2026.01.05
「山崎品質」を守り抜く。世界から高く評価されるウイスキーを生み出す山崎蒸溜所のこだわりとは?│中村 憲幸

サントリーのものづくりの現場へ訪れて、つくり手たちのこだわりを紹介するシリーズ企画「ものづくりの現場から」。第8回目は、京都の南西・天王山の麓にたたずむサントリー 山崎蒸溜所(以下、山D)。世界から高く評価されるウイスキーを生み出す山Dで、瓶詰工程の設備保全を担う中村 憲幸(のりゆき)さんに話を聞きました。
※この記事は、サントリーグループの社内報『まど』2025年10月号から転載しています。記事内の所属および役職等は取材時のものを使用しています。
Q. 中村さんの業務への「こだわり」について教えてください。
山崎をはじめとするプレミアムウイスキーの瓶詰工程で、設備のメンテナンスやトラブル対応などの保全業務を担当しています。ウイスキーを瓶に充填し、ラベルを貼り、包装する瓶詰工程は、長い年月をかけて育まれたウイスキーを製品として世に送り出す、ウイスキーづくりの最終段階。私たちは、「お客様から美しいと言われるほどの美装」を「山崎品質※」の1つとして掲げ、外観の細部にまでこだわり抜いた製品づくりに日々取り組んでいます。
また、1本でも多くのウイスキーをお客様にお届けするため、「貴重なウイスキーを1滴も無駄にしない」という思いで、充填時の異物混入を防ぐ設備改良など、不良品を出さないための改善活動にも力を入れています。
Q. 今後の目標は?
中堅の立場となった今、周囲に良い影響を与え、より一層「山崎品質」を体現するチームをつくっていきたいです。ウイスキーについて学びを深め、バーや店頭に足を運ぶ中で、製品は中味のクオリティとそれにふさわしい装いがあって初めて一流になるのだと、改めて感じるようになりました。以来、眺めているだけで幸せを感じるような美装を目指し、日々の業務に情熱を注いでいます。こうした仕事の意義を後輩たちにもしっかりと伝承しながら、サントリーウイスキーのさらなる発展に貢献していきたいと思います。
※「美味(おいしい)」「美装(美しい)」「立ち居振る舞い(さすが)」「新たな価値」の4つを山崎品質として掲げている
今回取材で訪れたのはサントリー 山崎蒸溜所
山崎12年の瓶詰工程
1:洗瓶
空の瓶をコンベヤーにセットし、水で内部を洗浄します。洗浄後は瓶の口を下に向けて水を切り、内部に水が残らないようにします。その後、瓶に傷が付いていないかを光を当てながら検査します。キャップを締めると口部の傷は見えなくなってしまうため、この段階では特に口部の確認が重要です。
コンベヤー上で瓶を洗浄、水切りする
瓶に傷がないか、1本1本人の目で検査
2:充填・キャップ締め
異物の混入を防ぐため、衛生基準が管理されたエリアで、充填作業を行います。機械では1分間で約70本充填できますが、超長期熟成の希少なウイスキーなどは、中味を少しでも無駄にしないよう、液量を正確に計測できるホールピペットを使用し、1本ずつ人の手で充填することもあります。充填後はキャップを締め、全数を目視で検査します。
中味の充填
ホールピペット
3:ラベル貼り
ラベルの素材は製品によって異なるため、貼り付け方法も製品ごとに変えています。和紙でできたラベルなど機械での貼り付けが難しい場合は、1枚1枚手作業で貼り付けます。わずかな剥がれやしわ、貼り付け位置のズレ、のりのはみ出しなどが生じないよう、細部にまで注意を払い、美しい仕上がりにこだわっています。
響30年のように、和紙でできている繊細なラベルの製品は、手作業で貼り付けることも
ラベルを貼り付ける機械(ラベラー)
4:全体検査・箱詰
各工程において瓶、中味、キャップ、ラベルそれぞれの検査を実施しますが、最終的に全体の違和感がないか、完成品の外観も目視でチェックします。そして、出荷前の箱詰では、箱の内側との摩擦によってラベルが汚れたり剥がれたりしないよう、1本ずつ丁寧に人の手で作業を行います。
完成品の検査では、何人もの目を通して見逃しを防止
1本1本手で箱詰を行う
※内容・社員の所属は取材当時のものです。