健康行動が大切だと考える人が8割超。
トクホ飲料が運動などの健康行動のブースターになると考える人が約6割。

 トクホ・機能性表示食品の飲料の飲用者のうち、トクホ・機能性表示食品の飲料を習慣的に飲用している人を対象に、トクホ飲料と健康対策についての考え方を聞いたところ、「運動や食生活など他の健康行動との組み合わせが大切だと思う」と答えた人が8割を超えました(図3)。
 また「(トクホ飲料を)飲み始めることで、運動など他の健康行動もしようという気持ちになる」と答えた人も約6割(59.5%)いました。トクホ飲料を飲むという習慣が、他の健康行動へのブースターとなっていることが見て取れます。

(4)トクホ飲料飲用開始による健康行動の変化

トクホ飲料を飲み始めたことで、
健康を意識する、運動をするようになるなど実際の行動変容も。

 トクホ飲料を習慣的に飲用している人を対象に、トクホ飲料を飲み始めたことによって変化したことを聞きました(図4)。
 4人に1人が「健康を意識するようになった(24.9%)」、5人に1人が「無意識的に歩くようにしたり、運動をするようになった(19.0%)」と回答しました。
 トクホ飲料を飲み始めたことで、実際に行動が変容した人が一定数存在することがわかります。

III-3 健康行動に関する意向と実践の状況

運動など健康行動を実践したい意向は高まっている。
しかし何をしてよいかわからず、サポートを求める声も増加。

(5)健康対策についての認識

日常の中で無理なく運動を取り入れたいという意向。
専門家やアドバイザーによるサポートを求める声は3割を超える。

 健康についての考え方をたずねた質問では、「できるだけ歩くようにするなど、体を動かすことが大切だ(78.6%)」、「無理なく続けられる方法で健康対策がしたい(77.3%)」という考え方が上位を占めました(図5)。日常生活の中に無理なく運動を取り入れることが健康に良いと考えている人が4分の3を超えます。
 また、「健康対策は、専門家やアドバイザーによるサポートが受けられると続けやすい」と考えている人が35.6%と3割を超えました。

6)健康行動の意向

健康管理や運動を取り入れて健康増進したいという意向は高まっている。
しかし実際に行動に移すことができている人は半数を切る。

 健康のために実施したいと思っていること(実際にはできないものも含む)の上位は1位「十分な休養(81.0%)」、2位「食生活(75.5%)」、3位「ストレスを溜めない(71.1%)」でした(図6)。
 また、前回調査から増加の割合が高いものは「健康診断を受ける(2.7ポイント上昇)」、「生活の中で体を使う(1.9ポイント上昇)」、「運動のためにジムなどに通う(1.7ポイント上昇)でした。生活の中で健康管理や運動を取り入れたい意向は高まっていることがうかがえます。
 一方で、健康のために実施している行動についてみると、「朝食をいつもとるようにする(55.6%)」を除いて、健康行動について実践できているのは半数以下という結果が出ています(図7)。

7)健康行動ができない理由

健康行動を実践できていない理由として
最も伸びているのは「何をしたらよいのかわからない」。

 健康のためになんらかの行動をする意向があるにもかかわらず、実際には健康行動を実施していない人に対してその理由を聞いたところ、「意志が弱い、誘惑に負けてしまう(41.1%)」、「時間がなかなかとれない(39.0%)」、「お金がかかる(37.0%)」が上位を占めました(図8)。
 健康行動ができていない理由の中で、前回調査からの差が最も大きかったのは「何から始めたらよいかわからない、やり方がわからない」で、前回調査から3.8%上昇していました。健康に関するさまざまな情報がある中で、何が自分にとって必要な健康行動なのか判断できない状況がうかがえます。

 8)健康関連サービスの利用意向

20代、30代の若年層では
健康に関連するWebサービス、アプリサービスの利用傾向が上昇傾向。

 健康のための各種サービス利用傾向は、全体的に前回調査から増加傾向でした。体重計をはじめ、身体状態をチェックするための機器が上位を占めました(図9)。
 性別年代別でみると、さまざまな健康情報を管理するWeb・アプリサービスは、男女ともに20代など若年層で利用意向が比較的高いことがわかりました。

IV.おわりに
 人間の体はその約60%が水で満たされており※1、水分なしで生きていくことはできません。ふだん何気なく飲んでいる飲み物は、健康に大きな影響を及ぼしているとサントリーは考えています。人々の健康づくりに貢献したいという想いから、トクホ飲料を中心に健康をサポートする飲料や情報を皆さまにお届けしています。その一環として、2014年からトクホ飲料と人々との関係に関する調査活動に取り組んできましたが、本年も「健康と飲料に関する意識調査」を実施しました。今回の調査からは、人々が食に限らず、運動を含めた総合的な健康行動を実践する意識を高めている中で、トクホ飲料が広い年齢層にとって気軽に飲める「日常の飲料」として一般化が進むと共に、運動等の健康行動をスタートさせる「ブースター」として機能していることを確認することができました。
 こうした人々の健康に対する意識の変化を捉えて、当社では、「健康で、前向きに、自分らしく生き続けたい」と願う方々に寄添い、サポートできる企業でありたいという想いのもと、9月より「100年ライフ プロジェクト」(ニュースリリースNo.SBF0746参照)を発足しました。生活習慣プログラムである「特茶プログラムの提供」等、新しいサービスの導入や商品の発売に向けた研究開発活動を加速しています。当社はこれからも自然の恵みである水に関する健康価値を追求し、美味・健康の観点から日本の健康課題の解決に貢献していきたいと考えています。

※1 出典:「健康のため水を飲もう」推進委員会(後援:厚生労働省)資料

 

以上

 

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