めまいや頭痛……熱中症になったら?熱中症の治し方と応急処置【企業担当者必読】
総務省のデータによれば、2024年は熱中症による救急搬送人数が9万7000人※を超え、調査開始以降最も多い人数を記録しました。うち死亡者数は120人※でした。 熱中症は死につながる危険な症状であり、決して軽く考えてはいけません。救急車を呼ぶ前に、現場で適切な応急処置を行うことが大切です。
※2024年5月から9月の統計
この記事では、職場で熱中症が発生したときの治療と応急処置について解説します。
もしかして熱中症?というときの判断と対処法
熱中症の症状は多彩で、めまい・失神、頭痛・吐き気、けいれんなどさまざまです(イラスト参照)。高温多湿な環境下などで、イラストにあるような症状が見られたらまずは熱中症を疑って対処しましょう。
意識があるか確認する
まずは涼しい場所に避難させ、意識があるかどうか確認するために、次の質問をしてみます。
・自分の名前
・当日の日付
・現在の居場所
・直前まで何をしていたか
もし、返事の内容がおかしかったり、返事がなかったりした場合はすぐに救急車を呼びます。意識があったとしても、症状が完全に回復するまで必ず誰かが付き添うようにします。
救急車を待つ間は、衣類を脱がせて体からの熱の放散を助けましょう。さらに、皮膚に水をかけたり、うちわや扇風機などで風を当てたりします。また、前頸部や脇の下、足の付け根など太い静脈がある箇所に、氷のうや保冷剤をタオルでくるんで当てて冷やします。氷のうなどがなければ、冷えたペットボトルでも代用できます。特に重症者の場合、体温をいかに早く下げるかが予後を左右しますから、迅速に対応しましょう。
なお、意識がなかったり、もうろうとしていたりする場合は、気道に入る恐れがあるので水分を飲ませてはいけません。
自力で水分を取れるか確認する
意識がある場合も、服を緩めて体を冷やします。その上で冷たい飲み物を渡し、自分で飲めるか確認します。冷たい飲み物は胃の表面から体の熱を奪い、同時に水分補給もできます。経口補水液やスポーツドリンクなどが最適です。
吐き気を訴えたり、嘔吐したりする場合は、口から水分を取るのは難しいです。病院での点滴が必要ですから、すぐに救急車を呼びましょう。
状態が回復するか確認する
意識がしっかりしており、自力で水分を取れる場合は、体を冷やしながら症状が回復するか、状態を見ます。完全に回復するまで安静を保ちます。もし症状がよくならなければ、救急車を呼びましょう。
熱中症の具体的な症状については従業員に周知しておき、いざというときにすぐ気が付き、対処できるようにしておくことが大切です。熱中症の症状について、詳しくは以下の記事をご参照ください。
熱中症の一般的な症状とは?初期の判断が社員の命を守る!【企業担当者必読】
救急搬送時の心得とは?
熱中症は、急速に進行し重症化することもあります。熱中症の疑いのある人を医療機関に搬送するときは、発症時の状況をよく分かっている人が医療機関まで付き添うようにしましょう。医療機関に発症までの経過や発症時の症状などを伝えることで、的確な処置につながります。
医療機関に正確に状況を把握してもらうために、症状だけでなく以下のような情報を伝えるとよいでしょう。
・発症した場所の環境(気温、湿度、屋外か屋内かなど)
・何時間その場所にいたか
・どのような活動をしていたか
・どのような服装をしていたか
・本人の身長、体重、既往歴、服用中の薬など
医療機関では、体表から体を冷やす治療のほか、カテーテルなどを用いて体内から冷却する治療も行われます。重度の熱中症の場合、集中治療室で人工呼吸器を用いた呼吸管理や透析療法などが行われることもあります。
まとめ
熱中症の疑いがあるとき、応急処置として迅速な水分補給が大切になります。すぐに水分を取れるよう、職場環境を整備していきましょう。また、体を冷やすための氷のうやアイスパックなども準備も必要です。
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