人権の尊重

企業活動のグローバル化が進み、企業の人権への取り組みに対して、社会からの関心が高まっています。また、サントリーグループにとっても、サステナビリティビジョンへの取り組みにあたり、ステークホルダーの人権を尊重していくことが極めて重要だと考えています。人権に配慮した活動を推進するため、人権方針を策定し、従業員やサプライチェーン、地域社会に対する働きかけを行うなど、従来の取り組みを一層強化しています。

人権デュー・ディリジェンスの実施

サントリー食品インターナショナルの推進体制

当社は、「サステナビリティ委員会」を中心に、取締役会と連携しながらグローバルでの活動を推進し、サステナビリティ・ビジョンに基づいた戦略の立案や各案件の進捗共有などのモニタリングを行います。

サントリー食品インターナショナルの推進体制

推進プロセス

推進プロセス

ステークホルダーの特定

人権デュー・ディリジェンスを進める上で関連ステークホルダーの特定やエンゲージメントが重要と考えています。こちらで示すステークホルダーとは、負の影響を受け得る人権を有する人(ライツホルダー)およびその他関連ステークホルダー(NGO・NPO、有識者など)も含みます。その特定に当たって、外部の人権有識者と連携し、当社の事業構造を考慮した形での主要なステークホルダーを特定しました。

  1. 自社の従業員、製造委託の従業員、工場周辺の地域社会
  2. 取引先の従業員(サプライヤー、農園)、取引先の工場・農業周辺の地域社会
  3. 投資家、格付け団体
  4. NGO、有識者
  5. お客様

コミットメント

人権方針の策定

サントリーグループは、人権についての活動方針を定め、その遵守に努めています。

サントリーグループ人権方針

サントリーグループは「人と自然と響きあう」を使命に掲げ、人々の豊かな生活を創造していくと同時に、社会や自然との共生、そして人間の生命が輝く社会の実現に貢献します。
私たちは、事業を行う過程で、直接または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識し、ビジネスに関わる全ての人の人権を尊重するために、「サントリーグループ人権方針」(以下、本方針)をここに定め、人権尊重の取り組みを推進していきます。

1.基本的な考え方

社会の一員である企業として、すべての活動において人権尊重の重要性を認識しています。私たちは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGPs)を実行の枠組みとしてとらえ、事業活動を行うそれぞれの国または地域における法と規制を遵守します。国際的に認められた人権と各国の法令に矛盾がある場合には、以下の国際的な人権原則を最大限に尊重するための方法を追求します。

  • 国連「国際人権章典」
  • OECD(経済協力開発機構)「多国籍企業行動指針」
  • ILO(国際労働機関)「多国籍企業宣言」、「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」
2.適用範囲

本方針は、サントリーグループのすべての役員と従業員に適用します。また、サントリーグループは、自社の製品・サービスに関係するすべての取引関係者に対しても、本方針の理解・遵守を求めます。

3.人権尊重の責任

サントリーグループの事業活動が社会に負の影響を及ぼす可能性を完全には排除できないことを認識しています。我々は、自らの事業活動において影響を受ける人々の人権を侵害しないことに努め、また自らの事業活動において人権への負の影響が生じた場合は是正に向けて適切な対応をとることにより、人権尊重の責任を果せるサプライチェーンを築いていきます。

4.人権デュー・ディリジェンス・救済

サントリーグループは、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、サントリーグループが社会に与える人権に対する負の影響を特定し、その未然防止および軽減を図ります。また、サントリーグループの事業活動が、人権に対する負の影響を直接に引き起こしたことが明らかとなった場合、または取引関係等を通じた間接的な影響が明らかとなった場合、あるいは明らかではなくとも負の影響が疑われる場合には、国際基準に基づいた対話と適切な手続きを通じてその救済に取り組みます。

5.情報開示

サントリーグループは、自らの人権尊重の取り組みの進捗状況およびその結果を、ウェブサイトなどで開示します。

6.対話・協議

サントリーグループは、本方針を実行する過程において、独立した外部の専門家からの助言を受け、ステークホルダーとの対話と協議を真摯に行います。

7.教育・研修

サントリーグループは、本方針がすべての事業活動に組み込まれ、効果的に実行されるよう、適切な教育・研修を行います。

8.責任者

サントリーグループは、本方針の実行に責任を持つ担当役員を明確にし、実効性を担保します。

9.人権における重点テーマ

サントリーグループは、サントリーグループ企業倫理綱領に定める項目を人権遵守における重点テーマとして位置づけます(以下サントリーグループ企業倫理綱領を抜粋)。

児童労働・強制労働

あらゆる企業活動において、児童労働、強制労働その他不当な労働慣行を認めません。

差別・ハラスメント

個人の人権と人格を尊重し、人種、宗教、性別、性的指向、年齢、国籍、言語、障がい等を理由とするあらゆる差別およびハラスメントを排除して、公正な処遇がされる職場環境をつくります。人権侵害が発覚した場合には、当事者のプライバシーを守りつつ、再発防止を含め速やかに適切な対応をとります。

結社の自由

結社の自由と団体交渉に関する、従業員の基本的権利を尊重します。

働きやすい職場環境

心身ともに健康で、安全かつ安心していきいきと働くことができる職場環境を築くとともに、仕事と生活の調和の取れた働き方を推進します。

風通しの良い職場風土

多様な個性を持つ、すべての人が率直に意見や行動を示せるよう、互いの考え方や立場を尊重し、自由闊達で風通しの良い職場風土の醸成に努めます。また、サントリーグループ内の活発なコミュニケーションを通して、一体感のある協調的な関係を構築します。

挑戦と成長

一人ひとりが仕事に誇りと責任を持ち、自律的に目標にチャレンジし、自身の成長を実現します。

本方針は、当社の取締役会の承認を得ており、代表取締役社長 新浪 剛史により署名されています。

2019年7月10日
以上

サントリーグループ人権方針PDF

アセスメント

人権リスクの課題特定

「サントリーグループ人権方針」の策定に当たり、有識者との協力の元、グローバルにおける事業活動にとって重要な人権テーマを6つ特定しました(上記人権方針に記載)。そのプロセスとして、自社工場の構造、製品の原料となる農産物を中心としたサプライチェーンの特徴を理解し、さらに外部の様々な人権関連報告書からの情報を活用しました。今後の行動計画策定に向け、6つの切り口を中心に社内およびサプライチェーンを対象としたリスクアセスメントを進めています。
また、グローバルにおける継続的な人権リスクの特定を進めるために、2019年と2020年には人権NPO(CRT)、IHRB、デンマーク人権研究所、UNDPなどのグローバル組織の代表者と有識者ダイアログを行い、当社として意識すべき人権リスクについて議論すると共に、当社の人権デュー・ディリジェンス戦略に活かしています。
上記に加えて、リスク特定の強化を図るために、グローバルリスクコンサルティング会社のVerisk Maplecroft社のリスクデータも活用しています。

人権リスクの評価

前述の人権NPO、有識者、グローバルデータから特定した人権リスクについて、具体的な評価を行うためにSedexのSAQおよび評価ツール、SMETA情報、そして第三者インタビューなどを通じてリスクの評価を行っています。その評価の中には、地理的・経済的・社会的観点を考慮し、特定の人権リスクが起きやすい地域やライツホルダーの観点が含まれています。それを元に、リスクの高いところから評価・是正取り組みを推進しています(サプライヤーでの重要指摘事項への是正対応、移民労働者へのインタビューなど)。

リスクアセスメント
社内

人権デュー・ディリジェンスにおける「リスクアセスメント」を推進するために、グローバルリスクコンサルティング会社のVerisk Maplecroft社と連携し、一般的な国・業界データを用いてサントリー食品インターナショナルのグローバルでの51工場が立地する国における潜在リスク評価を実施しました。

潜在リスク評価の結果(総合
Lowリスク 29工場 56%
Midリスク 15工場 30%
Highリスク 7工場 14%
Very highリスク 0工場 0%
  • 対象人権リスク:児童労働、強制労働、労働時間、適切な賃金と福利厚生、差別・虐待・ハラスメント、結社の自由・団体交渉、救済へのアクセス、健康・安全性

その中でも、児童労働・強制労働の観点でHighリスク地域に立地している工場の国は、ベトナム、タイ、マレーシアでした。今後はHighリスク地域に立地する工場からスタートし、実態把握を確認するためのインパクトアセスメントを実施していきます。

サプライチェーン

人権デュー・ディリジェンスにおける「リスクアセスメント」を推進するために、グローバルリスクコンサルティング会社のVerisk Maplecroft社と連携し、一般的な国・業界データを用いてサントリー食品インターナショナルが購買する主要原料における潜在リスク評価を実施しました。(主要原料×産地の組み合わせで計91パターン)

潜在リスク評価の結果(総合
Lowリスク 10品目 11%
Midリスク 40品目 44%
Highリスク 35品目 38%
Very highリスク 6品目 7%
  • 対象人権リスク:児童労働、強制労働、労働時間、適切な賃金と福利厚生、差別・虐待・ハラスメント、結社の自由・団体交渉、救済へのアクセス、健康・安全性

その中でも、児童労働・強制労働の観点でVery highリスクかつVery highインパクト(購買高の多い)品目は下記のとおりでした。
【強制労働】コーヒー、ウーロン茶、砂糖
【児童労働】コーヒー、砂糖
今後は児童労働、強制労働においてVery highリスクかつVery highインパクト品目からスタートし、実態把握のためのインパクトアセスメントを実施していきます。

インパクトアセスメント

社内
サントリー食品インターナショナルの生産拠点におけるインパクトアセスメント

自社工場における人権リスクの可視化およびマネジメント強化を行うべく、22年の上半期に日本全10工場および海外の潜在リスクの高い地域に立地している4工場(マレーシア、ベトナム、タイ)に対してSedexを導入し、1労務管理、2安全衛生、3ビジネス倫理、4環境、の4つのカテゴリーの潜在リスクに対する管理能力を確認しました。

(工場数)
工場数 潜在リスク(全体) 管理能力
日本 0 1 9 10 0 0
マレーシア 0 1 0 0 1 0
ベトナム 0 1 0 1 0 0
タイ 0 2 0 2 0 0

上の図の通り、14工場中、潜在リスクに対して13工場が「高」管理能力、1工場が「中」管理能力、そして「低」管理能力の工場はなしという結果になりました。そして、当社が重要人権リスクと位置付けている強制労働と児童労働に関しては、ハイリスク地域として位置づけている「ベトナム、タイ、マレーシア」に立地する工場についてリスクの顕在化を示すデータは見つかりませんでした。

  • 児童労働
    15歳未満または18歳未満の労働者がいないため、児童労働のリスクがないと考えています。
  • 強制労働
    複数の移民労働者が海外の1工場にいることを確認しました。 現在、実態把握を行っています。

「高」管理能力以外の工場については、今後の顕在化リスクを踏まえ、重要人権リスクを意識し、更なるマネジメント強化を推進していきます。 また、22年下半期は残り海外全工場にもSedex導入を拡大し、グローバルの主要事業全工場での展開を目指し、来年以降は継続的なマネジメントにつなげる予定です。

サプライチェーン

サントリーグループは「サステナブル調達基本方針」を制定し、ビジネスパートナーと連携しながら、サプライチェーン全体での人権尊重への取り組みを進めています。

Sedexによるインパクトアセスメント

2019年6月、サントリーグループは世界最大のサプライヤーエシカル情報の共有プラットフォームである「Sedex」に加入しました。サプライヤーに対してSedexへの加盟、SAQ質問への回答など情報共有の要請を進めています。SAQでは、児童労働や強制労働などを含む人権に関する質問をはじめ、労働環境や安全衛生に配慮しているかを中心にサプライチェーンに潜在する社会リスクの評価を行っています。サントリー食品インターナショナルでは、2021年11月時点で、900以上の製造拠点を含む主要サプライヤー約550社のSedex加入を確認しており、今後も全ての主要サプライヤーに対し、Sedexへの加盟案内を進めます。また、SAQによるリスク評価の結果を踏まえ、地域別で取り組みの優先順位を決定した上、行動計画の策定と取り組みの推進を進めます。

※ SAQ:Self-Assessment Questionnaire

インパクトアセスメント状況

Sedexが提供するツールを活用し、潜在リスクと顕在リスクの特定を行っています。具体的には、SAQでサプライヤーの潜在リスクと潜在リスクの管理能力を評価しています。また、Sedex上で確認出来る第三者監査情報を基に顕在リスクを把握しています。

サプライヤーの潜在リスク(2022年4月時点)

サントリー食品インターナショナルは、2022年上半期もSedexを通じた評価を進め、潜在リスク評価を実施することができた製造場は794件となっています(11月と比べて20件増)。

(工場数・%)
  2021年11月 2022年 4月 増減
Low 171 210 26% 39
Medium 529 520 65% -9
High 74 64 8% -10
回答中 79 75 9% -4
合計 774 794   20
サプライヤーの顕在リスク(2022年4月時点)

サントリー食品インターナショナルでは、顕在リスクとして特定できた重要指摘事項は累計173件となっています(11月と比べて19件増)。

サステナブル調達

アンケートによる確認

上記Sedex未加入のサプライヤーに対しては、サステナビリティ調達アンケートを実施しています。既存のサプライヤーに限定せず、新規に取引を開始するサプライヤーにも同様に確認しています。
また、サントリーグループでは、海外グループに対して「サントリーグループ・サプライヤーガイドライン」を共有するとともに、海外グループ会社が参加する「グローバル調達会議」で各社のサステナビリティに対する取り組みを確認しています。また、2014年から、児童労働・強制労働などの人権課題に関して、海外の調達先を訪問してヒアリングを開始しました。

是正に向けた取り組み

是正に向けた取り組み推進の一環として、サントリーグループの事業活動が、人権に対する負の影響を直接に引き起こしたことが明らかとなった場合、または取引関係等を通じた間接的な影響が明らかとなった場合、あるいは明らかではなくとも負の影響が疑われる場合には、国際基準に基づいた対話と適切な手続きを通じてその是正に取り組みます。さらに、サントリーグループのサプライヤーにも是正に取り組むことを期待します。また、是正を実施するために、外部人権有識者(NPO)、Sedexなどの外部組織と連携し、発見した課題についてサプライヤーと対話を行い、是正に取り組みます。

是正のプロセス

人権方針に記載しているように、当社にとっての人権における重要テーマの中には児童労働・強制労働、差別・ハラスメント、結社の自由、働きやすい職場環境(安全衛生)が含まれています。SedexのSAQの中で各重要テーマと関連する数多くの設問を特定し、自社工場とサプライチェーンにおける評価と継続的なモニタリングに活用しています。現在は購買高の70%以上を占めるサプライヤーのSedexを通じた継続的なモニタリングを実施しており、顕在リスクを特定できたサプライヤーに対してより強いエンゲージメントを行っていますそのモニタリングプロセスの中には、サプライチェーンに関するSMETA監査情報も含まれており、現地労働者へのインタビューも含まれています。このような形でライツホルダーの声を極力活かす取り組みを行っています。

SedexおよびSMETA情報を活用した当社の是正のプロセスは以下の通りです。

潜在リスクの場合
  1. 目標: 潜在リスクの回避対応が取れている
  2. 指標: Sedexのリスクスコアと管理能力スコア
  3. 納期: 定期的(半年1回程度)に、リスクスコアと管理能力スコアをチェックし、取引先様の改善活動状況を確認する
顕在リスクの場合
  1. 目標: 顕在化リスクをゼロ化する
  2. 対象: 第三者監査での重要指摘事項
  3. 納期: 6ヶ月以内に、指摘事項が解消されていることを確認する
サプライヤーの潜在リスク(2022年4月時点)

上記で示したSedexで確認できる潜在リスクについては、潜在リスクに対する製造場の管理能力も併せて評価し、「高リスク+低管理能力」の製造場を中心に直接的なエンゲージメントを行い、管理能力を上げるための働きかけをしています。その結果として、サプライヤーへ働きかけを開始した2021年1月以降、2022年4月末時点では管理能力が10%~50%向上した製造場数が143件あります(全体の19%)、2021年11月末時点から34製造場増加しています。これからも引き続きサプライヤーとのエンゲージメントを継続しながら管理能力を上げるための改善活動を推進していきます。

サプライヤーの顕在リスク(2022年4月時点)

上記で示したSedex上で確認出来る第三者監査結果としての重要指摘事項については、サプライヤーと直接コミュニケーションを取り、指摘された課題が指摘されてから6か月以内に是正されていることの確認を進めています。サントリー食品インターナショナルでは、2022年4月末時点で特定した累計173件のうち、140件が既に是正されたことを確認しました。残り33件に関しては引き続きサプライヤーとのエンゲージメントを継続しながら改善活動を推進していきます。

以下の人権重要テーマについて、サントリー食品インターナショナルを含むサントリーグループにおいて、SedexのSAQ回答内容を全て確認し、潜在リスクのある回答内容の確認を行いました。同時に、SMETA監査での指摘事項の確認を行い、潜在リスクが顕在化していないか、顕在化している場合は是正処置の状況をサプライヤーにエンゲージメントを行い、確認しています。

児童労働防止の取り組み

児童労働はサプライチェーンにおける重要人権リスクの一つと位置づけており、SedexおよびSMETA情報を通じてサプライヤーとのマネジメントを強化しています。例えば、Sedexでの設問を活用し、直接労働者と間接労働者において児童労働に該当する恐れのある労働者がいるか確認を行っています(15才未満労働者)。 また、SMETAを通じて実際に行われた現場監査を元に労働者の年齢確認がしっかり行われているかを確認し、課題が顕在化かつ未是正の場合は是正に向けたエンゲージメントをしています。
SAQ回答内容を確認した結果、15歳以下の児童労働はありませんでした。16-17歳の労働者がいる製造場は5%ありました。SMETA監査の指摘事項でも17歳の労働者の指摘が1件ありましたが、現地法上問題ないことを確認しました。
その他、労働者の年齢記録の不備の指摘がありましたが、サプライヤーにエンゲージメントを行い、記録方法が是正されている事を確認しています。

強制労働防止の取り組み

強制労働はサプライチェーンにおける重要人権リスクの一つと位置づけており、SedexおよびSMETA情報を通じてサプライヤーとのマネジメントを強化しています。

  • 1) 採用手数料
    SAQ回答内容を確認した結果、労働者の採用手数料負担について取組みがない、との回答が1%ありました。また、労働者が何らかの費用負担をしている、との回答が3%ありました。SMETA監査の指摘事項でも、労働者の採用手数料負担に関する指摘がありましたが、規定改定により対応済みである事を確認しました。同様に、賃金減額に関する指摘がありましたが、現地法上問題となる控除はないことを確認しました。
  • 2) 賃金
    SAQ回答内容を確認した結果、残業代に課題がある回答が8%ありました。 また間接雇用者の最低賃金の把握に課題がある事も判明しました。SMETA監査の指摘事項でも賃金に関する指摘や、残業の管理に関する指摘がありました。 サプライヤーにエンゲージメントを行い、未是正の賃金問題に関する確定事例はない事を確認しています。
  • 3) 行動の自由
    SAQ回答からもSMETA監査からも、行動の自由に関するリスク情報は見つかりませんでした。
結社の自由と団体交渉侵害防止の取り組み

結社の自由と団体交渉はサプライチェーンにおける重要人権リスクの一つと位置づけており、その侵害防止のためにSedexおよびSMETA情報を通じてサプライヤーとのマネジメントを強化しています。例えば、Sedexでの設問を活用し、サプライヤーでの意思決定に反映出来る労働者が参画可能なプロセスや組織の有無、労働組合の有無を確認しています。 また、SMETAを通じて結社の自由と団体交渉が遵守されているかを確認し、課題が顕在化かつ未是正の場合は是正に向けたエンゲージメントをしています。
SAQデータの結果、労働者が使用可能な会社の意思決定に反映出来るプロセス、組織、取り決めの有無という重要ポイントについて、整備されていない製造場数は12%でした。また、SMETA監査のデータとして結社の自由と団体交渉に関する指摘事項がありましたが、是正が既に行われていることを確認しています。

安全衛生の取り組み

安全衛生はサプライチェーンにおける重要人権リスクの一つと位置づけており、その安全衛生推進のためにSedexおよびSMETA情報を通じてサプライヤーとのマネジメントを強化しています。例えば、Sedexでの設問を活用し、安全衛生に関する方針の有無、重大労災の有無、火災安全訓練の参加者人数、 安全衛生強化に向けたサプライヤーの既存取り組みなどを確認しています。 また、SMETAを通じて同様の確認を行い、課題が顕在化かつ未是正の場合は是正に向けたエンゲージメントをしています。 SAQデータの結果、過去12か月間における記録された事故数が100件を超えた製造場は2%でした。また、重大事故が20件以上発生した製造場は1%でした。このようなハイリスク製造場に対して労働安全強化に向けたエンゲージメントを行っていきます。また、SMETA監査のデータとして、指摘事項がありましたが、既に是正が行われていることを確認しています。未是正の件に関しては引き続きサプライヤーへのエンゲージメントを行います。SedexのSAQ回答とSMETAの指摘事項から分かった安全衛生に関するリスクについての是正対応を他のサプライヤーにも情報共有し、安全衛生の管理強化を図ります。

土地の権利への取り組み

土地の権利に関する人権リスクを把握するためにSedex情報を通じてサプライヤーとのマネジメントを強化しています。具体的には、Sedexでの設問を活用し、サプライヤーの製造場を建設する前にその土地が住宅として利用されていたかを確認しています。 SAQの結果、工業用サイトに転換する前は住宅用建物として利用されていた土地が1%ありました。その転換が土地の権利侵害につながった可能性があるかについてサプライヤーをエンゲージして確認を行っていきます。

水アクセス・衛生への取り組み

現地の地域社会の水アクセス・衛生の権利に関するリスクを把握するためにSedex情報を通じてサプライヤーとのマネジメントを強化しています。例えば、Sedexでの設問を活用し、サプライヤーのオペレーションによる様々な汚染リスク(土壌、河川など)、水の使用量、排水管理の有無、現地地域への水質影響に対するマネジメントなどを確認しています。SAQの結果、排水品質を管理していない製造場は2%ありました。SMETA監査のデータとしては指摘事項が確認されておりますが、既に是正が行われているか、サプライヤーに対して是正に向けたエンゲージメントを行います。

女性の権利の取り組み

女性の権利に関するリスクを把握するためにSedex情報を通じてサプライヤーとのマネジメントを強化しています。例えば、Sedexでの設問を活用し、労働者の男女比率、女性管理職比率、差別防止に関する方針の有無、女性労働者の欠勤率・離職率などを確認しています。SAQの結果、洗身設備は男女別になっていない製造場は5%、女性労働者の過去1年間の離職率が50%以上だった製造場は5%、女性労働者の過去1年間の欠勤率が30%以上だった製造場は2%でしたが、SMETA監査のデータとしては顕在化した指摘事項か確認されませんでした。

実行したアクションの効果測定

自社工場およびサプライチェーンにおけるSedexを通じた評価・是正取り組みの中で、発見したリスクに対する是正取り組み後に、実行前と実行後の改善度合いをSedexの評価ツールを通じて複数項目(安全衛生、労働者年齢、差別、自由選択に基づいた労働など)で確認し、効果測定を行っています。Sedex上の評価の場合、項目によって潜在リスクを下げることが難しい場合がありますが、潜在リスクが高くともその管理能力が十分に高ければ結果的に潜在リスクが顕在化するリスクが低いという認識のもと、自社工場およびサプライヤーを対象にした是正取り組みを行う上では特に管理能力を意識して取り組んでいます。
さらに、上記一連の流れの中で、効果測定の結果についてステークホルダーにフィードバックし、改善活動に繋がる直接的なエンゲージメントを行っています。

今後のアクションプラン

上記プロセスで見えてきたリスクなどを考慮し、今後のアクションプランとして以下の重点取り組みを実施していきます。

自社工場

22年下半期に残りグローバル自社工場でのSedex展開を進め、人権リスクの有無を特定します。

サプライチェーン

一次サプライヤーに関しては、Sedexを通じて現在可視化している顕在リスク「重要指摘事項」のゼロ化推進を継続すると共に、潜在リスクについてはサプライヤーの管理能力を上げるための働きかけを継続していきます。さらに、主要原料のサプライチェーン上流サプライヤーへのインパクトアセスメントを推進します。

移民労働者

自社工場以外で移民労働者(特に技能実習生)がいる現場を特定し、重要なリスクである「強制労働」の度合いに応じて必要な取り組みを検討します。

救済へのアクセス

社内苦情処理について

ホットライン

サントリーグループでは「企業倫理綱領」に反する行為があることを従業員が知った場合、まず上司に報告・相談することを基本としています。しかしそうした報告・相談が適さない場合に問題を早期に発見し解決するために以下の仕組みを設けています。
国内については、グループ全体の共通窓口としてコンプライアンス室および社外法律事務所に「コンプライアンス・ホットライン」を設置しています。それぞれは、日本語を母国語としない外国籍の従業員もストレスなく利用できるように、多言語で受付可能にしています。
グローバルについては、グローバルリスクマネジメント体制の一環として、海外グループ会社も包括した全世界共有の通報受付窓口「グローバル・ホットライン」も設置しています。このホットラインは、英語、中国語、スペイン語等の多言語に対応しており、様々な国の方から報告・相談を受けられるようにしています。また、技術的や経済的な課題が理由で利用できないことを避けるために、スマートフォン含むWeb、固定電話、郵便等の経由を用いて、あらゆる従業員にとってアクセス可能な受付体制を整えています。
ホットライン窓口の社内における周知状況については、毎年「従業員意識調査」の機会等を通じて測定をしており、常に9割を超える認知率を確保しているとともに、グループの経営層に向けて前年比較も含めたその結果をフィードバックし対話する機会を持つことで、窓口の認知率及びユーザビリティの維持と向上に努めています。

2021年のサントリー食品インターナショナルへの通報は89件でした。件数のうち約6割は労務・人事ならびにマネジメントに関するもので、人権に関する内容も含まれています。
通報の内容について、コンプライアンス違反が疑わしい事案の場合は、サントリーグループ内部通報制度規定に従って当該案件関係者すべてのプライバシー保護に配慮したうえで対応を進めています。その際には、通報者が置かれる事情を尊重し、速やかにコンプライアンス担当者が社内で極秘調査を行うとともに、当該関係者の担当経営幹部を巻き込みながら是正を速やかに求め、対処が成されたことを見届けています。また、調査結果については、通報者ならびに経営層へそれぞれフィードバックを行い、問題の改善や再発防止策につなげています。さらには、対処後一定の期間を置いた段階で、フォローアップとして変化の様子を経営層幹部から報告をもらうことで当該事案のクロージングとするフローで運用しています。
一方で、重点課題である「ハラスメント」への対策については、多くの場合が同僚や関係者との価値観の違いが根底にあることから、その違いを双方が認めあえる風土を目指して「アンコンシャスバイアス」について学ぶ機会を設けることで、寛容的な組織づくりのセミナーを随時展開を開始しています。

通報者の保護

サントリーグループでは「コンプライアンス・ホットライン」の設置と同時に、就業規則で通報者が報復行為や噂の拡散等による不利益を被るような取り扱いを禁止しています。それらを防止するための方策として、コンプライアンス室が調査を行う際には、その開始時に関係者・対象者を特定したうえで都度「内部通報制度規定」の確認を行うことで、通報者としての権利を阻害しないように配慮しています。
加えて、調査事案のクロージングの際に通報者へのフォローアップをする際に不利益を被っていないかを確認しています。
さらには「内部通報制度規定」を日常から積極的に社内周知することで、当該関係者のみならず職場全体として通報者等の保護が成される風土づくりに努めています。

サントリーグループコンプライアンス

社外苦情処理について

サントリーグループは、創業以来、お客様満足を第一に考え、お客様との双方向コミュニケーションを大切にしています。また、すべての人々をお客様と捉えるという考えのもと、サプライヤーは大事なお客様と捉えており、人権デュー・ディリジェンスを進める上で自社社員だけでなく、サントリーが直接取引をしているサプライヤー、そしてさらにその先のサプライヤーや関係者の方(コミュニティー)に対しても人権課題も含めた通報窓口を設定することが重要だと思っています。さらに、サプライヤーガイドラインでも記載している通り、サプライヤーに対しても報復防止対策を取ったうえでの同様の救済メカニズムの設置を期待しており、それによってサプライチェーン上流での救済の確保に努めています。

現在は、サプライヤーやその関係者の方(コミュニティー)が利用できる通報窓口として、「お客様センター」の仕組みを設けています。お客様センターでは、すべてのお客様からのお問い合わせを受け付けています。
サプライヤーからの人権課題やその他問い合わせの場合は下記フォームよりお問い合わせ下さい(日・英対応可能)

お客様センターお問い合わせフォーム

ステークホルダーエンゲージメント

負の影響を受けるステークホルダー(ライツホルダー)をエンゲージするための重要なプロセスとして「Sedexを通じた情報収集」および「第三者インタビュー」を活用しています。
「Sedexを通じた情報収集」の事例として、自社工場でのSedex展開を進めるに当たり各工場の事務長と直接コミュニケーションを行い、人権リスクの観点での意見交換を行っています。また、その中で、移民労働者の人権と関わる問題(コミュニケーション、異文化理解、より快適な職場の実現)に対する視点に耳を傾け、当社の今後の人権デュー・ディリジェンスに活かす重要な情報として位置付けています。

ステークホルダーコミュニケーション

ステークホルダーエンゲージメントでは、人権リスク・インパクトにおけるステークホルダーとのコミュニケーションが重要と考えています。
例えばライツホルダーを意識した形での直接的なコミュニケーションやサプライヤーに対する説明会でのコミュニケーション(サプライヤーガイドライン遵守)を実施しています。

一方で、サプライチェーン上流のライツホルダーを特定し、アプローチすることは非常に重要なステークホルダーとのコミュニケーションではあるものの、課題となるべきチャレンジングな活動領域でもあります。当社は昨年末に特定した「潜在リスク高・高インパクト原料」の原料を対象に今後ステークホルダーを特定し、コミュニケーションを図っていく予定です。

有識者ダイアログ

サントリーグループの人権に関する取組みを強化するためCRT日本委員会のご協力のもと、日本及び海外の人権課題の有識者とダイアログを定期的に実施しています。2020年度のダイアログを10月にオンライン形式で実施しました。このダイアログでは、サントリーの人権活動に関する取り組み進捗を有識者と共有し、コロナ禍の中での人権デュー・ディリジェンスについて協議を行いました。
2019年のダイアログでは、自社生産拠点におけるエシカルな生産活動と移民労働者問題の二つの切り口でリスクアセスメントを行うべきと助言をいただきました。それを受け、自社工場および移民労働者に関するリスクアセスメントの取り組みを始めたことを2020年のダイアログで有識者に共有しました。また、2020年に始めた原材料と移民労働者に関するリスクアセスメントについて、コロナ禍における効率かつ効果的な進め方について協議を行いました。
今回のダイアログでの気づきも含めて、サントリーグループの人権に関する活動の質を上げると共に、今後も幅広いステークホルダーとの対話を続け、活動を推進していきます。

  • 有識者:Neill Wilkins氏(人権ビジネス研究所IHRB)、Tulika Bansal氏(デンマーク人権研究所)
  • ファシリテーター:石田寛氏 (CRT日本委員会)

社内及び社外啓発

意識向上に向けた取り組み

サントリーグループでは毎年、約2万人の従業員を対象に人権を含む世界のESG動向や自社の取り組みについて学ぶサステナビリティeラーニングを実施しています。また、サントリーグループの全役員・従業員に対して「企業倫理綱領」の理解を促進し、日々の行動の中で実践していけるよう、サントリーグループの理念体系をまとめた小冊子に「企業倫理綱領」を掲載し、配布しています。また、グローバルでの理解を促すために、この冊子は11か国語に翻訳されており、毎年1度内容を読み、署名する形で周知しています。海外グループ会社も各地で同様の理解促進の取り組みを行っています。

また、マネージャー層に関しては毎年、新任マネージャー研修の中でマネージャーに対して人権も含めたサステナビリティに関する説明を設けています。さらに、人権取り組みと密接に関わっている調達部門に関しては、メンバー・マネージャー層とも人権も含めたサステナビリティに関する説明を設けています。

外部ステークホルダーへの共有に関しては、人権方針を当社の公式ウェブサイトに掲載すると共に、原料・包材・物流サプライヤーに対しては人権コミットメントを含むサプライヤーガイドラインを使って毎年のサプライヤー説明会で説明しサントリーグループ全体で購買高の98%以上をカバーしています。

従業員の意識向上に向けた取り組み(外部有識者を交えた社内向け人権ワークショップの実施)

2019年4月、外部有識者(Caux Round Table Japan)の指導のもと、国連による「ビジネスと人権に関する指導原則」の承認等の世界動向や国内外の企業の取り組みについて学び、現代における人権の意味合いやサントリーグループにとっての重点テーマについて関連各部署で議論しました。

「職場における人権」をテーマに人権研修を展開

サントリーグループでは、国内において新任マネジャーや新入社員などを対象とした階層別の人権研修に加え、部門単位でも人権講演会やセミナーを実施しています。2018年は「セクシュアルマイノリティを巡る企業の人権課題」と題した人権講演会を実施し、その講演会を収録したDVD視聴を中心に全国の営業拠点にてセミナーを展開しています。2020年からは職場における人権問題にさらに直結した人権啓発セミナーをリアルとオンラインで展開しています。

新型コロナウイルス感染拡大への取り組み

サプライヤーとのエンゲージメント

サプライチェーン全体の安全を守るべく、各地域のサプライヤーとともに新型コロナウイルス感染拡大の防止に取り組んでいます。サプライヤー側の対策を把握するため、Sedex上の感染拡大防止対策に関するSAQへの回答を促しています。また、マスクの提供や対策導入のサポートなど、サプライヤーの感染拡大防止対策強化に取り組んでいます。

新型コロナウイルス感染症拡大に対する社会貢献

新型コロナウイルス感染が世界に広がる中、私たちは創業以来の利益三分主義の精神に基づき、企業市民として、この困難を乗り越えるための社会貢献活動を進めていきます。全世界のサントリーグループが、それぞれの地域において、地域社会や医療関係の方々、飲食業界に様々な支援活動を展開しています。

サントリーグループの社会貢献

従業員と自社拠点労働者の労働安全衛生

新型コロナウイルス対策本部を設置し、社員の安全を最優先に、サプライチェーン、業績影響などの情報を集約し、迅速に意思決定を行い、対策を講じています。在宅勤務ができる制度、環境については、コロナウイルス感染前から整備していたこともあり、感染拡大時もスムーズに社員が在宅勤務が実現できています。また、出社時には安全と安心を守るため、従業員向けのPCR検査実施、検温器の設置、アクリルボードや消毒液を各所に設置するといった施策を実施しています。

人権デュー・ディリジェンスの法制化に伴う各国グループ会社の対応(Statement)

サントリー食品ヨーロッパ

フルコアサントリー

ダイバーシティへの取り組み

女性活躍推進

サントリーグループでは、性別に関わらず一人ひとりがイキイキと活躍する組織を目指し、活動を進めています。一人ひとりが平等に機会をもち、健全な競争環境を整備することにより、当社では2030年に女性管理職比率を30%とすることを目指しています。

またサントリー食品インターナショナルでは、女性活躍支援として、個にフォーカスした継続的な育成及びキャリア支援(能力開発と意識啓発)の観点と、仕事と家庭の両立支援の両面から施策を展開しています。若手の社員研修や異業種交流への積極参加によるマインドセットに加え、タレントレビューを通じて中長期的な女性社員のキャリア構築・拡大を支援しています。

ライフイベントとの両立に関しても、産休前ガイダンス・育休後フォローアップセミナーによる意識醸成をするとともに、セーフティネットとして、保育園に入園できなかった際のつなぎベビーシッターや、復職後の緊急時・病時ベビーシッターにて費用の一部を会社が負担するなど、育児中社員の早期復職への支援も行っています。柔軟な働き方を目指し、フレックスタイム制、テレワーク環境の整備、サテライトオフィスの拡充などを実施しています。また、育休から復職したメンバーをもつ上司に対して育児中のメンバーをマネジメントするにあたって必要な情報等を提供することで、マネジメントによる活躍支援の後押しを強化しています。

女性活躍に関する行動計画

外国人に対する取り組み

サントリー食品インターナショナルでは、「国境を超える」を合言葉に、世界にまたがるグループ会社間のシナジー創出に向けて、グローバルな人事戦略の策定と実行をめざし、各社と協働しながらさまざまな活動を進めています。 グローバルで活躍できる人材の発掘・育成・活用に向けて、定期的にタレントレビューを実施しています。国や事業を跨いだ人材交流や、互いのノウハウの共有等、世界中の個性溢れるサントリアン一人ひとりが「やってみなはれ」を発揮し、世の中により多くの感動や喜びをお届けできるよう、グローバル人事活動の進化を続けていきます。

また、海外グループ会社の経営層については、原則的に現地採用者を登用しており、外国人を最大限活用できていると判断しています。今後も海外人材の採用ならびに登用を実施し、多様な活躍ができる取り組みを継続していきます。

グループ・グローバル人事活動

経験採用に対する取り組み

ダイバーシティ経営においては多様な人材、多様な価値観を積極的に取り入れ活かすことが重要であるとの考えのもと、サントリー食品インターナショナルは、かねてより多様な経験をもった人材を積極的に採用しています。新卒者と経験採用者の区分なく、人材をバランスよく配置、活用できていると判断しており、今後も、必要に応じて経験採用を実施し、多様な人材の活用を図っていきます。

雇用・就業状況

人材育成方針

サントリー食品インターナショナルは、OJT(On-The-Job training)を通じた育成を基本としています。また、年に一度社員本人の今後のキャリアを上司と話し合うキャリアビジョン面接を通し、本人の意向も踏まえながら、様々な業務を通じて広く成長してもらうべく、計画的なローテーション人事を行っています。また、社員一人ひとりの中長期的な育成プランや最適配置について各部門と人事で検討するタレントレビューを実施し、継続的な育成につなげています。

本人の自発的な成長意欲を後押しするために、社内公募等の施策も行っています。

加えて、サントリーグループ全体で「サントリー大学」という学びのプラットフォームがあり、サントリーのこれまでの歴史・理念を学ぶプログラムや、汎用的なスキル・知識を習得できる応募型研修・資格や勤続年数に応じた「階層別研修」等(Off -JT=Off-The- Job training)により社員の成長につなげています。

グローバル人材の育成については、トレーニーやキャリアチャレンジ制度といった応募型の育成制度や、人事異動による海外赴任を通じた現場の経験を積ませることで、世界で通用する従業員の育成を行っています。

社内環境整備方針

サントリー食品インターナショナルは、サントリーグループの一員として、性別、年齢、ハンディキャップ、国境の「4つを超える」を重点課題に掲げ、これまで様々な取り組みを行ってきました。国籍や採用区分によって特段の差が生じているとは認識していないため、「外国人」および「経験採用者」の中核人材への登用に関する自主的かつ測定可能な目標については設定していません。

  • 女性活躍については、2030年に女性管理職比率30%を目指しています。
  • シニアについては、65歳定年制を世間に先駆けて2013年に導入し、また、2020年より、健康で、働く意欲があり、成果を出せる人材については、65歳以降も働くことのできる再雇用制度を導入しました。
  • 障がい者雇用については、法定雇用率の要件を満たしており、2018年からは知的障がい者の採用もスタートしました。

当社は今後も、ダイバーシティを経営の軸として積極的に取り組んでいく所存です。

ダイバーシティに関するデータ

コンプライアンス

お客様や社会からの期待に応え、責任を果たしていくために、コンプライアンスを最優先する組織・風土づくりを進めています。

コンプライアンス推進体制

企業理念実現のために全従業員共通の価値を示した「企業倫理綱領」

サントリーグループの全従業員が企業理念実現のために、共通の基準で行動できるよう、2003年に「サントリーグループ企業倫理綱領」を制定以来、この綱領に基づき、グループ横断的な視点からコンプライアンス推進体制を整備しています。また、2012年には、社会的責任に関する国際規格ISO26000を参照して内容を改定し、2017年には全世界のサントリーグループ従業員に、より理解しやすい内容へと改定しました。

サントリーグループ企業倫理綱領

現場に根ざした推進体制

サントリー食品インターナショナルのコンプライアンスについては、コーポレートマネジメント本部が全体の推進を担っています。
具体的な諸施策の立案・実施や、各職場での実践状況の把握、課題に対する提言・助言のほか、「コンプライアンス・ホットライン(内部通報窓口)」を設け、公平・公正、誠実に対応しています。
内部通報制度に関しては、2022年6月1日の改正公益通報者保護法をふまえ、サントリー食品インターナショナルの内部通報制度規程を改定し、より実効性のある制度運用を行っています。
また国内外のグループ各社では、それぞれにコンプライアンスを推進する責任者を配置し、各社の課題に対応した独自の行動指針を策定・周知するなど、主体的な推進活動を行っています。

コンプライアンス推進のしくみ
コンプライアンス推進のしくみの図

問題の早期発見・解決のためにホットラインを強化

サントリー食品インターナショナルでは、「企業倫理綱領」に反する行為があることを従業員が知った場合、まず上司に報告・相談することを基本としています。しかし、そうした報告・相談が適さない場合に、問題を早期に発見し解決するため、共通窓口としてコーポレートマネジメント本部にコンプライアンス・ホットラインを設置し、他にも監査等委員窓口、社外の法律事務所にも窓口を設置しています。また国内・海外の主要グループ会社も通報窓口を定め、対応体制の強化を図っています。
また、グローバルリスクマネジメント体制の一環として、海外グループ会社も包括した全世界共有の通報受付窓口を、2016年4月より設置しています。
2021年のサントリー食品インターナショナルへの通報件数は、国内・海外合計で89件でした。件数のうち約6割は労務・人事ならびにマネジメントに関するもので、人権に関する内容も含まれています。
それぞれの通報案件に対しては、サントリー食品インターナショナル内部通報制度規程に従い、コーポレートマネジメント本部やグループ各社担当部署が、当該案件関係者すべてのプライバシー保護に配慮した調査を行ったうえで、是正・勧告などの対応を行います。調査結果は経営層へ報告し、問題の改善や再発防止策につなげています。

「コンプライアンス・ホットライン」周知ポスター

「コンプライアンス・ホットライン」
周知ポスター

通報者等の保護

サントリー食品インターナショナルでは、「コンプライアンス・ホットライン」の設置と同時に、就業規則で通報者が不利益を被るような取り扱いを禁止しています。また「内部通報制度規程」を制定し、通報者のみならず調査協力者への不利益な取り扱いを禁止すること、対応後に通報者をフォローアップすることなど、通報者等の保護を徹底しています。

コンプライアンス・ホットライン対応フロー
コンプライアンス・ホットライン対応フロー図

コンプライアンス・組織風土の状況把握のため従業員意識調査を実施

コンプライアンス・組織風土の状況および個別課題の有無を把握するため、国内グループ会社全従業員を対象とした「意識調査」を実施しています。その調査結果から、各社および各部署の個別課題を把握し、コンプライアンス意識醸成のための取り組みを検討します。また各社の経営層や管理職とその課題を共有し、各社各部署の自主的な課題解決のアクションにつなげています。
海外グループ会社においても独自の調査を行い、コンプライアンス経営の実践に役立てています。

コンプライアンス実践のための活動

「企業倫理綱領」の周知

サントリーグループの全役員・従業員が「企業倫理綱領」を理解し、日々の行動の中で実践していけるよう、サントリーグループの理念体系をまとめた小冊子に「企業倫理綱領」を掲載し、配布しています。この冊子は11か国語に翻訳されています。
毎年年初には、国内サントリーグループ従業員が新たな気持ちで「企業倫理綱領」の内容を再確認し、「コンプライアンス宣言書」に自らサインをしています。同時に、世の中で起きているコンプライアンス事例や、全社・各社それぞれの課題と認識している内容など、さまざまなテーマで職場ディスカッションを実施し、コンプライアンスの基本についてリマインドし、倫理観の醸成を図っています。
国内サントリーグループ全従業員を対象に実施している従業員意識調査の中で、業務や職場環境における「企業倫理綱領」の遵守やコンプライアンス実践の状況を確認しています。調査の結果は、経営層に報告され、潜在的なコンプライアンス違反の早期発見に努めるほか、「企業倫理綱領」の有効性を定期的に確認しながら、従業員への教育、活動計画の策定等に活用しています。

継続的な情報発信でコンプライアンス意識の啓発活動

コンプライアンスの理解促進、実践のために、国内グループ会社各社に、社内イントラネット内の「コンプライアンス・ネット」で定期的に情報を発信しています。
「コンプライアンス・ネット」ではその時々に取り組んでいる活動と連動したテーマ、世の中の事例を通してコンプライアンスの本質を理解するコンテンツなどを発信しており、各社のコンプライアンス推進責任者が中心となって、全従業員へ周知しています。さらに「コンプライアンス・ネット」には、いつでも学習できるようにコンプライアンスの基礎知識やハラスメントチェックなど、セルフラーニング集なども掲載しています。

グループ会社の推進活動を支援

サントリー食品インターナショナルのグループ各社は、それぞれの会社の推進責任者が中心となって活動を行っています。コーポレートマネジメント本部では、各社の課題に応じた施策の提案や集合研修の実施など、推進活動を支援しています。また国内グループ会社へ新たに着任する管理職を対象に、コンプライアンス経営の牽引役としての役割をより深く認識するための研修を実施しています。
さらに、サントリー食品インターナショナルのグループ各社のコンプライアンス担当者との定期ミーティングを開催し、様々な情報の伝達やアドバイス、また知識や知見の相互共有も行っています。

事業活動における「企業倫理綱領」の実践

「企業倫理綱領」ではコンプライアンスを重視することを明記しています。この企業倫理綱領の考え方のもと、事業活動におけるコンプライアンス上の課題について、各部門がポリシー・自主基準を設定・運用しています。
また、業務上で関わる相手との関係や、日常的に起こりうるケースを想定し、具体的に取るべき行動や判断の指針を示した「サントリーグループ共通行動指針」を作成しています。この指針は、国内グループ各社の全役員・従業員が常に確認できるようイントラネットに掲載しています。

公正な事業活動を徹底

サントリーグループは「独占禁止法」をはじめとする各種法令を遵守し、公正な事業活動を行うことを事業の大前提としています。1992年に「独占禁止法遵守指針」を定めて以来、法改正や環境変化に合わせて指針を改定、運用しています。 「キャンペーンに関する景表法上の留意事項」「下請法遵守マニュアル」のイントラネットへの掲載や、各部門・グループ会社向けの定期的な説明会の実施など「独占禁止法」および関連法規の周知と遵守徹底を図っています。
また、お取引先やお客様に対する日々の活動において公正さを確保するべく、商品開発、販売、マーケティングの企画段階から専門部署が積極的に関わり、法令遵守の観点から関係部署の対応方針や活動を検証しています。

事業活動の透明性を保つために贈収賄などを禁止

サントリーグループは「企業倫理綱領」の中で、政治・行政・関連団体や企業など、相手がいかなる法人・個人・団体であっても、過度な接待・贈答を禁止し、法令を遵守した健全で透明な関係を保つことを定めています。
また、The Foreign Corrupt Practices Act(FCPA) 等の世界各国の贈賄に対する規制強化に伴い、2015年にはグローバルスタンダードに合わせた接待・贈答に関する反贈賄宣言を公表しました。2016年にはグローバル反贈賄ポリシーを制定し、接待・贈答に加え、寄付や政治献金などを含めた新たなガイドラインも制定し、従業員に対する周知や研修の実施に積極的に取り組み定期的なモニタリングを実施しています。また、グローバルなコンプライアンス・ホットラインを設置し、通報や相談の体制を構築・運用し、従業員が腐敗行為またはそれを疑われる行為が行われていることを知った場合、速やかにコンプライアンス・ホットラインを通じて連絡することを推奨しています。

汚職に関するリスク評価

サントリーグループでは、有効なデューディリジェンスの実施や取引先との関係性等について周知し、デューディリジェンスを含めたリスク評価の体制構築に努めております。汚職に関する問題で高リスクと評価されたエリア・取引内容については、重点的に活動を進めています。

インサイダー取引防止体制の整備と社内啓発

サントリー食品インターナショナルが東京証券取引所市場に上場していることから、e-ラーニングの実施等によるインサイダー取引防止の徹底に取り組んでいます。

啓発資料

啓発資料

健康経営への取り組み

サントリー食品インターナショナルは、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2022(大規模法人部門)~ホワイト500~」に認定されています。健康経営優良法人制度は、保険者と連携して優良な健康経営を実践している法人を「健康経営優良法人」として認定する制度です。

サントリーグループは、従業員が心身ともに健康でイキイキと働くことは企業としての競争力の源泉そのものと考え、2014年に「健康づくり宣言」を発信。2016年には「健康経営」「働き方改革」を新たにスタートしました。

これまでも、健康セミナー、ヘルスマイレージ、One Suntory Walkなどさまざまな取り組みを継続的に実施。2020年はオンラインフィットネスや、社内カウンセラーによるメンタルヘルス講座を動画配信するなど、新しい働き方に合わせた施策を新たに展開し、一人ひとりが生活習慣の改善目標を掲げ、主体的・継続的に心身の健康促進に取り組んでいます。また、企業の「健康経営」をサポートする新たなサービスとして、“健康行動が続かない”従業員の“健康行動習慣化”をサポートする無料アプリ「SUNTORY+」(サントリープラス)を開発、展開しています。誰でも簡単に続けられる仕組みは、当社グループ内だけでなく導入企業様にも高く評価されています。

当社は今後も「健康経営」「働き方改革」への取り組みを継続し、一人ひとりが元気でイキイキとした生活をおくり、その活力を新たな価値創造へとつなげられるよう挑戦していきます。

健康経営宣言 (2016年制定)

従業員・家族の健康がサントリーの挑戦・革新の源であるという考えのもと、全従業員が心身ともに健康でやる気に満ちて働いている状態を目指します。

基本方針

  • 職場の環境整備や働き方改革を通して、従業員の健康基盤づくりを推進します。
  • 従業員への健康情報の提供や個別支援を通して、ヘルスリテラシー向上に取り組みます。
  • 生活習慣の改善とともに予防、早期発見、両立支援などからだの健康づくりに取り組みます。
  • 一人ひとりがメンタルヘルスを理解し、適切に心のケアができるよう支援します。
  • 取り組みを通して従業員と家族の“人間の生命の輝き”の実現を目指します。
健康経営の考え方

健康白書の作成

サントリーグループ健康経営の取り組みを健康白書としてまとめ毎年公表しています。

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