ニュースリリース

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ニュースリリース

No.sma0008   (2014.12.18)

サントリー美術館
「生誕三百年 同い年の天才絵師
若冲と蕪村」展 開催
会期:2015年3月18日(水)〜5月10日(日)

鳶・鴉図 鳶・鴉図 白象群獣図
重要文化財 鳶・鴉図
与謝蕪村筆 双幅 18世紀
北村美術館
【展示期間】3/18〜4/13
白象群獣図
伊藤若冲筆 一面 18世紀
個人蔵
【展示期間】4/22〜5/10

 サントリー美術館(東京・六本木/館長 鳥井信吾)は、2015年3月18日(水)から5月10日(日)まで、「生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村」展を開催します。

 正徳(しょうとく)6年(1716)は、尾形光琳(おがたこうりん)が亡くなり、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)と与謝蕪村(よさぶそん)というふたりの天才絵師が誕生した、江戸時代の画壇にとってひとつの画期となりました。
 伊藤若冲(享年85、1800年没)は、京都にある青物問屋の長男として生まれ、23歳の時に家業を継ぎますが、30代中頃には参禅して「若冲居士(こじ)」の号を与えられ、40歳で隠居して絵を描くことに本格的に専念します。
 一方、与謝蕪村(享年68、1783年没)は、大坂の農家に生まれ、20歳頃に江戸へ出て俳諧を学びます。27歳の時、俳諧の師匠の逝去を機に、北関東や東北地方をおよそ10年間遊歴します。その後40歳頃から京都へうつり俳諧と絵画のふたつの分野で活躍しました。
 若冲は彩色鮮やかな花鳥図や動物を描いた水墨画を得意とし、蕪村は中国の文人画の技法による山水図や、簡単な筆遣いで俳句と絵が響き合う俳画を得意としていました。一見すると関連がないようですが、ふたりとも長崎から入ってきた中国・朝鮮絵画などを参考にしています。
 本展覧会は、伊藤若冲と与謝蕪村の生誕300年を記念して開催するもので、若冲と蕪村の代表作品はもちろん、新出作品を紹介するとともに、同時代の関連作品を加えて展示し、人物、山水、花鳥などの共通するモチーフによって対比させながら、彼らが生きた18世紀の京都の活気あふれる様相の最も輝かしい一断面をご覧いただきます。

《 展示構成 》

第1章 京都ルネッサンス

寒山拾得図 寒山拾得図
  伊藤若冲筆 双幅 18世紀
個人蔵
【展示期間】3/18〜4/13

 正徳6年(1716)は近世絵画史において見落とすことのできない年でした。伊藤若冲が京都錦小路の青物問屋「桝屋(ますや)」の長男として生まれ、与謝蕪村が大坂東成郡毛馬(けま)村で誕生しました。それだけでなく、京都では元禄期の町人文化を担った尾形光琳が亡くなりました。さらに、徳川吉宗が八代将軍となっています。吉宗は洋書の輸入緩和や海外の珍しい文物の輸入などに力を入れました。また黄檗(おうばく)宗という新しい宗教に付随して、中国の最新の画譜類などももたらされたことにより、近世画壇は大きな変革期を迎えます。
 この章では彼らが生きた18世紀の日本に皆様をいざないます。

【おもな出品作品】

  蟹蛙図(かにかわずず) 与謝蕪村・円山応挙(まるやまおうきょ)合筆 一幅 18世紀 MIHO MUSEUM
書画合作膳(しょががっさくぜん) 伊藤若冲・与謝蕪村・池玉蘭(いけのぎょくらん)・池大雅(いけのたいが)・円山応挙・曾我蕭白(そがしょうはく)・福原五岳(ふくはらごがく)・東東洋(あずまとうよう)・皆川淇園(みながわきえん)・島田元直(しまだもとなお)ほか筆
  二十枚 18〜19世紀 個人蔵
書画合作椀(わん) 伊藤若冲ほか筆 十一合 18〜19世紀 個人蔵
寒山拾得図(かんざんじっとくず) 伊藤若冲筆 双幅 18世紀 個人蔵
寒山拾得図 与謝蕪村筆 双幅 18世紀 個人蔵

第2章 出発:40歳まで
 若冲と蕪村は、ふたりともいつから絵を描き始めたのかははっきりしません。若冲は最初に狩野派の絵を習い、その後、相国寺(しょうこくじ)などの大寺院が収蔵する中国・朝鮮絵画を鑑賞し模写しながら勉強しました。また実際に生きた姿を観察できる鶏を庭に放ち、その動きを写すというように写生を重視した作品を描いていきます。これに対し、蕪村は20歳頃に江戸で俳諧を学びますが、俳諧の師匠の逝去をきっかけに、浄土宗の僧侶として北関東から東北地方を約10年間放浪します。その間に描いた作品は当時の狩野派などの技法とは異なる個性的な描き方をしています。

【おもな出品作品】

  紫陽花白鶏図(あじさいはくけいず) 伊藤若冲筆 一幅 18世紀 個人蔵
隠元豆(いんげんまめ)・玉蜀黍図(とうもろこしず) 伊藤若冲筆 双幅 18世紀 草堂禪寺
花卉双鶏図(かきそうけいず) 伊藤若冲筆 一幅 18世紀 個人蔵
風虎図(ふうこず) 与謝蕪村筆 二曲一隻 18世紀 個人蔵
三俳僧図(さんはいそうず) 与謝蕪村筆 一幅 18世紀 個人蔵
田楽茶屋図屏風(でんがくちゃやずびょうぶ) 与謝蕪村筆 六曲一隻 18世紀 個人蔵
十二神仙図押絵貼屏風(じゅうにしんせんずおしえばりびょうぶ) 与謝蕪村筆 六曲一双 18世紀 個人蔵

第3章 画風の確立:40代から50代にかけて
 若冲と蕪村の40代から50代にかけての時期は、いずれも気力、技術ともに充実した作品を多く制作した時期でした。
 40歳で家業の青物問屋「桝屋」を次弟に譲って隠居した若冲は、絵を描くことに専念し、やがて動植綵絵三十幅と釈迦・普賢・文殊像制作にとりかかります。また、鹿苑寺(ろくおんじ)障壁画など大画面の水墨作品も手がけます。
 蕪村も40歳を過ぎてようやく京へ定住します。そして、当時流行していた中国人画家沈南蘋(しんなんぴん)(生没年不詳)の絵画に影響を受けた迫真的な花鳥図や、中国の文人画家の技法に倣った山水図など幅広い画題を描いていきます。中でも、俳諧仲間たちがお金を出し合って結成した屏風講によって制作された屏風は、高価な絵の具をふんだんに使っており、きわめて充実した作品群が短期間に作られました。

【おもな出品作品】

  花鳥蔬菜図押絵貼屏風(かちょうそさいずおしえばりびょうぶ) 伊藤若冲筆 六曲一双 宝暦10年(1760) 個人蔵
枯木鷲猿図(こぼくしゅうえんず) 伊藤若冲筆 一幅 18世紀 個人蔵
月夜白梅図(げつやはくばいず) 伊藤若冲筆 一幅 18世紀 個人蔵
山水花鳥人物図(さんすいかちょうじんぶつず) 与謝蕪村筆 十幅対 18世紀 個人蔵
名士言行図屏風(めいしげんこうずびょうぶ) 与謝蕪村筆 六曲一双 18世紀 海の見える杜美術館

第4章 新たな表現への挑戦

奥の細道図巻(部分) 奥の細道図巻(部分)
与謝蕪村筆 一巻 安永7年(1778)
海の見える杜美術館
【展示期間】4/15〜5/10

 若冲の水墨画の中で特筆すべきは、筋目描(すじめがき)の技法による作品群です。これは画箋紙(がせんし)とよばれる紙の吸水性の強い性質を利用し、隣り合った墨が混じることなくその境目が筋のように白く残るのを活かした描き方で、筋目を使って龍のうろこや菊の花弁などを表現しました。
 一方、蕪村は発句と絵をひとつの画面に描き、それぞれが響き合う俳画という新しい分野を開拓しその第一人者となりました。これらの作品からは、若冲と蕪村いずれもが、従来の作品に満足することなく、新しい技法に挑戦し続けていた様子がうかがわれます。

【おもな出品作品】

  菊図(きくず) 伊藤若冲筆 一幅 18世紀 個人蔵
雨龍図(うりゅうず) 伊藤若冲筆 一幅 18世紀 個人蔵
紫陽花(あじさい)にほととぎす図(ず) 与謝蕪村筆 一幅 18世紀 愛知県美術館(木村定三コレクション)
「又平(またべい)に」自画賛(じがさん) 与謝蕪村筆 一幅 18世紀 逸翁美術館
「学問(がくもん)は」自画賛 与謝蕪村筆 一幅 18世紀 個人蔵
奥(おく)の細道図巻(ほそみちずかん) 与謝蕪村筆 一巻 安永7年(1778) 海の見える杜美術館

第5章 中国・朝鮮絵画からの影響
 享保16年(1731)に長崎へ渡来した沈南蘋が伝えた写実的な花鳥画は、一世を風靡しました。若冲、蕪村らも例外ではなく、宝暦年間(1751〜63)に描かれたふたりの作品には、明らかに沈南蘋風の動物画があります。また若冲の枡目描(ますめがき)や拓版画(たくはんが)にも中国・朝鮮絵画からの影響が指摘され、蕪村は元明清の中国絵画に学んだ作品を残しています。ここでは彼らの作画活動と何らかの関わりを示すと思われる中国・朝鮮画や同時代の画家鶴亭(かくてい)(1722〜85)の作例を紹介します。

【おもな出品作品】

  白象群獣図(はくぞうぐんじゅうず) 伊藤若冲筆 一面 18世紀 個人蔵
花鳥版画(かちょうはんが) 伊藤若冲下絵 六枚 明和8年(1771) 平木浮世絵財団
重要美術品 晩秋遊鹿図屏風(ばんしゅうゆうかずびょうぶ)
  与謝蕪村筆 四曲一双 18世紀 逸翁美術館
仔犬図襖(こいぬずふすま) 与謝蕪村筆 四面 18世紀 個人蔵
松上双鶴図(しょうじょうそうかくず) 陳伯冲(ちんはくちゅう)筆 一幅 明時代 大雲院
旭日鳳凰図(きょくじつほうおうず) 陳小山(ちんしょうざん)筆 一幅 明時代 個人蔵
草花押絵貼屏風(そうかおしえばりびょうぶ) 鶴亭筆 六曲一双 18世紀 個人蔵

第6章 若冲・蕪村クロスロード:交差する交友関係

猿猴摘桃図 猿猴摘桃図
伊藤若冲筆・伯珣照浩賛 一幅 18世紀
個人蔵
【展示期間】3/18〜4/13

 蕪村は晩年、若冲の住む京都の四条烏丸近辺に居を構えました。現在のところ、若冲と蕪村の直接の交友関係を示す作品や資料は確認されていません。しかし同じ禅僧や学者がどちらの絵にも賛をしており、上田秋成(うえだあきなり)、円山応挙ら共通した知人と交流があったことは確認されています。
 ここでは若冲と蕪村が交流していた人物たちとの合作や賛のある作品を紹介します。

【おもな出品作品】

  猿猴摘桃図(えんこうてきとうず) 伊藤若冲筆・伯珣照浩(はくじゅんしょうこう)賛 一幅 18世紀 個人蔵
売茶翁像(ばいさおうぞう) 伊藤若冲筆・高遊外(こうゆうがい)自題(木村蒹葭堂(きむらけんかどう)録)
  一幅 寛永10年(1798) 個人蔵
奉時清玩帖(ほうじせいがんじょう) 伊藤若冲ほか筆 二冊 寛政2年(1790) 個人蔵
歌仙豆腐図(かせんとうふず) 伊藤白歳(はくさい)筆 一幅 18世紀 個人蔵
王子猷図(おうしゆうず) 与謝蕪村・柳沢淇園(やなぎさわきえん)筆 一幅 18世紀 個人蔵
百池宛書簡(ひゃくちあてしょかん) 与謝蕪村筆 一幅 18世紀 個人蔵
山脇玄冲(やまわきげんちゅう)・三井高典(みついたかつね)宛書簡 与謝蕪村筆 一幅 18世紀 個人蔵

第7章 翁の時代

象と鯨図屏風 象と鯨図屏風
象と鯨図屏風
伊藤若冲筆 六曲一双 寛政9年(1797)
MIHO MUSEUM
【展示期間】3/18〜5/10
富嶽列松図 重要文化財 富嶽列松図
与謝蕪村筆 一幅 18世紀
愛知県美術館(木村定三コレクション)
【展示期間】4/15〜5/10
蜀桟道図
  蜀桟道図
与謝蕪村筆
一幅 安永7年(1778)
LING SHENG PTE. LTD
(Singapore)
【展示期間】3/18〜4/13

 若冲は晩年、米一斗(いっと)で一枚絵を描くという意味の「米斗翁(べいとおう)」という画号を用い、蕪村は明和7年(1770)に夜半亭(やはんてい)二世を継承して以降、「夜半翁(やはんおう)」という号を使います。しかしながらふたりとも「翁」という字がもつ「年老いた」という語感からは想像できない活発な制作活動を続けていきます。ここでは若冲は「米斗翁」落款、蕪村では「夜半翁」や「謝寅(しゃいん)」落款の時代を中心に、晩年の充実した作品群を展示します。

【おもな出品作品】

  象(ぞう)と鯨図屏風(くじらずびょうぶ) 伊藤若冲筆 六曲一双 寛政9年(1797) MIHO MUSEUM
五百羅漢図(ごひゃくらかんず) 伊藤若冲筆 一幅 18世紀 個人蔵
山水図屏風(さんすいずびょうぶ) 与謝蕪村筆 六曲一双 天明2年(1782) MIHO MUSEUM
蜀桟道図(しょくさんどうず) 与謝蕪村筆 一幅 安永7年(1778) LING SHENG PTE. LTD (Singapore)
重要文化財 鳶(とび)・鴉図(からすず) 与謝蕪村筆 双幅 18世紀 北村美術館
重要文化財 富嶽列松図(ふがくれっしょうず)
与謝蕪村筆 一幅 18世紀 愛知県美術館(木村定三コレクション)

【本展におけるエデュケーション・プログラム】

<展覧会関連プログラム>
◎記念講演会「同い年生まれの二天才 若冲と蕪村」

講師  :  辻 惟雄 氏(MIHO MUSEUM館長)
岡田 秀之 氏(MIHO MUSEUM学芸員)
日時  :  4月11日(土)14時〜15時30分
会場  :  6階ホール  定員:100名  対象:一般
聴講料  :  700円(別途要入館料)  応募締切:3月21日(土・祝)

「生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村」展 開催

▼会期  :  2015年3月18日(水)〜5月10日(日)
※作品保護のため、会期中展示替を行ないます
▼主催  :  サントリー美術館、読売新聞社
▼協賛  :  三井不動産、サントリーホールディングス
▼会場  :  サントリー美術館
 港区赤坂9−7−4 東京ミッドタウン ガレリア3階
 <最寄り駅>  都営地下鉄大江戸線六本木駅出口8より直結
 東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路にて直結
 東京メトロ千代田線乃木坂駅出口3より徒歩約3分

【基本情報】

  ▼開館時間:10時〜18時
  ※金・土、および5月3日(日・祝)、5月4日(月・祝)は20時まで開館
  ※いずれも入館は閉館の30分前まで
  ※shop×cafeは会期中無休
▼休館日:火曜日
  ※5月5日(火・祝)は20時まで開館
▼入館料:一般1,300円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料
  ※20名様以上の団体は100円割引
▼前売: 一般1,100円、大学・高校生800円
サントリー美術館、チケットぴあ、ローソンチケット、セブンイレブン、イープラスにて取扱
  ※前売券の販売は2014年12月20日(土)から2015年3月17日(火)まで
  ※サントリー美術館受付での販売は12月20日(土)から3月1日(日)まで
▼割引:
  ■きもの割:きものでのご来館で100円割引
  ■HP割:ホームページ限定割引券提示で100円割引
  ■携帯割:携帯サイトの割引券画面提示で100円割引
  ■あとろ割:国立新美術館、森美術館の企画展チケット提示で100円割引
  ※割引の併用はできません
  ▼点茶席(薄茶と季節のお菓子)
  各日限定50名 1,000円(別途要入館料) 6階茶室「玄鳥庵」にて
  日時: 3月26日(木)、4月9日(木)、23日(木)、5月7日(木)
11時30分〜17時30分(受付は17時まで)
13時、14時、15時には点前があります。
※定員を超えた時点で終了となる場合があります。何卒ご了承ください。
▼一般お問い合わせ:03−3479−8600
▼ホームページ: http://suntory.jp/SMA/

▽次回展覧会
  「乾山」(仮称)
     2015年5月27日(水)〜7月20日(月・祝)

▽プレスからのお問い合わせ:〔学芸〕石田、〔広報〕羽鳥
  TEL:03−3479−8604  FAX:03−3479−8644
  メールでのお問い合わせ、及びプレス用画像ダウンロードのお申し込み:12月18日(木)から
  https://www.suntory.co.jp/sma/press_info/



以上

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