2025.09.08

品質トラブルゼロを目指し、本気で仕事に向き合う。次世代モデル工場「天然水北アルプス信濃の森工場」での挑戦│浅野 雅

品質トラブルゼロを目指し、本気で仕事に向き合う。次世代モデル工場「天然水北アルプス信濃の森工場」での挑戦│浅野 雅

サントリーのものづくりの現場へ訪れて、つくり手たちのこだわりを紹介するシリーズ企画「ものづくりの現場から」。第7回目は、標高3,000m級の山々に囲まれた、サントリー天然水 〈北アルプス〉 のふるさと、サントリープロダクツ 天然水北アルプス信濃の森工場(以下、信濃WP)。品質保証部門で分析機器管理や出荷判定業務を担う浅野 雅(みやび)さんに話を聞きました。

※この記事は、サントリーグループの社内報『まど』2025年7月号から転載しています。記事内の所属および役職等は取材時のものを使用しています。

Q. 浅野さんの業務への「こだわり」について教えてください。

2020年に入社し、白WP(※)での研修を経て、稼働準備中だった信濃WPの製造部門に配属され、21年5月の生産開始に向けた試運転や機械の最終調整を担当しました。当時、環境変化から仕事に集中しきれず、ただ目の前の作業をこなすだけになっていた私の意識を変えたのは、先輩からの「浅野は、まだ本気じゃない」という言葉です。この言葉をきっかけに、仕事への向き合い方を見直し、1つ1つの業務を自分事として全力で取り組み、やり切る姿勢を持つようになりました。この姿勢は、品質保証部門に異動した今も変わりません。業務に関わる法令の読み込みや、過去事例を通じた不具合の要因解析手法の習得など、新たな知識や技術の習得にも積極的に取り組んでいます。

※白WP:天然水南アルプス白州工場

Q. 今後の目標は?

信濃WPは、DX技術を活用した次世代モデル工場として、1本トレース(※)やAIによる高度解析システムなどの先進的な仕組みが整っています。私は現在、これらの仕組みから得られるデータの傾向や意味を的確に読み取り、品質トラブルの未然防止・ゼロ化に貢献できるよう、統計学を学んでいる最中です。
また、製造部門と品質保証部門の両方を経験しているという経歴を生かし、部門間の円滑なコミュニケーションを促す環境づくりにも今後取り組んでいきたいです。日々悩むこともありますが、1つ1つを成長のチャンスと捉え、これからも「本気」で仕事に向き合っていきます。

※1本トレース:製品1本1本と製造情報・品質検査結果を紐づけ、管理するシステム

サントリー天然水の品質保証工程

1:品質検査前の環境整備
試薬の入れ替えや、分析機器のメンテナンス、分析精度を保証するための検量線と呼ばれるグラフの作成など、品質検査のための準備を行います。微量成分を検出する繊細な機器を扱うため、手袋を純水で洗う、機器に衝撃を与えない、など細心の注意を払って作業しています。

分析機器の管に純水を通して洗浄する

2:品質検査
製品に異物が混入していないか、成分や色に問題がないか、時間経過による変化がないかなどを、微生物検査・理化学検査・官能検査・外観検査などさまざまな検査で確認します。信濃WPでは、これら日々の定期検査業務を製造部門が主に担当しているため、製造直後のタイムリーな検査と、異常時の即時対応が可能な体制となっています。

微生物検査室での作業

3:分析結果の傾向管理
品質検査のデータに、異常値や入力漏れがないかを製造部門と品質保証部門で毎日ダブルチェックしています。信濃WPでは、1本トレースを導入しており、出荷後に問題が発生した際に製造時の記録を追跡することができます。私たちが残す記録が後に原因究明の重要な手掛かりになることを意識し、情報を正確かつ詳細に記載するよう心掛けています。

日々の検査結果をデータで確認

4:出荷判定
品質検査結果や製造工程の情報を集約した「出荷判定記録」に基づき、毎日の出荷判定会議で製品の出荷可否を判断します。数値だけではなく、外観も確認し、実際にお客様が手に取った時の印象にも細心の注意を払っています。気になる点があれば、すぐに追加検査や製造現場での確認を行い、スピーディーかつ慎重に安全性を確認した上で出荷を決定しています。

出荷判定会議には、工場長をはじめ、製造・品質保証・工務・事務の各部門の技師長やリーダーらが参加し議論する


実際に製造ラインに足を運び、不具合の有無を確認することも

※内容・社員の所属は取材当時のものです。

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