公益財団法人サントリー文化財団(理事長 鳥井信吾)は、第38回「サントリー学芸賞」を下記の8名に贈呈することに決定しました。贈呈式は12月12日(月)に東京で行う予定です。
本賞は「政治・経済」「芸術・文学」「社会・風俗」「思想・歴史」の4部門に分かれ、正賞として楯、副賞として200万円を贈呈します。毎年、前年1月以降に出版された著作物を対象に選考し、広く社会と文化を考える、独創的で優れた研究、評論活動をされた方を顕彰しています。1979年の本賞創設以来、受賞者の数は今年度を含め321名にのぼります。
<受賞者および対象作品>
〔政治・経済部門〕
塩出 浩之(しおで ひろゆき)(琉球大学法文学部教授)
『越境者の政治史 ―― アジア太平洋における日本人の移民と植民』(名古屋大学出版会)
白鳥 潤一郎(しらとり じゅんいちろう)
(北海道大学大学院法学研究科附属高等法政教育研究センター協力研究員)
『「経済大国」日本の外交 ―― エネルギー資源外交の形成 1967~1974年』(千倉書房)
〔芸術・文学部門〕
池上 裕子(いけがみ ひろこ)(神戸大学大学院国際文化学研究科准教授)
『越境と覇権 ―― ロバート・ラウシェンバーグと戦後アメリカ美術の世界的台頭』(三元社)
沖本 幸子(おきもと ゆきこ)(青山学院大学総合文化政策学部准教授)
『乱舞の中世 ―― 白拍子・乱拍子・猿楽』(吉川弘文館)
金沢 百枝(かなざわ ももえ)(東海大学文学部教授)
『ロマネスク美術革命』(新潮社)
〔社会・風俗部門〕
木村 洋(きむら ひろし)(熊本県立大学文学部准教授)
『文学熱の時代 ―― 慷慨(こうがい)から煩悶(はんもん)へ』(名古屋大学出版会)
〔思想・歴史部門〕
熊谷 英人(くまがい ひでと)(明治学院大学法学部専任講師)
『フランス革命という鏡 ―― 十九世紀ドイツ歴史主義の時代』(白水社)
高山 大毅(たかやま だいき)(駒澤大学文学部講師)
『近世日本の「礼楽(れいがく)」と「修辞」 ―― 荻生徂徠以後の「接人(せつじん)」の制度構想』(東京大学出版会)
-敬称略-
<選考経過>
2015年1月以降に出版された日本語の著作を対象に「政治・経済」「芸術・文学」「社会・風俗」「思想・歴史」の4部門において各選考委員より優れた作品が推薦され、2回にわたる選考委員会での審議を経て、受賞者および作品が決定されました。
選考に際しては、個性豊かで将来が期待される新進の評論家、研究者であること、本人の思想、主張が明確な作品であることに主眼が置かれています。また、代表候補作品だけでなく、これまでの一連の著作活動の業績を総合して選考の対象としています。
<選考委員>
政治・経済部門
五百旗頭 真(熊本県立大学理事長)
猪木 武徳(立命館大学客員教授)
大竹 文雄(大阪大学教授)
北岡 伸一(国際協力機構理事長)
船橋 洋一(日本再建イニシアティブ理事長)
芸術・文学部門
大笹 吉雄(演劇評論家)
沼野 充義(東京大学教授)
三浦 篤 (東京大学教授)
三浦 雅士(文芸評論家)
渡辺 裕 (東京大学教授)
社会・風俗部門
奥本 大三郎(埼玉大学名誉教授)
川本 三郎(評論家)
玄田 有史(東京大学教授)
佐伯 順子(同志社大学教授)
袴田 茂樹(新潟県立大学教授)
思想・歴史部門
岩井 克人(国際基督教大学客員教授)
鹿島 茂 (明治大学教授)
苅部 直 (東京大学教授)
田中 明彦(東京大学教授)
鷲田 清一(京都市立芸術大学学長)
-敬称略-
<公益財団法人サントリー文化財団について>
当財団はサントリーの創業80周年を記念して1979年に設立されました。以来、わが国の国際化、情報化の時代に応えて、社会と文化に関する学術研究の助成、これらの分野における優秀な人材の育成をめざし、わが国および世界の学術文化の発展に寄与することを目的に事業を進めて参りました。2010年5月に財団法人から公益財団法人に移行しました。
ホームページ http://suntory.jp/foundation/
以上