ニュースリリース

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No.11719   (2013.3.19)

第12回(2012年度)佐治敬三賞は
「kuniko plays reich in Kyoto」および
「Sep.5 2012 Thanks to John Cage」に決定


 公益財団法人サントリー芸術財団(代表理事・堤剛、鳥井信吾)は、わが国で実施された音楽を主体とする公演の中から、チャレンジ精神に満ちた企画でかつ公演成果の水準の高いすぐれた公演に贈る「佐治敬三賞」の第12回(2012年度)受賞公演を「kuniko plays reich in Kyoto」および「Sep.5 2012 Thanks to John Cage」の2公演に決定しました。

(ご参考) 佐治敬三賞についてはこちら

●選考経過

   1. 応募のあった2012年実施公演について2013年1月14日(月・祝)東京・丸の内の東京會舘において、選考委員8名により第一次選考を行い、候補公演を選定した。
2. 引き続き3月12日(火)東京・丸の内の東京會舘において最終選考会を開催、慎重な審議の結果、第12回(2012年度)佐治敬三賞に「kuniko plays reich in Kyoto」および「Sep.5 2012 Thanks to John Cage」の2公演が選定され、3月18日(月)理事会において正式に決定された。

●賞金は200万円。今回は同時受賞につき各100万円が贈られる。
●選考委員は下記の8氏。
   礒山 雅・伊東 信宏・岡田 暁生・岡部 真一郎・白石 美雪
   楢崎 洋子・沼野 雄司・三宅 幸夫

(敬称略・50音順)

●「kuniko plays reich in Kyoto」

kuniko plays reich in Kyoto

<贈賞理由>
 これまでも加藤訓子氏は様々な形で現代の音楽を手がけてきたが、本公演は、スティーヴ・ライヒのカウンターポイント・シリーズに焦点をあてた構成。きわめてすぐれていると考えられる点が三つある。まず第一は、当然ながらその演奏の精度の高さで、これについては多言を要しない。第二は、カウンターポイント・シリーズにおいてカギになる多重録音部分を、音響デザインの深田晃氏との共同作業によって、類例がないクォリティで再生していたこと。円型に配置されたスピーカーからの立体的な音響は、作曲者に聴かせたいほどの鮮やかさであった。そして第三は、本来はエレクトリック・ギターやフルートのために作曲された作品をマリンバに移し替える、加藤訓子氏のアレンジとアイディアの鋭さ。もちろんマリンバは音域の広い楽器ゆえ、ほぼそのまま他楽器の楽譜を演奏することが可能なのだが、しかし原曲の持つ音色を再現するための細かい工夫によって、全く単調に陥ることがない。以上の3点、すなわち演奏、音響、編曲の全てにおいて加藤訓子氏の強い意志が感じられる演奏会であり、佐治敬三賞にふさわしい成果とみなすものである。

<公演概要>

名称: 音楽と市民の広場40 Music Room vol.10
「kuniko plays reich in Kyoto」
日時: 2012年3月18日(日)15:00
会場: 京都芸術センター 講堂
曲目: グルジアンソング(加藤訓子編)
ヤニス・クセナキス:ルボン〔a,b〕
スティーヴ・ライヒ: エレクトリック・カウンターポイント(加藤訓子編)
ヴァーモント・カウンターポイント(加藤訓子編)
アルメニアソング(加藤訓子編)
スティーヴ・ライヒ:シックスマリンバ・カウンターポイント(加藤訓子編)
ハイウェル・ディヴィス:パール・グラウンド
構成・出演:加藤訓子
音響空間デザイン:深田晃
アフタートークゲスト:山中透(作曲家、プロデューサー、DJ)
主催: 京都芸術センター

●「Sep.5 2012 Thanks to John Cage」

Sep.5 2012 Thanks to John Cage

<贈賞理由>
 ひたすら笙の独奏に耳を傾けた2時間10分あまり、あの時、あの空間で生じたことを言葉にするのは一筋縄ではいかない。単音、重音、和音が不意に鳴っては不意に消え、何気なく続いたり、何気なくとぎれたり。これと言って規則性もなく、躍動感を生み出すこともなければ緊張感を強いることもなく、淡々と、大きな変化のない時間が流れていく。西洋音楽の常道的な聴き方からすると、これがはたして音楽なのかとも思える散発的な音現象だが、その中に身を置くことがまさしくジョン・ケージの求めた音楽体験だと言える。
 宮田まゆみ氏がケージの生誕100年を記念して、誕生日の晩に企画したOne9の全曲再演は、ケージというユニークな作曲家の創意をみごとに体現していた。時間に添って水平に流れる音響の連続体とは異質の、断片的な音響を放っていく作業は決して簡単なことではない。音の緩急や強弱による劇的な演出を身につけてきた演奏家にとって、根本的な発想転換を強いるからだ。しかし、宮田氏の演奏はあまりにも自然で、その葛藤が感じられない。それは個人的な資質というより、雅楽のなかで笙が伝統的に果たしてきた役割とも関わっているのかもしれない。
 ケージは最晩年、宮田氏と出会って初めて笙の作品を手がけたのだが、One9はまさに創作のプロセスから初演まで彼女の力があったからこそ、可能になった作品である。その全曲再演という困難な企画を実現し、素直な解釈を示すことによって、ケージの音楽へと多くの聴衆を巻き込んだ力量を高く評価したい。

<公演概要>

名称: ジョン・ケージ生誕100年没後20年
Sep.5 2012 Thanks to John Cage complete One9
日時:2012年9月5日(水)19:00
会場:サントリーホール ブルーローズ
曲目:ジョン・ケージ One9  全曲
笙独奏:宮田まゆみ
主催:株式会社AMATI


以上

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