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ニュースリリース

2015年7月29日

〈ご参考資料〉

サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社

水利用が環境に及ぼす影響について
水源の違いを考慮した新たな指標を開発
― スイスの科学誌「Sustainability」に論文が掲載されました ―


 サントリーグローバルイノベーションセンター(株)が東京大学、東京都市大学、国立環境研究所と共同で開発した、水利用が環境に及ぼす影響の指標「Water Scarcity Footprint」に関する論文※1が、7月23日(木)にスイスの科学誌「Sustainability」※2に掲載されました。
 ※1 論文の一部は2014年7月に発表し、第6回日本LCA学会賞を受賞
 ※2 環境、文化、経済、社会などさまざまな視点からの持続可能性を取り扱うスイスの科学誌

▼論文名

  “Water Scarcity Footprints by Considering the Differences in Water Sources”
「水源の違いを考慮したWater Scarcity Footprintについて」

▼共同研究グループ

  サントリーグローバルイノベーションセンター(株)水科学研究所 矢野伸二郎研究員
東京大学 生産技術研究所 沖大幹教授
東京都市大学 環境学部 伊坪徳宏教授
国立環境研究所 地球環境研究センター 花崎直太主任研究員

【研究の背景】
 水資源は、食料や製品の原材料調達から生産、消費までのライフサイクルそれぞれで利用されますが、時間や場所、水源の環境によってその希少性には違いがあります。しかし、これら水の希少性の違いを反映し、客観的に水利用の影響を評価する指標はこれまでありませんでした。
 今回、水利用が環境に及ぼす影響について、水源の違いなどを考慮した新たな指標の作成に取り組みました。

【論文の概要】
 水利用が環境に及ぼす影響は、各水源から単位量の水を得るのに必要な土地面積または時間に比例すると仮定します。全球平均年降水量を参考に、1m2で1年間に1m3の水を得られる状態を基準状態としたときに、水源環境の違いによる特性化係数「water unavailability factor (fwua)」は、(図1)で得ることができます。

(図1)

この係数を水の消費量と掛け合わせることにより、水源環境・場所による水の希少性を反映した、水利用が環境に及ぼす影響を数値化することができます。
 以上は、ISO(国際標準化機構)によるライフサイクルアセスメント(LCA)※3の国際規格に沿った環境影響評価の手法であり、本手法は農林水産省による「農林水産物を対象としたWF(ウォーターフットプリント)算定事例」にも活用されています。
 ※3 製品の原材料調達、生産、消費を含むライフサイクルにおける潜在的な環境影響を評価する手法

【今後の期待】
 今回開発した新たな指標は、場所や水源による水の希少性を反映したもので、水利用の環境への影響をより精査することができ、今後世界的に活用されることが期待されます。また、企業などの水源涵養活動がもたらす効果を評価することが可能になると考えられます。

〈「水科学研究所」について〉
 サントリーグループは「人と自然と響きあう」を企業理念とし、水を生業とする企業として水を守り、大切に使い、自然に還すことは、企業としての社会的責任を果たし持続可能な社会を実現するために重要なことと考えています。私たちの利用する「水」への理解を深め、未来に向けて「水資源」を守っていくために「水科学研究所」を設置しました。水文学を基盤とした水源を育む森と水の研究をはじめ国内外の水資源の研究、さらには総合酒類食品企業として水における健康や嗜好に関する研究など、「自然界の水」から「生体内での水」まで包括的な理解のための研究と知見の普及を進めています。

▼サントリーグローバルイノベーションセンター(株)水科学研究所ホームページ
  https://www.suntory.co.jp/sic/research/mizu/



以上

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