ニュースリリース

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ニュースリリース

No.11802   (2013.6.5)

サントリー美術館
「Drinking Glass ―― 酒器のある情景」展 開催
会期:2013年9月11日(水)〜11月10日(日)

鳥動物文蓋付ティアードゴブレット鳥動物文蓋付ティアードゴブレット ボヘミア 18世紀
サントリー美術館蔵 撮影:小嶋宏

 サントリー美術館(東京・六本木/館長 鳥井信吾)は、9月11日(水)〜11月10日(日)まで、「Drinking Glass ―― 酒器のある情景」展を開催します。

 ガラスの魅力は、そのつややかさと透明性です。当初は不透明な素材だったガラスは、紀元前8世紀以降の技術発達によって透明な素材へと移行します。中が透け、その先の景色を楽しむことができるようになったガラスは、世界各地でワインやビールを飲むための酒器に利用されるようになりました。ガラス器の歴史は、Drinking Glass(ドリンキング グラス)(酒器)とともに発展したといってもいいでしょう。
 本展は、多様な酒器を、それが置かれた情景に着目して紹介するものです。古来より儀式の際に神や力ある者に「捧ぐ」御神酒と共にあった杯、結婚や忠誠を「誓う」盃、自身の地位への認識や政治的な思想を「促す」豪華なゴブレットなど、「捧ぐ」「語らう」「誓う」「促す」「祝い、集い、もてなし、愉しむ」といった人々の生活の中のシーンを通して、ご覧いただきます。飲むための酒器はもちろん、神聖なるものとして扱われた酒器や、宴席を飾った職人技が光る賑々しい酒器など、紀元前14世紀から現在にいたる約180件の多彩な作品をお楽しみください。

《 展示構成 》
1.捧ぐ

コアガラス脚付杯コアガラス脚付杯 エジプト 紀元前14世紀
MIHO MUSEUM蔵 撮影:山崎兼慈

 人々の穢れを払ったり、権力を持つものに一層の力を与えたりするために、酒は古代より、神や王、権力者に捧げるものとして、神聖な場所や儀式に登場しました。本章では、そうした場面で使われたと推測されるガラスの酒器を紹介します。

【主な出品作品】

    コアガラス脚付杯     エジプト     紀元前14世紀     MIHO MUSEUM蔵
獅子頭形リュトン 西アジア 紀元前5−4世紀 MIHO MUSEUM蔵
モザイクガラス・パテラ杯 東地中海沿岸地域   紀元前1−後1世紀   サントリー美術館蔵(菊地コレクション)
カットガラス碗 イラン     3−7世紀     サントリー美術館蔵(辻清明コレクション)

2.語らう

リブ装飾碗リブ装飾碗 東地中海沿岸地域 紀元前1-後1世紀
サントリー美術館蔵(辻清明コレクション) 撮影:木奥惠三

 「シンポジウム」の語源ともなった、ギリシャの「シンポシオン(饗宴)」。長い時間をかけて酒を酌み交わし、互いの意思を語り合うその情景には、様々なガラス器が登場しました。本章では、語らいの場で使用された多彩な酒器の一端をご覧いただきます。

【主な出品作品】

    フィアラ杯     東地中海沿岸地域もしくは西アジア   紀元前4世紀   MIHO MUSEUM蔵
リブ装飾碗 東地中海沿岸地域   紀元前1−後1世紀   サントリー美術館蔵(辻清明コレクション)
把手付水差 東地中海沿岸地域   4世紀   岡山市立オリエント美術館蔵

3.誓う

フリーメーソン文ゴブレットフリーメーソン文ゴブレット イギリス 1868年
個人蔵 撮影:名鏡勝朗

 共に戦い、共に生きる。そうした誓いを交わす儀式の場面にも、酒とともに酒器が使われました。本章では、愛を、運命を、共同体を誓い合った情景に寄り添ったガラス器を紹介します。

【主な出品作品】

    ダウメン・グラス     ドイツ     17世紀末     サントリー美術館蔵
鳥動物文蓋付ティアードゴブレット ボヘミア 18世紀 サントリー美術館蔵
フリーメーソン文ゴブレット イギリス 1868年 個人蔵
切子三ツ組盃・盃台 日本 19世紀 サントリー美術館蔵

4.促す

神聖ローマ帝国選定侯文フンペン神聖ローマ帝国選定侯文フンペン ドイツ 1606年
石川県立美術館蔵

 ガラスへの装飾技術が発達するにつれ、様々な暗示を込めた絵柄が施された酒器が数多く生み出されました。国を称える忠誠を促すものや、ステイタス・シンボルとしてキャビネットに飾り、自らの権威を周囲に促すものもしばしば見られるようになりました。本章では、教訓的、政治的な思想や自負心を人々に促すための酒器をご紹介します。

【主な出品作品】

    レースガラス蓋付ゴブレット     ヴェネチア     16世紀     石川県立美術館蔵
神聖ローマ帝国選定侯文フンペン ドイツ 1606年 石川県立美術館蔵
ロンドン風景文ゴブレット シレジア 1750年頃 個人蔵
ビーズ花文蓋付デカンター ボヘミア 1830−40年 個人蔵

5.祝い、集い、もてなし、愉しむ

吹きガラス提重吹きガラス提重 日本 18世紀
びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館蔵 撮影:上野則宏

 酒といえば、やはり宴。年中行事や祝い事、歓迎の席には数々の酒器が登場しました。最終章は、「祝い、集い、もてなし、愉しむ」場とともにあった酒器を展示すると同時に、現在活躍中の現代作家6名の酒器をご紹介します。

【主な出品作品】

    ダイヤモンドポイント彫りレーマー杯     ドイツ     17世紀     サントリー美術館蔵
レーマー杯、ビーカー他発掘片 アムステルダム出土 17世紀 個人蔵
バッカス文蓋付ゴブレット フリードリヒ・ヴィンター(シレジア) 1712年頃 サントリー美術館蔵
ゴールドサンドイッチ酒宴文ゴブレット ボヘミア 1730−55年 個人蔵
    吹きガラス提重     日本     18世紀     びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館蔵
薩摩切子藍色船形鉢 日本 19世紀後半 サントリー美術館蔵
金赤リキュールグラスセット バカラ社 20世紀初頭 個人蔵

【本展におけるエデュケーション・プログラム】
トークライブ「酒器をつくる!」

講師 高橋禎彦氏
(ガラス作家、Takahashi glass studio代表、多摩美術大学教授)
モデレーター 土田ルリ子(サントリー美術館 学芸副部長)
日時 10月13日(日)14:00〜15:30
会場 6階ホール
定員 100名
対象 一般
聴講料 700円(別途要入館料)
応募締切 9月22日(日)
※この他のエデュケーション・プログラムは、随時ホームページにてご案内します。

「Drinking Glass ―― 酒器のある情景」展 開催

▼会期 9月11日(水)〜11月10日(日)
▼主催  :  サントリー美術館、読売新聞社
▼協賛 三井不動産、三井住友海上火災保険、Hanako、
サントリーホールディングス
▼後援 日本硝子製品工業会、日本ガラス工芸学会
▼会場 サントリー美術館
 港区赤坂9−7−4 東京ミッドタウン ガレリア3階
<最寄り駅>  都営地下鉄大江戸線六本木駅出口8より直結
 東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路にて直結
 東京メトロ千代田線乃木坂駅出口3より徒歩約3分

【基本情報】

  ▼開館時間 10時〜18時
  ※金・土、および9月15日(日)、22日(日)、10月13日(日)、11月3日(日)は20時まで開館
  ※いずれも入館は閉館の30分前まで
  ※shop×cafeは無休
▼休館日 火曜日
▼入館料 一般1,300円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料
  ※20名様以上の団体は100円割引
▼前売 一般1,100円、大学・高校生800円
サントリー美術館、チケットぴあ、ローソンチケット、セブンイレブン、イープラスにて取扱
  ※前売券の販売は、7月3日(水)から9月10日(火)まで
  (サントリー美術館受付での販売は、7月3日(水)から8月25日(日)まで)
▼割引
  ■HP割:ホームページ限定割引券提示で100円割引
  ■携帯割:携帯サイトの割引券画面提示で100円割引
  ■あとろ割:国立新美術館、森美術館の企画展チケット提示で100円割引
   ※割引の併用はできません
   ▼点茶席(薄茶と季節のお菓子)
  限定50名 1,000円(別途要入館料) 6階茶室「玄鳥庵」にて
  日時: 9月12日(木)、26日(木)、10月10日(木)、24日(木)、11月7日(木)
11時30分〜17時30分(受付は17時まで)
13時、14時、15時には点前がございます。
  ※定員を超えた時点で終了となる場合があります。何卒ご了承ください。
▼一般お問い合わせ:03−3479−8600
▼ホームページ: http://suntory.jp/SMA/

▽次回展覧会
 「平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美」(仮称)
    11月23日(土・祝)〜2014年1月13日(月・祝)

▽プレスからのお問い合わせ:〔学芸〕土田〔広報〕北口
 TEL:03−3479−8604 FAX:03−3479−8644
 メールでのお問い合わせ、及びプレス用画像ダウンロードのお申し込み:6月6日(木)から
   https://www.suntory.co.jp/sma/press_info/



以上

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