Yasuhumi
Nishijima 西嶋 泰史

サントリー食品インターナショナル株式会社
食品事業本部 経営企画部

入社後、健康科学研究所に配属され、セサミンやウーロン茶などの健康機能研究に携わる。入社5年目に米国MBAに2年間留学し、経営学を学ぶ。その後、北米ペプシコ社や米国サントリーインターナショナルに出向。入社10年目に帰国し、サントリー食品事業部に異動。伊右衛門の米国販売プロジェクトや東南アジアでの炭酸飲料マーケティングなどに携わる。現在、経営企画部に所属し、グローバルマーケティングを担当する。

Project

機能性飲料「OVI」のブランド展開へ。
世界の名だたる飲料メーカーを次々と傘下に収め、サントリーグループのグローバル化を牽引してきたサントリー食品インターナショナル(SBF)。機能性飲料「OVI」をフルコアグループと共同開発し、オーストラリア市場での展開をスタートさせた。世界に打って出るべくサントリーが選択したのは、炭酸飲料市場ではなく、緑茶を使用したハイドレーション飲料(機能性飲料・フレーバーウォーター・茶飲料など)という新しいカテゴリー。非炭酸飲料カテゴリーは、世界で同じ味を打ち出す炭酸飲料ビジネスとは異なり、極めて地域性が高く、サントリーならではのローカライズ能力を発揮できる市場である。さらには、グループ会社のグローバルシナジー効果をどのように有効活用できるか、その力が試される開発ともなった。オーストラリアにおけるサントリーブランド初の清涼飲料水になる機能性飲料「OVI」の展開は、グローバル市場での新たな市場創出にチャレンジするとともに、グローバル戦略のいっそうの加速化を狙ったプロジェクトである。
グローバルシナジーをフルに活用し、
世界各国のグローバル展開をサポート。

現在、SBFには世界各国にグループ会社があり、それぞれのトップ・ローカルブランドがグローバル市場でのブランド展開を積極的に進めています。私の役割はグループ全体を統括する観点からグローバルヘッドクオーターとして、これらのブランドをグローバルブランドとして展開していくための戦略をサポートしていくことにあります。例えば、オーストラリアのブランドをアメリカやアジア市場にもっていく場合、その地域の市場を分析しマーケット情報を提供したり、ブランドの強み・弱みを見極めてブランド展開をサポートしたり、あるいはある地域で新しいブランドを出す場合、サントリーが培ったマーケティング力や研究開発力を提供したり、逆にグループ会社からの力を借りたり、お互いの持ち味や得意分野を活かして世界で勝負していこうというものです。いわばグローバルマーケティング活動の作戦本部といったところでしょうか。

新しい飲料カテゴリーとなる緑茶を使用した機能性飲料の開発へ。

今回のオーストラリア向け機能性飲料「OVI」ブランドの開発は、グローバルシナジーをどれだけ発揮できるか、その力が試される大きな機会となりました。そもそもの発端は、エナジードリンク「V」を展開するフルコア社がオーストラリアでお茶を出したいというのが始まりでした。オーストラリアの飲料市場は、炭酸飲料や果汁入り飲料が約7割を占めていますが、その一方で、消費者の健康志向が高まるなかで、甘さやカロリーを抑えた清涼飲料に対する消費者ニーズが広がりつつありました。その伸長する市場にお茶を投入したいというのがフルコア社の考えでした。

しかし、オーストラリアの消費者ニーズを徹底的に掘り下げてみると、お茶そのものの味が好きなわけじゃない、健康に良いとされるお茶の成分に関心があることが分かってきたのです。そこで緑茶に含まれる抗酸化成分を使用した新しい水分補給飲料-機能性飲料を開発しようということになりました。基本的な味の骨格はSBFが開発し、フレーバーリングは現地で行い、パッケージのデザインはSBFが担当するという、共同開発がスタートしました。とはいえ、お互いの担当分野に関しても意見をぶつけ合い、徹底的なディスカッションが行われ、最初のコンセプトづくりにも多くの時間が費やされました。
私たちのチームも2ヶ月に1回は現地に足を運び、長期滞在をしながら徹底的なマーケティングを実施。サントリーの「消費者ニーズを徹底的に汲み取る」というマーケティング手法は、現地のスタッフも驚かせたようです。結局、1年ほどの開発期間が2年に延長され、生みの苦しみを味わうことになりました。

国を超えた協力体制で、
さらなるグローバル化の加速化へ。

「OVI」というブランド名も100近い候補から選ばれたもので、コンセプトの一つである体に悪い余分なものは一切はいっていないという「シンプルさ」と健康に良い「天然性」をアピールしたものです。「O」はびっくりの「O」、「VI」はバイタリティの「生き生きさ」。実は後でフランス人スタッフから指摘されたことですが、フランス語で水を「eau(オー)」といい、生命のことを「vie(ヴィ)」というそうで、まさに「命の水」というコンセプト通りのネーミングになりました。
今回の「OVI」はSBFにとっても初めての海外ブランド開発でもありましたので、既存のブランドをどうローカライズするかというマーケティングとは異なり、最初のコンセプトづくりに苦労はしましたが、SBF、フルコア社双方にとって今後のグローバルブランド展開をするうえで大きな収穫を得たと思います。

例えば、現在、フルコア社の主要ブランドであるエナジードリンク「V」をイギリスで展開するための戦略立案が進行中ですが、サントリー、フルコア、ルコゼードライビーナサントリーの3社で徹底的なディスカッションが行われています。こうした国を越えた協力体制がさらなるグローバル化を加速させると確信しています。

 PROJECT
MEMBERプロジェクトメンバー
レミー・コウビ

Lemmy Koubbi

レミー・コウビ

サントリー食品インターナショナル株式会社 経営企画部

世界のどこにもない新しい飲料水の開発。

私は2009年にオランジーナに入社し、サントリーによる買収に伴い、サントリーアジアの拠点があるシンガポールで、インドネシアやベトナム・タイなどの東南アジア地域でのマーケティング業務に携わるようになりました。今回の「OVI」のブランド開発では、ローカルチームと一緒になって、オーストラリア市場で新製品を出すためのさまざまな準備に関わりました。消費者が何を求めているのかといったリサーチから、新商品が既存の製品と何が違い、それをどう打ち出していくか、ローカルチームとワークショップを開いたり、ディスカッションをしたりしながら、最適なコンセプトづくりを目指しました。
とりわけ私が取り組んだのが科学的なアプローチからのリサーチ。「OVI」には緑茶から抽出した抗酸化成分が使われているのですが、それを徹底的に調査し、オーストラリア市場で出ている飲料とはまったく異なる、人工甘味料とか保存料などを一切使わない、本当に健康に良い飲料水にこだわりました。私は世界各国の市場を見て回ってきていますが、「OVI」のような製品は世界のどこにもありません。その意味で新しいカテゴリーの飲料水を作り出したという自負があります。今後、オセアニアにとどまらず、アメリカ、ヨーロッパへとグローバル展開ができる力を秘めたブランドだと思っています。

小数賀 仁志

Hitoshi Kosuga

小数賀 仁志

サントリー食品インターナショナル株式会社 経営企画部

「世界のサントリー」を目指し、数多くの海外ブランド展開に関わりたい。

2014年秋に機能性飲料「OVI」がオーストラリアで発売された後、経営企画部に異動になり、グローバルマーケティングを担当することになりました。現在、「OVI」に関わる私の役割は、オーストラリア市場での「OVI」の販売拡大を目指して、現地のローカルブランド担当や販売担当者と一緒にさまざまな施策を練り上げていくことです。ローカルのスタッフはオーストラリアの市場をよく知っていますが、「OVI」のブランドコンセプトは私たちが熟知しています。お互いの情報を交換し合いながら、最適なマーケティングを実施していくことが私たちのミッションになります。
もう一つ、グローバルマーケティング担当者としての役割は、ブランドロールアウトと呼ばれるもので、サントリーの国内ブランドを海外市場で展開する場合、それらの製品をローカライズすべきか、そのまま展開すべきかを考えたり、ローカルのスタッフと一緒にマーケティングを行ったりすることです。現職に異動する前、酒類部門で、輸入酒を日本で販売する際の国内マーケティングや、反対にサントリーの酒類ブランドを海外で販売するマーケティングに携わっていました。酒類と飲料という違いはありますが、これまでのキャリアが現在の仕事にも大きく活かせると思っています。「世界のサントリー」として、数多くの海外ブランドを展開させていきたいですね。

高橋 みずほ

Mizuho Takahashi

高橋 みずほ

サントリー食品インターナショナル株式会社 商品開発部

日本の「お茶文化」を、日本の「おいしさ」を、世界に。

今回の「OVI」の開発では味の開発を担当しました。私たちは毎日のようにお茶を飲んでいますのでお茶の渋さは気になりません。いやむしろ、日本人にとってその苦渋さこそがおいしいと感じる秘密です。オーストラリア人にとってはその苦渋さが飲みにくい、しかし、緑茶が持っている成分が健康に良いことはアピールできる、そこが今回の開発のキーポイントでした。健康にも良くて、しかもおいしい。緑茶の価値をどう感じ取ってもらうか、その味と健康感のバランスをどう取るかが最も苦労をしたところです。私たちにとってはまったくお茶が入っていないと感じる味でも、オーストラリア人にとってはお茶の味を感じてしまう。そこで複数のお茶をブレンドすることで、緑茶の香りを残しながら、渋さを抑えるという味の設計をしました。これまでベトナムにCCレモンや日本へオランジーナとローカライズの開発に携わってきましたが、日本とは、季節も、気温も、気候も違い、当然味の嗜好もまったく異なります。その違いを的確に掴んで、どうローカライズしていくか。ローカルチームからの意見や情報がとても重要になってきます。幸いSBFには世界各国に海外グループ会社のR&Dやマーケティングチームがおり、これまでに彼らが培ってきた開発力(ローカライズ能力)の蓄積がありますから、新しい商品を生み出す際には大いに助けられています。今回の「OVI」開発を機会にして、これからさらに日本の「お茶文化」を世界に広めていけたらと思っています。

MOVIEプロジェクトメンバーのウラ話し
Yasuhumi Nishijima
Lemmy Koubbi
Hitoshi Kosuga
Mizuho Takahashi