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THE プロフェッショナル インタビュー

今夜はどこのバーに行こうか。 数あるバーの中から自分のいきたいお店を選ぶ。 いや、お店を選ぶといういうより、誰に会いに行こうか考える。 気兼ねなく話させるあの人。だまっていても優しい目をしたあの人。 その日の気分によって、会いたい人は変わるものだ。 さあ、今夜は誰に会いに行こうか・・・

BAR5517(ゴーゴーイチナナ)/東京・銀座 稲田春夫(イナダ ハルオ)氏 高坂壮一(タカサカ タケカズ)氏

銀座5丁目5番17号。それが店名の由来

写真:BAR5517 入り口
地下に降りる階段。「5517」の名が輝く。夕方5時、この扉を開け銀座の"粋なお客様"が集まる

東京は銀座の三笠会館と言えば、大正14年創業の老舗レストラン。
銀座5丁目にある地上7階、地下1階建の「三笠会館 本店」には、和食、中華、フレンチ、イタリアンなどのレストランがそろい、舌の肥えた銀座の食通たちを唸らせてきた。

この「食の殿堂」とも言えるレストランビルの地下1階には、街の喧騒を避けるかのように、静かにたたずむバーがある。「Bar 5517」。
ビルの所在地の番地を冠したこの店には、古きよき銀座の空気が流れている。

2人の名バーテンダー

稲田春夫 氏。右が支配人の高坂壮一 氏”
左が、稲田春夫 氏。右が支配人の高坂壮一 氏。カウンター内の二人はまさに阿吽の呼吸。

チーフバーテンダーを務めるのは稲田春夫さん。70歳を過ぎても情熱を失うことなく、カウンターに立ち続ける「バーテンダーの重鎮」。50年以上もの間第一線で活躍し、たくさんのお客と接してきた。「若いお客さんとは話題が合わなくなっちゃったかもしれないね。」と苦笑するが、時折語られる思い出話には、激動の昭和を生き抜いてきた名バーテンダーならではの凄みが滲む。

支配人の高坂壮一さん、「チーフと比べれば、私はまだまだひよっ子みたいなものです。」と頭を掻く。しかし、"師匠"である稲田さんの下で腕を磨き、すでにこの道20年。いまや老舗の看板を守る重責を担う。

自己主張することが、豊かな時間を味わうための第一歩

写真:稲田春夫 氏
柔らかなシェイクで50年以上お客を満足させてきた稲田氏。語る言葉にも"重み"がある。

「若いお客さんはね、もっと自己主張してもいいと思う。『いつもはこんなのを飲んでる』でもいいし、『甘いのがいい』『今度は強いの』『さっぱりしたの』って。遠慮して最初から『お任せ』にしたら、楽しくないでしょ?

最近はお酒の種類をたくさん知っている人も多いわけだから。」自分の好きな味、好きな飲み方を主張してもらえば、バーテンダーもより幅広い提案ができる。そうすればお客さんにもあれこれ迷う楽しみが生まれる。

例えばウィスキー。最近は日本のウィスキーがおいしくなってるし、ファンも増えているでしょう。あちこちのお店や自宅でいろいろと飲み比べをするチャンスもある。だから選択肢を増やすためにも、どんどん好みを主張をして試して欲しいね」稲田さんは語る。確かに、気後れしていてはバーを楽しむことなどできない。

写真:稲田春夫 氏

「個人的には、男性より女性のほうがはっきり自己主張をするように思う。女性は最初から『○○が飲みたい!』って言うからね(笑)。男性、特に若い方たちはもっと自分を出したほうがいいかもしれないなあ。

まぁ、上司と一緒に飲みに来たりすると、なかなか難しいとは思うけど。」孫のような年代の人々と接することも多くなった稲田さんの言葉には、数え切れないほどのお客と向き合ってきたからこその説得力がある。

自分の意思をきちんと伝える会話は、今も昔もバーで有意義な時間を過ごすために不可欠なもののようだ。

少しの会話が豊かな時間を味わうための第一歩

写真:高坂壮一 氏
「バーの昔話を聞きに来てください。」と
高坂氏

高坂さんが教えてくれたのは、バーを訪れる際には知っておきたい最低限のマナー。
「お客様が一杯召し上がっただけでお帰りになられると、バーテンダーは少々不安になるものです。お口に合わなかったのか、それともこちらに何か不手際があったのか…と思うんですね。もちろん、お待ち合わせにご利用されただけだったり、お時間がなかったりするときもあると思います。そんなときは、『今日は待ち合わせだから』とお声をかけていただけると安心します。」

これもまたコミュニケーション。バーテンダーや周囲のお客と語り合えというのではない。必要なことを、必要なときに伝えればいい。ほんの少し会話を交わすだけで、バーで過ごすひと時は輝きを増し、より気持ちの良いものへと変化する。

銀座で働くことに「誇り」を持つということ

写真:オリジナルカクテル「5517」
店名を冠したオリジナルカクテル「5517」は、
爽やかな飲み応え。

名だたるバーが集まる銀座で働くことについて高坂さんは、「誇りのようなものを感じますね。」と、噛み締めるように語る。稲田さんは、「昔に比べてずいぶん敷居が低くなったかな。」と笑うが、「それでも、銀座で働くバーテンダーの技術、飲み物やサービスのクォリティは世界屈指。」とも言う。

高い技術レベルを持つプロフェッショナルが集う銀座は、訪れる人々が店を見る目も厳しい。そんな町で働き続け、認められることは、飲食業に携わる人間にとって誇り以外の何物でもない。

5517には、男女を問わず、さまざまな年齢層の人々が訪れる。「私たちは、常にお客さんに育てられてきた。
もちろん、これからも。」と、輝かしい実績を誇る稲田さんが言えば、「さらに質の高いサービスを目指さなくてはなりません。」と高坂さんも同意する。

銀座を知り尽くしたベテランバーテンダーと、飽くなき向上心を持つ支配人の強力タッグが、老舗バーにさらなる歴史を積み重ねていく

BAR5517
店舗情報
住所:東京都中央区銀座5丁目5-17 三笠会館本店B1F
電話:03-3289-5676
営業時間:月〜金 17:00〜23:30 LO23:10
土・日・祝 15:00〜22:30 LO22:10
定休日:無休(元旦のみ)
アクセス:東京メトロ銀座駅B5出口より徒歩3分
メニュー
チャージ1,260円(土日祝はノーチャージ)
ザ・マッカラン12年1,365円
ザ・マッカラン18年1,575円
響17年1,365円
響21年2,100円
白州12年1,050円
5517(オリジナルカクテル)1,470円
マティーニ1,260円
ザ・ギンザ(オリジナルカクテル)1,575円
ギムレット1,260円
写真:BAR5517