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No.12092 (2014.6.25)
ノンアルコール飲料に関する消費者飲用実態調査
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1.ノンアルコール飲料の飲用実態 | ||
(1) | ノンアルコール飲料の飲用経験率は約6割・認知率は9割超と、着実に世の中に浸透 | |
(2) | 消費税増税後も8割以上がノンアルコール飲料の飲用量は減少せず、飲用頻度が高い人では約6割が増加傾向に | |
(3) | 飲用者の86.9%が「最近おいしくなった」と味わいを評価 | |
(4) | 食事中に加え“人が集まるシーン”でよく飲まれるノンアルコール飲料 | |
(5) | 「飲んだ後も体が楽」「運転の予定がある時でも飲める」に加え、“周りの人への気遣いができること”や“お酒らしさ”に支持 6割以上が「人が集まるときにノンアルコール飲料があったほうがよい」と回答 |
2.今夏のノンアルコール飲料飲用動向 | ||
(1) | 月1回以上飲用者の約7割が、今夏にノンアルコール飲料の飲用量が「増えそう」と回答 | |
(2) | “人が集まるシーン”や、キャンプ・花火大会・夏祭りなど“夏ならではのシーン”でノンアルコール飲料の飲用が増える兆し |
3.ノンアルコール飲料飲用者の特徴・意識 | ||
(1) | 幅広い世代から支持されるノンアルコール飲料。RTDテイスト飲料は、特に女性の子育て世代から支持 | |
(2) | 夕食時や風呂上がりに加え、昼間にも飲用されるビールテイスト飲料。 ビールの味わいや“お酒気分”だけでなく、「喉の渇きがいやされるから」「リフレッシュできるから」なども飲用理由に |
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(3) | RTDテイスト飲料と清涼飲料水の違いは“お酒の気分を楽しめる”こと。 女性20−30代の飲用理由第3位は「妊娠・授乳中でも飲めるから」 |
〈調査概要〉
◆調査対象 | |||
II.1. | 一都三県に在住する20〜69歳の成人男女 50,000人 | ||
II.2.3. | 上記のうち、ノンアルコールビールテイスト飲料(アルコール度数0.00%)の月1回以上飲用者1,250人、ノンアルコールのカクテル、チューハイ、梅酒テイスト飲料(アルコール度数0.00%)の月1回以上飲用者1,095人 | ||
◆調査方法 | インターネット調査 | ||
◆調査期間 | 2014年5月1日〜12日 |
I.ノンアルコール飲料市場について
2013年のノンアルコール飲料市場は、約4,090万ケース(対前年101%)と、3年前の2倍近い規模に成長しました。
お客様の嗜好の多様化を受け、引き続き好調なビールテイストだけでなく、カクテルテイストやチューハイテイスト、梅酒テイストなど、様々な種類のノンアルコール飲料が支持を獲得しています。ノンアルコール飲料市場の成長は今後も続き、2014年は約4,240万ケース(対前年104%)に拡大するものと推定されます。(図1)
※ | なお、大瓶換算(1ケース=633ml×20本)でのノンアルコール飲料市場は、'13年約1,940万ケース(内ノンアルコールビールテイスト飲料約1,640万ケース)'14年見込約2,010万ケース(内ノンアルコールビールテイスト飲料約1,700万ケース) |
また、ノンアルコール飲料の消費量は夏場に大きく増加する傾向があり、他の飲料と比べてもその傾向は顕著にみられます。(図2)ノンアルコール飲料は、今夏もますます拡がりを見せるものと予想されます。
※ | インテージMAI調べ:ノンアルコール飲料(ノンアルコールカクテルテイスト/チューハイテイスト/梅酒テイスト/ビールテイスト計)、RTD、ビール類(ビール・新ジャンル・発泡酒計)、インテージMBI調べ:炭酸飲料 2012年12月〜2013年11月 3か月ごとの合計販売金額の平均を100とした場合の指数(全国スーパーマーケット/CVS/酒DS) |
II.消費者飲用実態・意識調査
1.ノンアルコール飲料の飲用実態
(1)ノンアルコール飲料の飲用経験と認知率
ノンアルコール飲料の飲用経験率は約6割・認知率は9割超と、 着実に世の中に浸透 |
ノンアルコール飲料の飲用経験を聞いたところ、約6割(57.7%)が「飲んだことがある」と回答しました。「知っているが、飲んだことはない」(39.4%)を加えたノンアルコール飲料の認知率は97.1%となり、ノンアルコール飲料が着実に世の中に浸透していることがわかります。(図3)
(2)1年前とのノンアルコール飲料の飲用量変化
消費税増税後も8割以上がノンアルコール飲料の飲用量は減少せず、 飲用頻度が高い人では約6割が増加傾向に |
ノンアルコール飲料の飲用経験者に飲用量を1年前と比較してもらったところ、8割以上(83.0%)が「増えた」または「変わらない」と回答しました。また、月1回以上飲用している人では、「増えた」が約6割、「変わらない」が36.2%と飲用経験者全体でみたときよりも高くなり、消費税増税後も積極的に飲用されていることがわかりました。(図4)
(3)ノンアルコール飲料のイメージ
飲用者の86.9%が「最近おいしくなった」と味わいを評価 |
ノンアルコール飲料を月1回以上飲用している人にノンアルコール飲料のイメージを聞いたところ、「色々な商品が増えた」という回答が95.8%にのぼりました。また、86.9%が「最近おいしくなった」と答え、ノンアルコール飲料の味わいへの評価が高まっていることがわかりました。
(4)ノンアルコール飲料を飲んだことがあるシーン
食事中に加え“人が集まるシーン”でよく飲まれるノンアルコール飲料 |
ノンアルコール飲料の飲用経験者に飲んだことがあるシーンを聞いたところ、「夕食時」(35.0%)や「昼食時」(25.1%)といった食事中に加え、「友人・知人の集まりや飲み会の席」(28.0%)、「バーベキューや花見などアウトドア・レジャー・イベントの時」(18.7%)といった“人が集まるシーン”が上位にあがりました。ノンアルコール飲料は、仲間や家族と過ごす時間にもよく飲まれているようです。(図5)
(5)ノンアルコール飲料の魅力
「飲んだ後も体が楽」「運転の予定がある時でも飲める」に加え、 “周りの人への気遣いができること”や“お酒らしさ”に支持 |
ノンアルコール飲料の飲用経験者にノンアルコール飲料の魅力を聞いたところ、「飲んだ後も体が楽」(65.4%)、「運転の予定がある時でも飲める」(64.8%)の順となりました。また、「お酒を飲めない人を気遣える」(60.6%)、「お酒を飲めなくてもお酒を飲んでいる人と一緒に楽しめる」(59.8%)など、“周りの人への気遣い”に関する回答が上位にあがりました。さらに、「酔わずにお酒気分を楽しめる」(58.8%)、「お酒の味が楽しめる」(58.1%)など、ノンアルコールでありながらも“お酒らしさ”を楽しめることが支持されていることもわかりました。(図6)
また、ノンアルコール飲料の飲用に関する具体的なエピソードを聞いたところ、「バーベキューをしたとき、車で来ていた友人にノンアルコールビールを勧めて喜ばれた」(40代男性)、「皆で集まった時、お酒が飲めない友人も一緒に楽しめた」(50代女性)、「車で親戚の家に行った時、お祝い事があってノンアルコール飲料で乾杯できた」(30代男性)などの声があがりました。
6割以上が「人が集まるときにノンアルコール飲料があったほうがよい」と回答 |
人が集まるときにノンアルコール飲料があったほうがよいかを聞いたところ、65.7%が「そう思う」と回答しました。(図7)ノンアルコール飲料は人が集まるときの飲物としても支持を得ているようです。
2.今夏のノンアルコール飲料飲用動向
(1)今夏のノンアルコール飲料飲用意向
月1回以上飲用者の約7割が、 今夏にノンアルコール飲料の飲用量が「増えそう」と回答 |
ノンアルコール飲料を月1回以上飲用している人に今年の夏にノンアルコール飲料の飲用量が増えそうかを聞いたところ、約7割(69.3%)が「増えそう」と回答しました。(図8)
(2)今年の夏にノンアルコール飲料を飲みたいシーン
“人が集まるシーン”や、キャンプ・花火大会・夏祭りなど “夏ならではのシーン”でノンアルコール飲料の飲用が増える兆し |
今年の夏にノンアルコール飲料を飲んでみたいシーンを聞いたところ、「夕食時や夕食後」(59.3%)、「風呂上がり」(55.9%)の順となりました。そのほか、「ドライブや行楽、旅行に出かけたとき」(47.4%)や「キャンプやバーベキューなどアウトドア・レジャーのとき」(43.0%)「友人・知人の集まりや飲み会の席」(41.0%)など、人が集まるシーンや夏ならではのシーンが多くあがりました。(図9)
3.ノンアルコール飲料飲用者の特徴・意識
(1)ノンアルコール飲料飲用者の属性
幅広い世代から支持されるノンアルコール飲料。 RTDテイスト飲料は、特に女性の子育て世代から支持 |
ビールテイスト飲料とRTDテイスト飲料飲用者の性・年代をみてみると、どちらも幅広い層に受け入れられていることがうかがえます。特にRTDテイスト飲料では、子育て世代である20−30代女性の割合が相対的に多いことがわかりました。(図10)
(2)ビールテイスト飲料の飲用シーン・飲用理由
夕食時や風呂上がりに加え、昼間にも飲用されるビールテイスト飲料。 ビールの味わいや“お酒気分”だけでなく、 「喉の渇きがいやされるから」「リフレッシュできるから」なども飲用理由に |
ビールテイスト飲料飲用者に飲んだことのあるシーンを聞いたところ、「夕食時」(57.7%)や「風呂上がり」(41.8%)といった“ビールの定番飲用シーン”のほか、「昼食時」(45.7%)や「昼間」(36.1%)が上位となりました。また、「友人・知人の集まりや飲み会の席」(34.1%)など、人が集まるシーンもあがりました。(図11)
ビールテイスト飲料飲用者に飲用理由を聞いたところ、「ビールの味が楽しめるから」(56.1%)、「お酒の気分が楽しめるから」(43.3%)が上位となりました。
昼間の飲用経験者では、「気軽に飲めるから」(43.2%)、「喉の渇きがいやされるから」(39.2%)、「リフレッシュできるから」(33.7%)という回答が多くあがりました。
具体的なエピソードとしては、「昼間喉が渇いたときに気軽に飲める」(40代女性)、「昼間でも炭酸飲料のように飲める」(50代男性)などがあがりました。
ビールテイスト飲料は、ビールの代替品としてだけでなく多様な魅力が支持されて飲用されていることが市場拡大の一因となっているようです。(図12)
(3)RTDテイスト飲料の魅力と飲用理由
RTDテイスト飲料と清涼飲料水の違いは“お酒の気分を楽しめる”こと。 女性20−30代の飲用理由第3位は「妊娠・授乳中でも飲めるから」 |
RTDテイスト飲料の飲用者に清涼飲料水との違いを聞いたところ、約8割(78.8%)が「お酒の気分を楽しめること」と回答しました。
また、RTDテイスト飲料の飲用理由を聞いたところ、「お酒の気分が楽しめるから」(52.8%)、「お酒の味が楽しめるから」(41.0%)の順となりました。
女性20−30代の飲用者においては、「妊娠・授乳中でも飲めるから」(35.1%)が第3位となり、お酒を飲めないときでもお酒の気分や味わいが楽しめることが若い女性に支持される理由になっていることがわかります。(図13)
また、「ママ友との飲み会があったとき、妊娠中だったがノンアルコール飲料で皆と同じ雰囲気になれた。」(30代女性)、「妊娠・授乳中のアルコールの飲めない間でも主人と一緒に晩酌の雰囲気を楽しめるのが嬉しい」(20代女性)などの具体的なエピソードがあがりました。
以上
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