公益財団法人サントリー文化財団(理事長 鳥井信吾)は、2020年度「若手研究者のためのチャレンジ研究助成」として、応募総数184件のうち、16件を助成対象に決定しました。助成総額は1,461万円です。
本助成は、人文学、社会科学の分野において、学問的に新しい視点を持ち、社会的にも広がりのある研究を志す、意欲的な若手研究者のサポートを目的としています。助成期間中には、助成を受けた方々が異分野の識者に対して研究報告を行う場を設け、学際的視野を広げる機会を提供します。
本年度の助成対象は、「チャレンジ研究助成」の趣旨にふさわしい、意欲的で斬新な試みを行う26歳から35歳までの16名の若手研究者の研究に決定しました。いずれの研究も、それぞれの専門分野において独自の着想に基づくものであると同時に、多方面への広がりや発展性が見込まれるもの、従来の学問や現代の社会問題に新たな視点を提示するものなど、今後の可能性や将来の飛躍を期待できる内容です。
*選考委員
五百旗頭 真氏(兵庫県立大学理事長)
白石 隆氏(熊本県立大学理事長)
武田 徹氏(ジャーナリスト・評論家)
張 競氏(明治大学教授)
福岡 伸一氏(青山学院大学教授)
柳川 範之氏(東京大学教授)
*この件に関するお問合せ先
公益財団法人サントリー文化財団 「若手研究者のためのチャレンジ研究助成」係
Tel 06-6342-6221 Fax 06-6342-6220
ホームページ https://www.suntory.co.jp/sfnd/
2020年度 若手研究者のためのチャレンジ研究助成 助成先一覧
No. | 氏名 | 所属・肩書き | 研究テーマ |
---|---|---|---|
1 | 安齋 詩歩子 | 横浜国立大学都市イノベーション研究院 非常勤教員 |
触覚によるファッション研究の更新 ―― 布、衣服の触覚性および「接触愛好」の観点から |
2 | 加藤 真生 | 名古屋大学大学院人文学研究科 博士後期課程 |
帝国日本の形成と日本陸軍軍医部の学術ネットワーク ― 学知の交換・共有に注目して ― |
3 | 河村 悠太 | 日本学術振興会特別研究員PD (受入機関:神戸大学大学院人文学研究科) |
消費者の購買意思決定プロセスにおける他者志向的欲求の役割 |
4 | 貞包 和寛 | 東海大学文化社会学部 非常勤講師 |
言語をめぐる欧州の多国間政治 ヨーロッパ的言語観の形成史 |
5 | 塩田 宝澍 | 名古屋大学大学院人文学研究科 博士後期課程 |
上座部仏教における文芸理論 |
6 | 高宮 秀典 | 東京大学大学院法学政治学研究科 博士課程 |
参議院の人材的な独自性と政治的帰結:参議院の民意反映機能とシニア性に着目して |
7 | 田中 醇 | 九州大学大学院経済学府 博士後期課程 |
戦前期西日本地域における食文化形成と醸造家経営の相互作用 ― 経営史の視点から ― |
8 | 田中 里奈 | 明治大学国際日本学部 助教 |
ドイツ語圏・日韓間のミュージカル輸出における連鎖反応の研究 |
9 | 土田 千愛 | 東京大学大学院総合文化研究科 博士後期課程 |
戦後日本の出入国管理政策の変遷 ― 難民保護の政策形成過程の分析より |
10 | 中井 杏奈 | 中央ヨーロッパ大学歴史学部 博士後期課程 |
冷戦時代の中央ヨーロッパにおける「地下大学」:証言と資料の多様性 |
11 | 中村 融子 | 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 5年一貫制博士課程 |
アフリカ現代美術第3世代試論 ― キング・フンデックピンクと陶芸を起点に ― |
12 | 藤田 高成 | トロント大学人類学科 博士課程 |
モノとしての住宅と公共性:現代社会主義制下のハノイにおける公共住宅の物質的変容 |
13 | 増永 理考 | 京都大学大学院文学研究科 非常勤講師 |
ローマ帝政前期のギリシア人による言論空間の形成をめぐる研究 |
14 | 村木 数鷹 | 東京大学大学院法学政治学研究科 博士課程 |
マキァヴェッリの歴史叙述と政治思想 |
15 | 村田 優樹 | 東京大学大学院人文社会系研究科 博士課程 |
ロシア革命・内戦期の中東欧における「民族」の政治単位化 ― ウクライナを中心に ― |
16 | 山本 繭子 | フランス国立社会科学高等研究院レイモン・アロン社会学政治学研究センター 契約博士課程学生 |
公教育とイスラームの〈相互浸透〉:ムスリム私立学校における市民権形成の英仏比較 |
(敬称略、肩書きは申請当時、氏名50音順)
以上