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勝手にトレンドウォッチャー 次は絶対、コレが来る!専門家が次のトレンドを大予想!?

飲食店プロデューサー、フードコーディネーター、マスコミ業界人など、食に関わる専門家が「次なるトレンド」というテーマで私論を展開します。当たるも八卦、当たらぬも八卦。さて、今月の専門家は何を予想しますやら…。

12月のゲスト 澤田好宏 (株)Spark Point 代表取締役社長・京都産業大学非常勤講師 私が気になるもの 酒を飲みながらの団塊世代ライブ

06年最終月のゲストはマーケッターとして活躍する澤田好宏さんです。かつて「ケメコの歌」を大ヒットさせた関西フォーク第一世代でもある澤田さんがトレンドになると推すのが「団塊世代のおじさんライブ」。この現象が流行する理由はどこにあるのでしょうか。60年代後半の世相とともに話を展開してくれます。2007年問題を控えた今、必見です。

定年した団塊世代に注目

 いよいよ来年は2007年問題が現実化します。俗に言う団塊の世代が定年を迎え始め、社会に変化が起きてくると言われています。かく言う私も来年で60歳を迎える、つまり団塊の世代なんです。私達、団塊の世代は数も多く、これまでの定年のおじさんとは少し違うはず。ある意味で声が大きいし、趣味の世界にも長けています。これが企業というワクから外れ、野に放たれるわけですから、今までできなかった活動を積極的にやり始めると思うんですよ。
 そんな状況下で私が流行ると思っているのはライブハウスなどでのおじさんバンドの活躍。昔取った杵柄とでも申しましょうか、埃のかぶったギターを持ち出し、演奏するってヤツがあちらこちらで出て来るんじゃないでしょうか。
 私達が若い頃はフォークブームの走りで、各大学から反戦歌などを歌うシンガーが出たりしました。岡林信康しかり、高石ともやしかり、フォーククルセダーズしかり、彼らはキャンパスから飛び出し、フォークを世に普及させた人物でもあります。
 こうして話している私も、実は第一次フォーク世代のひとりなんですよ。皆さんは「ケメコの歌」ってご存知でしょうか。“きのうケメコに会いました。月のきれいな夜でした”って歌い出すあの曲です。40代半ば以上なら、このフレーズを必ず歌えるんじゃないですか?
 実は、この歌を私たちのグループが歌っていたんですよ。巷に埋もれていた「ケメコの歌」を発掘し、私が補作詞しました。当時、大学のクラスメートと組んでいたバンド「ザ・ダーツ」でレコーディングし、ミリオンセラーを記録した“昭和の名曲”です。その後、自らも「リトル・マギー」を結成。「女と男」「ふるさとおっかさん」なんて曲を出しました。
 当時、私たち世代は「フラワーチルドレン」や「ウッドストック」に刺激を受け、コンサートをしようということになったのです。関西では神戸の「ポートジュビリー」、大阪の「シティジュビリー」といったコンサートが有名ですね。それ以後、「中津川フォークジャンボリー」やヤマハの「ポプコン」など大掛かりなコンサートができ、次第にこの流れが全国区になって行ったわけです。

澤田好宏さん写真

60年代後半にライブハウスはなかった

 京都では御所周辺がフォーク仲間の練習場所でした。木の下では常に誰かが演奏しており、ここは同志社、あそこは立命館、むこうは京大と、縄張りのようなものがあったんですよ。
 しかし、歌を披露するのはコンサートのみ。実はこの頃はライブハウスといったものが一軒もなかったんです。
 飲みながら聴くというスタイルはジャズの専売特許のようなもの。それでも当時はジャズ喫茶が関の山でしたかね…。この頃のジャズ喫茶はマニアが通っており、しゃべろうものなら叩き出されかねません。しかも喫茶店なので酒なんて置いてませんでしたしね。

講義をする澤田好宏さん写真

 これがベラベラのしゃべれるようなスタイルが生まれてきたのが新宿の「DUG」。現在もこの店は健在ですが、多分、しゃべって酒を飲め、しかもジャズが聴けるという走りではなかったでしょうか。京都でも「DUG」の影響を受けたのか、「大和屋」という店がそんなスタイルで営業していましたっけ。
 こうして考えると、我々、第一次フォーク世代にはライブハウスが無縁の存在だったわけです。だからかつてフォークバンドをやってたおじさん達がこの手のステージに立ちたくなる気持もわかるでしょ。
 関西フォークの第一次世代は岡林信康や五つの赤い風船のようにメジャーデビューして行った人もいますが、大半は私同様、ギターを置き、社会人として巣立って行きました。私も多分に漏れず、学園闘争に加わり、その後世界を放浪した後はサラリーマンに。スーパーマーケットの店頭プロモーション企画や食関連のマーケッターを生業として生きて来たのです。
 メジャーデビューしなかった人は全てそうです。会社に入ると、勤務地もバラバラになり、やがて好きなフォークとは縁遠くなって行ったのです。

今度は時間もあるし、金もある!

 それがここ5年ぐらいで、仲間達がまた音楽をやろうという動きになっています。自分の趣味でライブのできる店を作ったっていうヤツもいるし、行きつけの店でライブをやらせてもらっているというヤツも出てきました。
 あの頃は学生でお金もなかったんですが、今や社会的地位もあるし、金銭的にも余裕もできました。かつて欲しくても買えなかったギブソン・ハミングバードやマーチンD28といったギターが買えるんですものね。私も昨年、マーチンHD-28Vを買い、要望があればそれを弾いています。同世代の友人も自宅と単身赴任先の両方にギターを置いているほど。
 そんな人達が定年になり、時間もできたので歌おうかと言うことになってもおかしくないでしょ。今度は昔と違い、酒を飲みながら聴いてもらえる舞台も用意されているとあらば、増々盛んになって行くと思うんですよね。
 私もマーケッターや大学講師の仕事をする傍ら演奏をやっています。勿論、趣味の延長線上ですよ。先日は上賀茂神社の外幣殿で観月祭が行われ、そこで歌ってきました。あの谷村新司より少し先に世界遺産をバックに歌ったわけです。友人の大坂城慰問楽団(だいはんじょうじょぐばんど)といっしょに1時間のステージを。実に楽しかったです。
 「ケメコの歌」をやると、勿論湧きます。でも昔なら「のってるかい!」って言うと、「イエーイ!」となってたのが、今は「のってるか〜い」と声を掛けると、小声で「ハイ」って返ってくるんです。何か、年齢を感じますねぇ。
 まあ、同世代諸君も定年になり、家で粗大ゴミ扱いされるぐらいなら、ギターを持ち出し歌おうじゃないですか。すると、来年の流行語に「団塊世代ライブ」というのがノミネートされるかも。ぜひ、今後のグルメシーンにそれが出て来てもらいたいですよね。

ライブをする澤田好宏さん写真

プロフィール

澤田好宏(さわだよしひろ)

関西フォーク第一世代としてジローズ、谷村新司らとMBS「ヤングタウン」等で活躍。「ケメコの歌」を発掘、補作詞し、「ザ・ダーツ」をメジャーデビューさせる。その後、芸能界には残らず、サラリーマンに。企画設計会社、毛糸メーカー、セールスプロモーションエージェンシーを経て、99年に独立。食関係のマーケッターとしても活躍している。現在、「(株)Spark Point」を経営する傍ら、京産大で教壇に立っている。「営業力」と題した授業は300人が受講する人気講義に。まだまだ精力的な団塊世代である。

澤田好宏さん写真

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