Forum:Issue 018 Update: The Future of Energy

Forum Report

2020年12月、サントリー文化財団の「グローバルな文脈における日本」 では二つのオンラインセミナーを開催し、2012年と2013年に取り上げたエネルギー問題について改めて議論した。
世界各国や企業は、緊急かつ困難なエネルギー問題に直面している。生活水準の上昇にともない、低所得国においてエネルギー需要が増加し続ける一方、温室効果ガス排出量の増加は、気候変動リスクとエネルギー転換という課題をつきつける。世界は脱炭素化を急がなければならないが、どのようにそれを実行するのか。気候の危機を考慮するとき、日本および他国のエネルギーはどのようなものになるのだろうか。そして、新型コロナウィスルによるパンデミックはエネルギー環境にどのような影響を与えるのだろうか。
12月7日、最初に日本エネルギー経済研究所特別客員研究員の田中伸男氏と議論を行った。田中氏は、二酸化炭素の回収・貯留の実現可能性、クリーンエネルギーとしての水素の台頭、先進的な原子炉の設計、持続可能な資金調達、化石燃料に対する需要の世界的な変化など、幅広いテーマについて洞察に満ちた分析を行った。
続いて12月21日には、シェル・インターナショナルの主任政治アナリストであるチョー・オン・コン氏を招いた。前回のフォーラムはシェル社による「海」および「山」エネルギーシナリオが発表された後のことであった。今回もコン氏はシェル社の最新のシナリオを提供し、急速に変化する世界のエネルギー情勢、そして気候変動に考慮したパンデミックからの回復の重要性について幅広い議論を行った。