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人での効能評価でケルセチン配糖体の効能を検証

CTスキャンで200名の被験者の体脂肪を測定

最終的に素材候補を絞り込んだ段階で、人が飲んだときの体脂肪低減効果を確認する試験を始めました。被験者の方にそれぞれの素材が入った飲料を摂取してもらったうえで自転車を漕いでもらい、呼気ガスを採取して脂肪燃焼量を測定するというエネルギー代謝試験を行ったのです。

その結果、ケルセチン配糖体がもっとも脂肪を燃焼しやすいことが判明したので、その先はケルセチン配糖体に絞って、試験が進められていきました。

我々が最終的に目指していたのは、飲料を飲んで「痩せる=体脂肪が減る」ということ。自転車を漕いで脂肪が燃焼していることまではわかりましたが、それだけでは痩せるとまでは言いきれませんから、ケルセチン配糖体が入った飲料を人が継続的に飲んだ場合に体脂肪が減るのかどうかを検証しなくてはなりません。

体脂肪が減るかどうかを評価するには、CTスキャンでお腹の断面を撮って脂肪面積を測るという実験が一般的です。そこで、100名の被験者にケルセチン配糖体の入った飲料を、別の100名にはケルセチン配糖体が入っていない飲料を、被験者の方々にはどちらの飲料か分からないようにして12週間毎日飲んでもらいました。

被験者としては、成人でトクホの体脂肪領域で求められるBMIが25〜30kg/㎡に属する人を中心に募集しました。

体成分分析装置で測定 内臓脂肪測定

また、病気があって治療を要する人はトクホの対象者ではないので、そういう方も除外されます。被験者として参加を表明していただいた人の中にも、治療を要するくらい高血圧の方や血糖値が高い方もいらっしゃいましたので、そういう方は試験よりも先に治療を優先してもらいました。あくまで、肥満気味だけど健康な人が試験の対象だからです。

最期までハラハラさせられた人での効能評価試験

この試験はダブルブラインドの平行群間比較試験といい、第三者が被験者を割り振って、飲んでいる被験者も、評価する研究者も、誰がどっちの飲料を飲んでいるか最後までわからないようにした客観的に評価ができる信頼性の高い試験です。

12週間に及ぶ試験が終わると、いよいよ“キーオープン(※注1)”。誰がどの飲料を飲んでいるのかを記した書類を封印した封筒を開けるわけです。試験を行っている側としては、キーオープンの時まで試験結果がうまくいっているのかどうかわからないわけですから、それまではハラハラドキドキです。

この試験は飲んでいる期間だけでも3カ月、その前段階の準備なども合わせると、結果が出るまでに9カ月ほどかかります。もし、うまくいかなかったら、その9カ月の努力が水の泡になってしまう。キーオープンの日には思わず研究所(当時)近くの水無瀬神宮へお参りに行きました。もう、最後は神頼みです(笑)。

※注1 キーオープンとは検査が全て終了して全データが確定した後に、誰がどちらの飲料を飲んでいたのかを明らかにすることです。

さまざまな試験を通して深まる効果への確信

結局、試験結果を解析してみると、ケルセチン配糖体の入った飲料を飲んだグループのほうが、もう一方のグループよりも脂肪面積が明らかに小さくなっていたことがわかりました。「ケルセチン配糖体を継続して摂取すれば体脂肪が低減する」という我々の仮説がきちんと証明されたのです。

この他にも用量設定試験、体内動態試験、過剰摂取試験など、さまざまな試験を行いました。じつはケルセチン配糖体を使ったヒト試験で体脂肪低減を検証したのは一度ではなく、何度も行っています。最初は緑茶タイプの飲料ではなかったので、その後、特茶のような緑茶タイプのものでもヒト試験を行いましたが、同様に体脂肪低減効果が確認できました。

すごくいい素材に巡り合えたなというのが私の印象です。自分の想定通りの結果が得られるにつれて、自分の中でこの素材の効果に対する確信が強まっていきました。

ケルセチン配糖体を配合した飲料を摂取した群(上記○)では、摂取前に比べ腹部脂肪面積が減少し、ケルセチン配糖体の体脂肪低減効果を確認することができた
  • 第1章 原点
  • 第2章 挑戦
  • 第3章 発見
  • 第4章 探究-1
  • 第4章 探究-2
  • 第4章 探究-3
  • 第5章 創造

※部署名、役職名、写真は、制作(インタビュー)当時のものです。

※部署名、役職名、写真は、制作(インタビュー)当時のものです。

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