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ニュースリリース
  • 〈ご参考資料〉(2017/12/20)
  • 公益財団法人 サントリー生命科学財団

公益財団法人 サントリー生命科学財団が
ゴマに含まれるセサミン代謝酵素遺伝子を世界で初めて同定

自然科学分野の総合学術誌「Nature Communications」で公開

 公益財団法人 サントリー生命科学財団は、富山大学、サントリーグローバルイノベーションセンター(株)、龍谷大学、神戸大学との共同研究により、代表的なゴマリグナンの一種セサミンを代謝し、セサモリンとセサミノールを生成する酵素遺伝子を世界で初めて同定しました(図1)。これにより、すでに生合成酵素が判明しているセサミンと併せて、主要なゴマリグナンの生合成酵素が明らかになりました。この結果は、自然科学分野の総合学術誌「Nature Communications」の2017年12月18日のオンライン版に公開されました。

【発表論文】
“Oxidative rearrangement of (+)-sesamin by CYP92B14 co-generates twin dietary lignans in sesame”
Nature Communications DOI: 10.1038/s41467-017-02053-7

村田 純1†、小埜 栄一郎2†、鎧塚 清吾3†、豊永 宏美2、白石 慧1、森 祥子1、寺 正行1、東 鋭明1、永野 惇4,5、中安 大6、水谷 正治6、若杉 達也3、山本 将之3*、堀川 学1*

1 公益財団法人 サントリー生命科学財団 生物有機科学研究所
2 サントリーグローバルイノベーションセンター(株) 研究部
3 富山大学大学院 理工学研究部
4 龍谷大学 農学部
5 科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業(CREST)
6 神戸大学大学院 農学研究科
†共同筆頭著者、*共同責任著者

【研究の背景】
 ゴマは、紀元前4000年にはすでに広く栽培されており、栄養価の高い食品として利用されてきました。近年、代表的なゴマリグナンの一種セサミンに抗酸化活性、抗腫瘍活性、肝臓保護活性などが期待されることから、ゴマリグナンの健康に対する機能性が注目されています。セサミンの生合成酵素は明らかになっていましたが、一方でセサミンと類似したゴマリグナンであるセサモリンやセサミノールの生成については未解明でした。

【研究の内容】
 セサモリンを蓄積しないゴマ系統と蓄積するゴマ系統の交配により得られた種子を用いた遺伝解析により、セサモリン生成に関与するP450様の新しい酵素遺伝子を見出しました。この遺伝子を酵母で発現させ酵素活性を確認したところ、セサミンを基質とし、セサモリンとセサミノールの両方を生成する遺伝子であることを世界で初めて明らかにしました(図1)。この酵素遺伝子はCYP92B14と名づけられ、国際的に登録されました。
 また、重水素標識したセサミンを用いた酵素反応生成物を分析した結果、新規な酸化反応機構を見出しました。これにより、セサモリンとセサミノールの生成メカニズムを世界で初めて明らかにすることができました。

【今後の展望】
 セサモリンは、ゴマ油の劣化・酸化を防ぐことが知られているため、今回明らかにしたCYP92B14がゴマ油の品質維持に寄与していることが示唆されます。本酵素遺伝子の発現や反応特性をコントロールすることができれば、機能性成分の効率的な生産に繋がることが期待されます。さらに、CYP92B14による酵素反応は新規な酸化反応であることから、これまで酸化が困難だった化合物の有用な化学変換方法としても期待されます。

●公益財団法人 サントリー生命科学財団
サントリー2代目社長 佐治敬三の「これからの日本は学問や文化を通じて、世界の平和と繁栄に貢献していくべき」との考えのもと、1946年に設立された財団法人食品化学研究所を前身としています。生物有機化学分野での生命現象に関わる基礎研究および関連する科学の振興をもって人類の幸福と繁栄に寄与することを目的とし、独自の研究所である生物有機科学研究所において生命科学分野の基礎研究を実施しています。また、1980年に開始した我が国で初めてのポスドク制度や、若手研究者のグラント、大学院生のスカラーシップなど、科学人材の輩出に有効な人材育成事業ならびに奨励助成事業を進めています。


以上

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