2025.06.16
連邦政府や議会関係者とのネットワークを構築。アメリカで働くサントリアン

海外で働くサントリアンが、現地で実感する文化や生活、仕事でのトピックスを紹介するシリーズ企画「Hello! From」。第5回目は、アメリカにあるSuntory Americas ワシントン事務所に勤務する宮崎 梨乃さんに話を聞きました。
※この記事は、サントリーグループの社内報『まど』2025年4月号から転載しています。記事内の所属および役職等は取材時のものを使用しています。
Q. どんな会社?
Suntory Americas ワシントン事務所(以下、ワシントン事務所)は、2023年4月に開設された、サントリーホールディングス (以下、SHD)インテリジェンス推進本部(以下、INT推部)傘下の組織です。世界の政治の中心地とも言える、米国の首都ワシントンD.C.に拠点を置き、現在は私を含め従業員3人が働いています。連邦政府・連邦議会関係者やさまざまな分野の専門家とのネットワークを構築し、地政学情勢や米国の政治経済に関する情報を日々収集・分析することで、サントリーグループの戦略策定に貢献することを目指しています。
ワシントン事務所とSuntory Global Spirits Public Affairsチームが同居するオフィス
Q. 経歴は?
15年に入社し、SHD 法務部に配属され、契約審査・法律相談・リスクマネジメント業務に携わりました。21年からシカゴ大学ロースクールに留学し、企業法務を中心とした米国法を学んだ後、ニューヨーク州の法律事務所でM&A業務の研修を受け、コネチカット州の弁護士資格を取得しました。23年からINT推部/Suntory Americasへ異動し、現在はワシントンD.C.に駐在しています。
Q. 現在の仕事内容は?
地政学全般および米国の政治経済に関する情報を収集・分析し、レポートにまとめて社内へ発信しています。例えば、トランプ政権による関税などの通商政策や規制動向、米中・米欧関係、さらには中東情勢やロシア・ウクライナ情勢まで、幅広くアンテナを張っています。一見、サントリーグループの事業とは直接的な関連性が薄いと思われる事象でも、サプライチェーンやマクロ経済への影響を通じて深く関わっています。あらゆる事象が有機的につながっていることを実感できる、とても刺激的な業務です。
連邦議会スタッフを招いた大使館主催イベントにて。こうした場でのネットワーキングも重要な業務の1つです
Q. おすすめスポットは?
ホワイトハウスや議会議事堂、リンカーン記念堂など有名観光スポットが立ち並ぶワシントンD.C.。その中でもゆっくり訪れてほしいのが、世界的に名高いスミソニアン博物館群です。月面着陸したアポロ11号や人類初の飛行機を展示する国立航空宇宙博物館、映画『ナイトミュージアム2』の舞台にもなった国立自然史博物館、国宝級の日本美術コレクションを誇る国立アジア美術館など、見どころが盛りだくさん。数ヵ月かけても、その魅力を堪能しきれないほど充実しています。
国立アジア美術館の日本美術コレクション
ワシントンD.C.ならではの光景
世界の政治の中心地だけあって、ワシントンD.C.では政治イベントやデモが日常の一部となっています。ホワイトハウスの前でプラカードを掲げる人々の姿は珍しくなく、今年1月の大統領就任式の際には、市内の自宅周辺までもがセキュリティフェンスで封鎖され、外出も配達の受け取りもできない状況に。政治的な重要イベントが市民の日常生活と交錯する様子は、ワシントンD.C.ならではと感じます。
政治イベントにて、トランプ大統領の選挙バスに応援メッセージを書き込む支持者たち
大統領就任式前日、封鎖された自宅周辺の道路
一緒に働く仲間から
Clara Keussさん
私たちワシントン事務所は、米国の通商政策、政治動向、そして政府機関や議会での動きなど、幅広い地政学的分析をサントリーグループに提供しています。その一環として、当事務所を活用して日米両国政府関係者や企業幹部との情報交換を行うとともに、各国大使館主催のイベントなどに積極的に参加したりと、さまざまな関係者とのネットワーク構築に努めています。これらの活動を通じて、グループの意思決定プロセスが、より確実な情報に基づいた透明性と正確性の高いものとなることを目指しています。
ワシントン事務所メンバー(左から、Clara Keussさん、清水梨江子所長、宮崎さん)
※内容・社員の所属は取材当時のものです。