サントリーホール(所在地:東京都港区、館長:堤 剛)は、昨年開館30周年を迎えました。
これを機に2017年2月より7ヶ月間にわたり、全館改修ならびに増築棟の建築工事を
行ってまいりましたが、このたび9月1日にリニューアルオープンの運びとなりました。
今回の改修にあたっては、基本コンセプトに「伝統の継承と革新」を掲げ、「伝統の継承 ― 響と意匠」「ダイバーシティデザイン ―すべてのお客様のために」「設備のさらなる充実 ― 次世代音楽空間創造へ」の3つのテーマに沿って取組みました。
サントリーホールは、「世界一美しい響き」をめざし、
(1)創造的で質の高い自主企画公演の提供
(2)音楽文化の継承と発展をめざしたエデュケーション活動
(3)より世界に開かれたホール
を指針に、今後も“サントリーホールでしかできないこと”、“サントリーホールだからできること”に挑戦し、活動してまいります。
○全館改修工事の基本コンセプト (詳細は後記の参考資料を参照ください。)
1.伝統の継承
1986年のオープン以来、“世界一美しい響き”のホールという理想を追求しています。今回の改修にあたっても、響きとその雰囲気を継承し守り続けていくことを大切にしました。
2.ダイバーシティデザイン
様々なお客様により快適にお過ごしいただけるよう、ダイバーシティデザインへの対応を図りました。ホールはヴィンヤード形式による設計のため、勾配なども多く物理的な制約はありますが、さまざまな箇所で工夫し、可能な限りの改修・整備を行いました。
3.設備のさらなる充実
近年の音響・照明の技術革新は目覚しく、今回の改修ではそうした最新技術も積極的に取り入れ、設備の充実を図りました。舞台・客席照明をLED化するとともに、デジタルサイネージやレーザープロジェクターも導入しました。
○リニューアル記念公演について
サントリーホール改修後の新しい幕開けとなる「Reオープニング・コンサート」のメイン・プログラムはロッシーニの『ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)』で、2013年にロッシーニ財団より出版された全集版楽譜を使用して演奏します(日本初演)。オーストリアのリーガー社から技術者を招いて大規模なオーバーホールを行ったオルガンが荘厳に鳴り響き、フル・オーケストラと大合唱で進化したサントリーホールを堪能いただきます。
[写真・資料のご請求、ご取材・お問合せ] サントリーホール 広報部 TEL 03-3505-1002 FAX 03-3505-1007 〒107-8403 東京都港区赤坂1-13-1 http://suntory.jp/HALL/ |
参考資料(1)
サントリーホール リニューアルについて
サントリーホールでは、昨年の開館30周年を機に、お客様によりご満足いただけるホールを目指して、今年2月より7ヶ月間にわたり、過去最大規模の全館の改修工事を行ってまいりました。
その改修の概要についてご説明いたします。
<改修の3つのテーマ>
1.伝統の継承
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客席椅子は、建設時と同じ素材・色・柄の |
舞台床板の全面張替えを行いました |
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オルガンのパイプを取り外し、オーバー |
ブルーローズ 床の寄木細工の全面張替えを |
2.ダイバーシティデザイン
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段差のないアプローチによる |
ウエストエントランスから、新設の大ホール |
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大ホール2階に車椅子スペースを新設しました |
1階ホワイエにスロープを増設しました |
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大ホールのトイレを増設女性トイレには |
女性トイレの洗面台を増設 |
3.設備のさらなる充実
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客席・舞台照明のLED化を行いました |
館内8箇所にデジタルサイネージを導入しました |
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楽屋内の家具を更新して、より快適なスペース |
最新のミキシング・コンソール(調整卓)に |
参考資料(2)
主な改修ポイント
1.大ホール
●内装:壁/床の美装
●舞台床:舞台床板全面張替え
●客席椅子:布地、クッションの張替え及び木部補修
●舞台特殊設備
(舞台機構)
舞台迫分割による迫数増加 計37→39台 迫形状の改善 調整卓更新
舞台吊物更新:吊物ワイヤー、滑車等の更新
(舞台音響)調整卓、吊りマイク装置等更新
(舞台照明)舞台シャンデリア・客席照明のLED化(一部除く)、調光器更新
●オルガン:オーバーホールによる清掃と整音・調律、メモリーシステム、送風システム更新
2.ブルーローズ(小ホール)
●内装:天井/壁/美装、床/寄木細工床張替え
●客席椅子:布地、クッションの張替え及び木部補修
●舞台特殊設備
(舞台機構)
舞台吊物更新:スクリーン・プロジェクター(4K対応レーザー)更新
(舞台音響)調整卓、スピーカー等更新
(舞台照明)舞台照明・客席照明のLED化(一部除く)、調光器更新
3.ダイバーシティデザイン
●エントランス:ウエストエントランス新設
●エレベーター:1、2階客席用新設
●トイレ:1、2階 増築
男性用:小10個、大4個、洗面7個 女性用:12個 多目的1個、洗面8個
オールジェンダートイレ表示導入
女性用トイレに空室表示サイン・化粧直しカウンター設置、動線改善
●ホワイエ:スロープ2箇所増設(段差解消機に代わる、1階下手袖)
●大ホール客席:2階車椅子スペース新設(2台分)
4.そのほか
●楽屋:内装・家具更新
●チケットセンター:窓口改修、デジタルサイネージ追加
●エントランス:パイプオルゴールのオーバーホールと部品更新
●館内スプリンクラー設備配管更新
●館内ポスター:デジタルサイネージに更新
●館内モニター:デジタル化
参考資料(3)
▼基本情報
ホール名称:サントリーホール
所在地:東京都港区赤坂1-13-1
開館:1986年10月12日
沿革:
サントリーホールは、サントリー創業以来の社会貢献・文化活動の一環として1986年10月に開館した、東京初のコンサート専用ホールです。大ホールには、日本初のヴィンヤード(ぶどう畑)形式の客席配置を採用し、音響効果など、高い評価をいただいています。
米国のカーネギーホール(2006年)、オーストリアのウィーン楽友協会(2006年)とパートナーシップ契約を結んでいますが、昨年開館30周年を機に、東南アジアのハブ・エリアであるシンガポールの総合文化施設「エスプラネード」とも中長期的な協力関係を構築し、グローバルな活動を一層強化しています。またシンガポール国立大学ヨン・シュー・トー音楽院とサントリーホール室内楽アカデミーの交流プロジェクトを行っていて、来年3月には、さらなる協同プロジェクトとして、室内楽アカデミーのファカルティとフェローがシンガポールに招待され、現地で共に音楽を学び、ヨン・シュー・トー音楽院のコンサートホールと1900年代初頭に建てられた歴史あるヴィクトリア・コンサートホールでそれぞれ公演を行う予定です。
「世界一美しい響きをめざして」という理念に基づき、今後もグローバルな活動を展開してまいります。
▼組織
名誉館長:佐治 信忠
館長 :堤 剛
総支配人:市本 徹雄
支配人 :尾崎 勝吉
以上