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勝手にトレンドウォッチャー 次は絶対、コレが来る!専門家が次のトレンドを大予想!?

飲食店プロデューサー、フードコーディネーター、マスコミ業界人など、食に関わる専門家が「次なるトレンド」というテーマで私論を展開します。当たるも八卦、当たらぬも八卦。さて、今月の専門家は何を予想しますやら…。

2月のゲスト 肥和田光司 食品・料理専門カメラマン 私が気になるもの 丹後のオイルサーディン

2月のトレンドウォッチャーは料理専門のカメラマン・肥和田光司さんの登場です。日々、食品や料理がいかにすれば美味しく写るかを追及し続ける職人。自身もかなりのグルメで料理の腕もなかなかのものだとか。そんな肥和田さんが挙げてくれたのが丹後のオイルサーディン。缶詰のオイルサーディン嫌いがやみつきになった地方名産です。「私が食べて旨いのだから流行る」とはわかりやすい論理です。

オイルサーディン嫌いの私がはまった!

 皆さんはオイルサーディンを好んで食べていますか。日本語に直すと、イワシの油漬けで、缶詰売場に必ずある商品ですね。これが酒のあてにいいと、好んで食す人がいるのですが、失礼ながら私には彼らの嗜好がわかりません。そもそもイワシは好きな魚なのですが、オイルサーディンとなると、独得の生ぐささが気になり、ついつい敬遠していました。そんな私が発見したのが「丹後のオイルサーディン」なのです。
 丹後とは京都府の日本海沿いの地域を指します。丹後ちりめんや松葉蟹でも有名なところです。この地域で獲れたイワシをオイルに漬け、缶詰にしたものが、俗に言う「丹後のオイルサーディン」なのです。いくつかあるようですが、私が好んで購入しているのは「TANGO SARDINES IN OIL」と記されたもの。調べてみたわけではないので、定かではありませんが、地元の小さな罐詰業者が発売しているものです。
 初めて食べたのは大阪・ミナミのバーでした。連れて行ってくれた人がウイスキーのあてにオイルサーディンを注文したんです。「うわっ、苦手なオイルサーディンを注文して!」が第一声。
 すると、彼は「嫌いでもだまされたと思って食べてみて」と差し出しました。少し小ぶりのイワシに、従来のものとは違うなと感じましたが、サーディンなんて全て同じだろう。あの生ぐささが来るのかと、いやいや口に運んだのです。すると「うん?!生ぐさくない!!」─これがファーストインプレッション。今までのオイルサーディンの概念を破る一品でした。それからやみつきになり、酒のあてに好んで食べているのです。  

オイルサーディン写真

国産イワシを綿実油で漬ける

 では、一般のオイルサーディンと何が違うかを説明しましょう。まず、違うところは従来のものがノルウェー産のイワシを使っているのに対し、これは地元で獲れた国産イワシを漬けていること。大きさも違いますね。缶を開けると、きれいに交差し、並べられている。いつも食べているサーディンより、かなり小ぶり。その並びのきれいさったら、たまらないほどです。それを綿実油で漬け、月桂樹の葉を香りづけに入れてあります。一般的には大豆油で漬けてるのですが、これは油の差が出ているのか、しつこさを感じさせません。

オイルサーディン写真

 生ぐささがないのは油の差かななんて思っているほどです。缶によって入っている数は異なるのですが、20尾ぐらい入るほどの小さなイワシだと思ってください。でも、小ぶりながら身が締まって美味なんですよ〜。
 ミナミのバーで食べて、気に入ったのですが、どこで売っているのやらと、悩みました。最初に見つけたのがキタの東通りにあった酒屋さん。これで旨いオイルサーディンにありつけると思ったのも束の間。やがてこの店は閉店してしまったのです。時々、日本海に行った人達が土産にくれたので、しのいでいましたが、これでは自分の飲みたい時にありません。どこか売っていないかと探していたら偶然、ミナミの千成屋で見つけました。以来、食べたくなったらミナミまで行き、買い込んで来ています。

 こんなに苦労の末、見つけた缶詰なのに、某編集者は「あっ、コレ?!近所のスーパーで売ってますよ」だって・・・。意外にもバイヤーにファンがいて、仕入れているスーパーがあるのかもしれませんね。ファンと言えば、バーテンさんにも多く、たまにバーで出しているシーンに出合います。

アウトドアのおつまみでも活躍

 ところで、私はコレをいつも野外でバーベキューをする時に持って行くんです。炭火で缶を熱し、ニンニクスライスを1〜2枚入れ、香りづけに醤油を少しだけたらします。これがなかなかオツなアウトドアメニューになるんです。かつて100円ショップで売っていたアウトドア料理の本でもこの超カンタンクッキングを披露したこともあるんですよ。
 料理好きな私はあえて缶詰を手にすることがありません。買ってもコンビーフやシーチキン。ちなみにこれらは料理の材料として使うことが多いですね。そんな私が「旨い!」と思い、薦めるのですから流行っても不思議ではない!少し流行の論理が横暴すぎますか?
 毎日、食品や料理ばかりを撮影するのが私の仕事です。だから一般の人より旨いモノに出合う機会は多い。しかし、いつも感じるのが少量生産ゆえのサガです。つまり、流行するのには大量生産が必要なんです。流行ると、材料を落とし、お金に走ってしまう会社も少なくないんですね。
 そうなると、あの好物が二度と食べられなくなってしまう。こんな経験が何度もありました。もし、この記事を読んで変な流行に発展したら困りますが・・・、やはり旨いモノは教え合わないと浮かばれません。・・・と言うわけで、今月のトレンドは丹後のオイルサーディン「サンフェース印いわしの油漬」をオススメします。皆さんもどこかで見つけたら買ってみて下さいね。

肥和田光司さん写真

プロフィール

肥和田光司(ひわだこうじ)

学校を卒業後、東京の貸しスタジオに勤めた後、カメラマンの大石洋一氏に弟子入り。そこで約10年間アシスタントを務めた。平成2年に独立し、コマーシャルフォト・スタジオヒワダを設立。以後、菓子メーカーのパッケージ写真など、コマーシャルを主に撮影を行っている。ちなみに大石氏の師匠・黄建勲はコマーシャル分野では日本初の料理カメラマン。肥和田氏はその腕を継承する正統派の料理写真家である。

肥和田光司さん写真

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