長野県大町市にサントリー国内初の環境配慮型工場「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」が誕生しました。
年間販売数量1億ケース超のナチュラルミネラルウォーター「サントリー天然水」の第四の工場は、業界トップクラスの省資源・省エネルギーを追求し、循環型かつ脱炭素社会の実現に貢献します。
再生可能エネルギー発電設備やバイオマス燃料を用いたボイラー導入、再生可能エネルギー由来電力の調達などにより、当社国内工場で初めて“CO2排出量ゼロ工場”を実現します。
「水と生きる」サントリーは、できる限り使う水を少なくする(Reduce)、繰り返し使う(Reuse)、処理をして再生利用する(Recycle)、「水の3R」を徹底しています。
長野県大町市において、同工場の水源涵養エリア約441ヘクタールの森林を、「サントリー 天然水の森 北アルプス」として、水を育む森林の整備・保全を進めていきます。
省エネ推進や再生可能エネルギー導入、化石燃料由来CO2の排出をオフセットするクレジットの活用などにより、製造工程におけるCO2排出量を実質的にゼロとする工場
『サントリー天然水』第4の水源として、2021年5月から稼働を始めた「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」(長野県大町市)では、太陽光発電設備やバイオマス燃料を用いたボイラーの導入、再生可能エネルギー由来電力の調達などにより、サントリー国内初のCO2排出実質ゼロ工場を実現しました。
奥大山ブナの森工場では、工場で汲み上げる水以上の地下水を育むことができる面積の森を保全していくために、水源となる森計495haを「天然水の森 奥大山」とし、水源涵養活動を展開しています。今回の認証では、サントリーグループの「水理念」に沿った、工場周辺流域の水収支の把握、科学的データに基づく水源涵養活動、工場での節水や水質管理の取り組み、流域内のステークホルダーとの連携や適切な情報公開が高く評価されました。
2020年1月には、サントリー九州熊本工場もAWS認証を取得。さらに、2022年1月にサントリー天然水 南アルプス白州工場がAWS認証を取得。奥大山ブナの森工場、サントリー九州熊本工場に続き、日本で3番目の取得となりました。
AWS認証は、世界中の工場を対象とした持続可能な水利用に関する認証です。AWSは、世界自然保護基金(WWF)やThe Nature Conservancy(TNC)等のNGOと企業が共同で設立した、水のサステナビリティをグローバルに推進するための機関です。
サントリー天然水奥大山ブナの森工場
サントリー九州熊本工場
サントリー天然水 南アルプス白州工場
2021年2月、サントリーグループの水のサステナビリティの活動に共感したAWSより、日本における水管理の啓発やネットワーク構築などリーダーシップを担う企業への就任の要望があり、「AWSアジア・パシフィック」と連携協定を締結しました。
日本で初めてメンバーシップ企業となり、ステークホルダーの参画促進、共有可能なツールの開発や啓発などを推進していきます。
サントリーはこれからも水のサステナビリティを追求していきます。
生産活動では、コジェネレーション(熱電併給)システムを活用しています。これは、自家発電で生じた熱を回収し、ビールの仕込みやコーヒー、お茶の抽出時に熱源の一部として使用することで、エネルギー効率を70〜80%にまで高め、CO2の排出量を20〜30%削減できるシステムです。2021年5月末現在、国内ではサントリープロダクツ(株)榛名工場、サントリービール(株)※<天然水のビール工場>群馬・利根川ブルワリー、京都ブルワリーの合計3工場で導入しています。
※ 現サントリー(株)
ほとんどの工場では、重油から都市ガスやLNG(液化天然ガス)への転換を完了しました。これらのガスは、熱量あたりのCO2排出量が低く、また、硫黄分をほとんど含まないことが特徴です。
サントリービール(株)※利根川ビール工場では、2013年にビール生産能力の増強工事を行いました。これにあわせて、仕込工程に最新鋭の釜を導入しエネルギーの効率利用を図るとともに、ボイラーや冷凍設備の更新を通じたエネルギー供給設備の最適化などを行いました。これらの結果、同工場の使用エネルギー効率は約20%向上しました。
※ 現サントリー(株)
サントリープロダクツ(株)天然水南アルプス白州工場では、飲料業界最大規模の発電能力約490kWの太陽光発電パネルを設置。工場で使用する電力の一部をまかない、電力会社からの電気購入に比べて温室効果ガス排出量を年間約205トン削減できています。
※ 2015年4月末現在、自家消費用として
サントリープロダクツ(株)榛名工場とサントリービール(株)※九州熊本工場では、ソーラーフロンティア(株)および(株)日本政策投資銀行により屋根や敷地の一部に大規模太陽光発電所(メガソーラー)が設置されています。2工場を合わせた総出力は約3.2MWで、年間発電量は約660世帯分に相当し、約1,900トンのCO2削減効果が見込まれます。
※ 現サントリー(株)
雪氷熱の利用では、(株)岩の原葡萄園で、豪雪地域に立地する特徴を活かして、冬季の積雪を蓄える「雪室(ゆきむろ)」を1898年には設置し自然エネルギーをワインづくりに活用していました。その伝統を受け継ぎ、2005年に「雪室」を再建、ワイン樽貯蔵庫の冷房に活用しています。
また、同じくサントリープロダクツ(株)天然水奥大山ブナの森工場でも、「雪室」を導入しています。
サントリープロダクツ(株)天然水南アルプス白州工場では、年間を通してほぼ一定の温度(低温)に保たれる地下水の冷熱を、生産設備の冷却などに有効活用しています。また、低温の地下水をペットボトルに詰める際の結露を防ぐため、エアコンプレッサーやボイラーで発生した熱を効率的に回収して地下水を温めるなど、冷温熱を有効に活用しています。
サントリー知多蒸溜所株式会社では、1997年からグレーンウイスキー製造時に発生する蒸溜残液とコーン粕を燃料にして蒸気を発生させ、蒸溜の熱源として使用しています。バイオマス資源の活用によって、LNG(液化天然ガス)の使用量を削減することで、CO2を約6,000トン削減できます。これはサントリー知多蒸溜所株式会社で使用する燃料の40%に相当します。
サントリーグループの国内工場では、生産工程で発生する副産物・廃棄物の排出量削減と100%再資源化に取り組んでいます。2020年は、国内工場から発生した副産物・廃棄物は合計228,355トンとなり、前年より総量で9.2%、原単位で7.2%減少しました。再資源化率は100%を維持しています。
コーヒー・緑茶・ウーロン茶・ウイスキー・ビールなどを生産する工程で発生する副産物や廃棄物が、どのようなものに再利用されているか紹介します。
サントリーグループが取り扱う商品は農産物や水を主原料とする商品が多く、ほかの産業と比較すると、原料由来の環境リスクは小さいと考えられます。しかし、生産工程では、機器の洗浄・殺菌用に薬品も使用しており、周辺環境を汚染するおそれがないとはいえません。そこで、あらゆる異常・緊急事態を想定し、発生するリスクを評価して対応策を講じています。